【野球のコツ】歩幅は「広げる」ものではなく「広がる」もの|ストライド幅と体重移動の目安|プロ野球選手への道

はじめに

私の息子は、プロ野球選手になるという大きな夢を抱いています。
その夢を実現するためには、どれほどの努力と練習が必要なのでしょうか。
調べたところ、明確な情報は見つかりませんでした。

そこで、息子の成長記録を基に、プロ野球選手になるためには、どのような練習が必要で、どのくらいの練習量が必要かを紹介したいと思います。
この記録が、同じ夢を持つ他の方々の参考になれば幸いです。

もし息子がプロ野球選手になることができなかった場合、それ以上の練習量が必要であると考え、参考にしていただきたいです。

一日のスケジュール

6時 起床
7時 バッティング練習
7時30分 登校
16時 宿題
17時 野球の練習
18時 入浴
19時 ストレッチ
19時10分 休憩
20時 就寝

毎日、上記のような生活をしています。

「もっと大きく踏み出せ」「歩幅が狭い」——投げる子どもによくかける言葉です。実際、投げるときに踏み出す足の幅、いわゆるストライド幅は、球速と関係があることが分かっています。

ところが調べていくと、「だから広げさせればいい」という単純な話ではありませんでした。むしろ歩幅は広げるものではなく、広がるもの。この記事では、ストライド幅の測り方と身長比の目安、体重移動のしくみ、そして家でできるドリルまでを、数字と図解で紹介します。動画版はこちらです。

小学生と一流投手、歩幅の差は19%

まずは測り方から

ストライド幅の測り方を示す真上からの俯瞰図

ストライド幅は、軸足のつま先があった位置から、踏み出した足のつま先までの距離です。土のグラウンドなら足あとが残るので、メジャーが1本あればその場で測れます。

大事なのは、測った長さをそのまま見るのではなく、身長で割って割合にすること。体の大きさが違えば適した歩幅も違うからです。身長140センチの子で歩幅が112センチなら、ちょうど8割ということになります。

数字にしておくと、半年後に伸びたかどうかがはっきり分かります。毎回測る必要はありません。

数字で見る、いまの位置

小学生の平均66%と体ができた投手の85%を比べた横棒グラフ

9歳から14歳の投手92人(平均10.4歳)を調べた研究では、ストライド幅の平均は身長の66.0%(ばらつきはプラスマイナス7.1%)でした。

一方、プロ・大学・高校の投手を対象にした複数の研究では、ストライド幅はおおむね身長の85%前後で一貫していると報告されています。その差、およそ19ポイント。身長140センチの子に置き換えると、92センチと112センチ、20センチの違いです。

ただしこの差は「足りない」と読むものではありません。これから育つ余地がある、と読むのが正しい見方だと思っています。理由は次の章で書きます。

歩幅が10%伸びると球速は約3キロ

ストライドが10%伸びると球速が約3キロ上がることを示すグラフ

歩幅と球速の関係も調べられています。思春期の投手を対象にした研究では、ストライドが10%長くなるごとに、球速がおよそ3キロ(約1.9マイル毎時)上がると報告されています。大学の投手でも、ストライド長と最大球速のあいだに有意な正の相関が確認されています。

さらに同じ研究では、思春期の投手の球速は「年齢・身長・腰と肩のねじれ差(割れ)・ストライドの長さ」の4つでおよそ78%が説明できるとされています。歩幅は、それだけ大きな要素なのです。

歩幅を決めているのは、脚の長さではない

歩幅と関係がある項目と関係がない項目を並べたチェックリスト

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

先ほどの92人の調査では、ストライド幅と相関があったのは次の3つでした。

  • 垂直跳びの高さ(下半身のパワー)……r=0.38
  • 投球経験の長さ……r=0.36
  • 片足立ちのバランス……r=0.28

反対に、相関が見つからなかったのは、体重・脚の長さ・年齢です。

つまり「うちの子は脚が短いから歩幅が出ない」ということではありません。歩幅を決めているのは、跳ぶ力・片足で支える力・投げてきた経験。どれも、これから伸ばせるものばかりです。

だから、足を広げさせる練習をするより、この3つを育てるほうが近道になります。歩幅は、あとからついてきます。

体重移動は「押して・止めて・回る」

軸足で押して前へ運び、着地で止め、回転に変わる3段階の矢印フロー図

そもそも歩幅は、体重移動の結果として決まります。順番はこうです。

  1. 押して運ぶ……軸足の股関節で地面を押し、体を前へ運ぶ。この「前へ進む勢い」の大きさが、そのまま歩幅の大きさになります。
  2. 止める……踏み出した足が着地し、前への勢いを受け止めます。
  3. 回る……止められた勢いは行き先を失い、体の回転に変わります。その最後に腕が振り出されます。

歩幅だけを大きくしても、②の「止める」ができなければ、勢いは回転に変わりません。前足のブレーキの話と、この記事はひと続きの話だと考えてください。

短すぎても、広すぎても負担が増える

短すぎると、足りない分を腕が補う

歩幅が短いと腕が代償し肩や肘の負担が増える流れを示す図

歩幅が短いと、体が前へ進む勢いそのものが小さくなります。それでも同じ球を投げようとすれば、足りない分をどこかが補うことになります。補うのは、たいてい腕です。

腕の力で投げる形になると、球速が伸びないだけでなく、肩や肘への負担が増えると指摘されています。歩幅の話は、球速の話であると同時に、ケガを防ぐ話でもあります。

広すぎるのも同じくらい危ない

身長の8割前後を適正ゾーンとして示すメーター図

では広ければ広いほど良いのかというと、そうではありません。研究で適正とされているのは、おおむね身長の80〜87%のあいだ(プロでは80〜85%とする報告もあります)。この範囲を外れると、体は別の場所で無理をして、肩・腕・手首への負担が増えるとされています。

また、歩幅を伸ばして球速が上がると、その分だけ肘にかかる力(内反トルク)も大きくなります。支えられない歩幅は、ただ上体が突っ込んでいるだけです。

肩・肘・膝に痛みがあるときは無理をせず、お医者さんなど専門家に相談してください。

歩幅が広がるドリル3つ

ジャンプ・片足立ち・お尻から前へ運ぶ歩きの3つのドリル

  1. その場ジャンプで跳ぶ力……その場で垂直跳びをして、着地したら1秒でぴたりと止まります。跳ぶ力は、歩幅といちばん相関が強かった項目です。
  2. 片足立ちで支える力……片足立ちを30秒。ぐらついたら、足先ではなくお腹とお尻で支え直します。ぐらつく方向が、いま弱いところです。
  3. お尻から前へ運ぶ歩き……お尻が先に前へ出るように、ゆっくり歩いて踏み込みます。軸足で地面を押して体を運ぶ感覚をつかむドリルです。10歩を3セット。

歩幅そのものを測るのは、半年に1回で十分です。毎回測ると、どうしても「広げよう」という意識になってしまいます。

まとめ

この記事のまとめ3点

  • 小学生のストライド幅は身長のおよそ66%、体ができた投手は85%前後(適正は80〜87%)
  • 10%長くなるごとに球速はおよそ3キロ上がる。ただし広げすぎは肘の負担も増やす
  • 歩幅を決めるのは脚の長さではなく、跳ぶ力・片足で支える力・投げてきた経験

まずは片足立ち30秒から試してみてください。足を大きく踏み出させるより、ずっと分かりやすく、家の中でも確かめられます。

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