
はじめに
私の息子は、プロ野球選手になるという大きな夢を抱いています。
その夢を実現するためには、どれほどの努力と練習が必要なのでしょうか。
調べたところ、明確な情報は見つかりませんでした。
そこで、息子の成長記録を基に、プロ野球選手になるためには、どのような練習が必要で、どのくらいの練習量が必要かを紹介したいと思います。
この記録が、同じ夢を持つ他の方々の参考になれば幸いです。
もし息子がプロ野球選手になることができなかった場合、それ以上の練習量が必要であると考え、参考にしていただきたいです。
一日のスケジュール
| 6時 | 起床 |
| 7時 | バッティング練習 |
| 7時30分 | 登校 |
| 16時 | 宿題 |
| 17時 | 野球の練習 |
| 18時 | 入浴 |
| 19時 | ストレッチ |
| 19時10分 | 休憩 |
| 20時 | 就寝 |
毎日、上記のような生活をしています。
「遠投、何メートルまでいった?」——グラウンドでよく聞く会話です。遠くまで投げられる子は肩が強い、肩が強い子は球が速い。なんとなくそう思われています。
ところが、投手の体の動きを実際に計測した研究を見ると、少し様子が違います。いちばん遠くを狙って投げた瞬間だけ、体の使い方がマウンドからの投球と別物に変わっていたのです。しかも、ボールの速さ自体には距離による大きな差が出ていませんでした。
この記事では、遠投が球速につながる距離とつながらなくなる距離の境目を数字で確かめたうえで、家のキャッチボールから変えられる管理のしかたと、ドリル3つを紹介します。動画版はこちらです。
結論・遠投は距離ではなく「低さ」で管理する
この記事で伝えたい3つのこと

先に結論から書きます。
- 低いライナーで届く距離までの遠投は、マウンドからの投球とよく似た動き——この範囲なら良い練習になります
- 最大距離を狙った投げ方だけが別物になる——肩と肘にかかるひねりの力が最大になり、それでも球速には直結しません
- だから管理する数字は距離ではなく「低さ」——何メートル届いたかではなく、どれだけ低い線で投げられたかを見ます
「遠投はやめたほうがいい」という話ではありません。やめるのは、距離を競うことだけです。
研究でわかった、境目のある距離

参考にしたのは、健康な大学生の投手17人を計測した研究です。次の4つを投げてもらい、体の動きを比べています。
- マウンドから18.4メートル(=ふつうのピッチング)
- 平らな地面から37メートル
- 平らな地面から55メートル
- 平らな地面から最大距離(軌道の指定なし)
ポイントは投げ方の指示です。37メートルと55メートルでは「強く、低い線で」と指示され、最大距離だけは「どんな軌道でもいいから遠くへ」でした。最大距離の平均は、およそ80メートルだったと報告されています。
55メートルまでは、投球と似た動きだった

結果として、強く低い線で投げる平地スローは、およそ55メートルまでならマウンドからの投球と似た体の使い方をしていたと報告されています。
これは大事な情報です。近い距離のキャッチボールでは、どうしても腕だけで投げてしまいがちです。少し離れると、下半身から順に力を伝えないと届きません。フォームを崩さずに、全身を大きく使う感覚を練習できる距離帯が、たしかに存在するということになります。
子どもの場合、55メートルという数字をそのまま当てはめる必要はありません。その子が低い線で届く距離が、その子の上限と考えるほうが実用的です。
最大距離を狙うと、何が変わるのか

一方、最大距離を狙った投げ方では、次の項目がすべて4条件のなかで最大になりました。
- 腕が後ろに反る角度(肩の外旋)——およそ180度
- 肘の曲がり——およそ109度
- 肩を内側にひねる力と肘の内側にかかるひねりの力——どちらもこの投げ方が最大
- 肘が伸びる速さ——毎秒およそ2570度
体はもっと大きく、もっと激しく動いています。それなのに、ボールの速さそのものには距離による大きな差が出ていませんでした。「負担はいちばん、速さは変わらず」という結果です。
研究のまとめでも、強く低い線で投げる平地スローは投手の練習として理にかなっているが、最大距離を狙う投げ方は関節にかかる力が増え動き方も変わるため、使うときは注意が必要だという趣旨が書かれています。
なぜ、山なりにすると動きが変わるのか

理由は角度です。遠くへ飛ばそうとすると、ボールを斜め上へ放り上げることになります。すると上体は後ろに起き上がり、投げるときに前へ倒れていく姿勢が消えてしまいます。
速い投手ほど、ボールを離す瞬間に体は前へ倒れています。山なりの遠投は、その姿勢とちょうど逆向きの動きです。前へ倒れる分が減れば、その代わりに腕の反りだけが大きくなる。負担が肩と肘に集まるのは、そのためだと考えられます。
もうひとつ、個人差の問題もあります。遠投プログラム中の投球データを調べた研究では、選手ごとのばらつきが大きく、全員に同じ距離・同じ本数を課すのではなく個別化すべきだと指摘されています。「チーム全員で80メートル」という決め方は、いちばん合わない子に無理をさせます。
それでも遠投をやる価値

ここまで注意点を並べましたが、遠投そのものには、はっきりした良さがあります。
- 全身を大きく使う感覚がつかめる——腕だけでは届かない距離が、体の連動を教えてくれます
- 肩甲骨や股関節がしっかり動く——可動域を使いきる練習になります
- 効率よくボールを飛ばすフォームの感覚が残る——球威が上がるきっかけになったという声も多く見られます
大事なのは、その良さが残っている距離でやめることです。低い線で届かなくなった時点から先は、練習の中身が「全身を使う練習」から「遠くへ放り上げる練習」に入れ替わってしまいます。
やりがちな3つの落とし穴

- 距離を友だちと競う——記録を狙った瞬間に、フォームは山なり用に切り替わります。競うなら「どこまで低く届くか」で競います
- 山なりの全力投げをくり返す——1球なら問題なくても、数を重ねると負担が積み上がります
- 準備なしでいきなり遠投から始める——近い距離から段階的に伸ばします。急に距離を伸ばさないことは、多くの資料で共通して注意されています
そして忘れがちなのが、遠投の1球も、その日の球数に入るということです。「ピッチング練習はしていないから大丈夫」とはなりません。
痛みがあるときは投げず、専門家に相談してください。
家でできる3つのドリル

1. ライナー遠投を10球
相手の胸をねらって、山なりにせず低い線で投げます。届かなければワンバウンドで構いません。届かせることより、低く投げることを優先します。回転と指のかかりを意識できると、なお良いと言われています。
2. 距離は5メートルずつ伸ばす
一度に大きく下がらず、5メートルずつ。低い線で届かなくなったら、そこがきょうの上限です。上限は日によって変わっていいので、毎回そこで止めます。
3. 投げた後に「高い・低い」を声に出す
投げた本人が、自分の球が高かったか低かったかを一言で言います。判定を口に出すと、感覚と結果が結びつきやすくなります。親が言うのではなく、本人に言わせるのがコツです。
遠投は、球速を上げる練習の一部にすぎません。投げる量を増やす方向だけで球速を追いかけると、どこかで頭打ちになります。
まとめ

- 強く低い線で投げる遠投は、およそ55メートルまでならマウンドからの投球と似た動きだと報告されています
- 最大距離を狙った投げ方は、腕の反りが約180度、肩と肘へのひねりの力も最大。それでも球速には直結しません
- だから遠投は、距離ではなく低さで管理する。低い線で届く距離が、その日の上限です
「何メートル投げられた?」を「きょうはどこまで低く届いた?」に変えるだけで、同じ遠投がまったく別の練習になります。今夜のキャッチボールから試せる話だと思います。
動画版では、距離のスケール図と体の使い方の比較を図解で見られます。あわせてどうぞ。












