
はじめに
製図の授業で、こんなふうに手が止まったことはありませんか。
三つの図をかくところまでは分かった。
けれど、どれをどこに置けばいいのかが分からない。
平面図は上だったか、下だったか。
思い出せないまま、なんとなく置いてしまう。
じつは、この配置には理由があります。
丸暗記するものではないんですよ。
「見た向きに、そのまま置く」。
この一言さえ持っていれば、正面図の上下左右のどこに置くかで迷うことはなくなります。
そして、それを決まりにしたものが第三角法です。
この記事では、まず、なぜ立体を三つの図に分けて表すのかを確かめます。
次に、第三角法の並べ方と、その理由を整理します。
最後に、正面図の選び方、三つの図をそろえてかくこつ、線の使い分けまで扱います。
途中には例題を二つ置きました。
図をどこに置くかを答える問題と、見えない穴をどんな線でかくかを答える問題です。
どちらも定期テストで問われやすい形なので、手を止めてノートに書きながら読んでみてくださいね。
授業を休んでしまった人も、この記事だけで追いつけるように書いています。
第三角法を3つの順で整理する
この単元は、「なぜ」「どこに」「どうかく」の三つに分けると、一気に見通しがよくなります。
一つ目は、なぜ。
立体をわざわざ三つの図に分ける理由をつかみます。
二つ目は、どこに。
第三角法の並べ方と、その位置になる理由を覚えます。
三つ目は、どうかく。
正面図の選び方、そろえてかくこつ、線の使い分けを身につけます。
この順で追いかけると、はじめて見る図面でも、どの向きから見た形なのかを読み取れるようになりますよ。
- ポイント1:三面図で形が決まる:前・上・横の3方向から見た図をそろえて、寸法まで伝えます。
- ポイント2:第三角法の並べ方:正面図を中心に、見た向きにそのまま置くのが決まりです。
- ポイント3:かき方のきまり:正面図の選び方、補助線でそろえる手順、線の使い分けです。
ポイント1:三面図で形が決まる
まずは、なぜ立体をわざわざ三つの図に分けるのかをつかんでいきましょう。
ここを飛ばすと、配置の丸暗記になってしまいます。
図面は絵ではありません。作る人に、形と寸法を正しく渡すためのものです。
三面図で形が決まるのポイントを紹介します
立体を紙で正しく伝える
製作の図面は、作る人に形と寸法を正しく渡すためのものです。
ところが、見たままを絵のようにかくと、奥行きの線が斜めになり、長さが実物と変わってしまいます。
それでは、材料を何ミリで切ればよいのかが伝わりませんよね。
そこで製図では、見る向きをはっきり決めて、その向きから見えた形だけを平らな面にそのまま写します。
この写し方を正投影といいます。
写真ではなく、寸法を渡すための図。
ここが、図面と絵のいちばん大きなちがいなんですよ。
だから、図面のよしあしは絵としての見ばえでは決まりません。
だれが読んでも同じ形にたどりつけるかどうかで決まります。
正投影は真正面から見た形を写す
正投影は、その面の真正面から見た形を、平らな面にそのまま写す方法です。
平行な光を当てて、影を落とすところを想像すると分かりやすいですよ。
光が平行なので、影は近くても遠くても同じ大きさになります。
だから、写した図の長さは実物のまま縮みません。
図面の上で測った寸法が、そのまま材料の寸法として使えるということですね。
斜めから見た絵では、こうはいきません。
奥行きが短く見えてしまい、正しい寸法を書きこめないんです。
ですから、正投影でかいた図には、そのまま寸法を書きこめます。
実物と同じ長さが図の上に出ているからですね。
3つの向きがそろって形が決まる
では、一つの向きから写せば形は決まるでしょうか。
決まりません。
正面から見ただけでは、奥行きがどれだけあるのか分からないからです。
たとえば、正面から見ると同じ四角に見える部品でも、真上から見ると厚みがまるでちがうことがありますよね。
そこで、前、上、横の三つの向きから見た図をかきます。
前から見たものを正面図、真上から見たものを平面図、横から見たものを側面図といい、三つ合わせて三面図と呼びます。
この三つがそろうと、高さも幅も奥行きもすべて決まります。
はじめて、作る人が同じ形を作れるようになるんですよ。
- 図面は寸法を渡すもの:見たままの絵ではなく、作る人が同じ形を作れる情報を渡します。
- 正投影は縮まない:真正面から平らな面へ写すので、長さがそのまま寸法として使えます。
- 3方向でひとそろい:正面図・平面図・側面図がそろって、高さ・幅・奥行きが決まります。
ポイント2:第三角法の並べ方
ここからは、三つの図をどこに置くかを見ていきます。
テストでいちばん問われるのが、この配置ですよ。
覚えることは一つだけ。見た向きに、そのまま置く。これが第三角法です。
第三角法の並べ方のポイントを紹介します
正面図・平面図・側面図の位置
三面図は、かくだけでは足りません。
どこに置くかまで決まっているんですよ。
第三角法では、まず正面図を中心に置きます。
そして、真上から見た平面図を正面図の真上へ、右から見た側面図を正面図の右へ置きます。
この並べ方を第三角法といい、日本の製図ではこの方法を使うと決まっています。
テストでよく問われるのも、まさにこの位置関係です。
図をかく力より先に、どこに置くかを覚えるほうが、点につながりますよ。
反対に、置く場所をまちがえると、正しくかけた図でもちがう形として読まれてしまいます。
配置は、かき方と同じくらい大事なきまりなんですね。
なぜその位置になるのか
位置を丸暗記しようとすると、すぐに混ざってしまいます。
覚え方は一つだけ。
見た向きに、そのまま置くと考えてください。
上から見た図だから正面図の上、右から見た図だから正面図の右。
左から見た図をかくなら、正面図の左に置きます。
目で見たときの向きと図の位置が一致しているので、読む人も迷いません。
この考え方が分かっていれば、下から見た図をかくことになっても、正面図の下に置けばよいと自分で判断できますね。
はじめのうちは、実際に部品を手に持って、その向きに紙を置いてみると分かりやすいですよ。
第一角法とのちがい
世界には、第一角法という別の並べ方もあります。
こちらは、右から見た図が正面図の左に来て、上から見た図が正面図の下に来ます。
第三角法と、ちょうど左右も上下も逆になるわけですね。
ヨーロッパなどで使われている方法です。
同じ図面でも、どちらの方法でかかれているかで読み方が変わってしまうので、図面には見分けるための記号が入っています。
日本の学習で使うのは第三角法だと、まずは覚えておきましょう。
テストでは、どちらの並べ方かを見分ける問題も出ます。
平面図が正面図の上にあれば第三角法、と考えれば大丈夫ですよ。
- 正面図が中心:最初に正面図を置き、そこを基準にほかの図の位置を決めていきます。
- 見た向きにそのまま:上から見た図は上、右から見た図は右。丸暗記しなくて済みます。
- 第一角法は逆になる:右から見た図が左、上から見た図が下。日本の学習では第三角法です。
ポイント3:かき方のきまり
最後は、実習でいちばん差が出るところです。
同じ三面図でも、読みやすい図面とそうでない図面が出てきます。
分かれ目は、正面図の選び方と、補助線を先に引くかどうかの二つです。
かき方のきまりのポイントを紹介します
正面図はどの向きを選ぶか
三面図をかくとき、最初に決めるのは正面図です。
ここが決まれば、残りの二つは自動的に決まるからですね。
選ぶ基準は三つあります。
一つ目は、その部品の特徴がいちばんよく分かる向きであること。
二つ目は、見えない部分を表すかくれ線が少なくなる向きであること。
三つ目は、実際に机に置いたときの、安定した姿であることです。
この三つを満たす向きを正面図にすると、読む人にとって分かりやすい図面になりますよ。
たとえば本立てなら、いちばん形が分かるのは横から見た向きですし、机に置いたときも安定していますね。
3つの図はそろえてかく
三つの図は、ばらばらにかくものではありません。
正面図と平面図は幅が同じになり、正面図と側面図は高さが同じになります。
上下と左右で、必ず対応しているんですね。
ですから、かくときは正面図から縦と横に薄い補助線をのばして、その線に合わせて残りの図をかいていきます。
一つずつ寸法を測り直すより、ずっと速くて正確です。
三つの図がずれる失敗は、この補助線を引かずにかき始めたときに起こりますよ。
手をかけるところは、はじめの補助線です。
ここさえていねいに引いておけば、あとの作業はなぞるだけで進みます。
線の使い分けと仕上げの手順
最後は線です。
見えている形の輪郭は太い実線、見えない部分の形は破線、円や穴の中心は細い一点鎖線でかきます。
線を変えるだけで、伝わる情報がぐっと増えるんですよ。
手順は、用紙のどこに三つの図を置くかを先に決め、中心線と補助線を薄く引き、形が決まってから外形線を濃くなぞる。
この順にすると、消しゴムを使う回数が減り、紙も汚れません。
急いで濃くかき始めるのが、いちばん遠回りなんですね。
とくに、見えない部分を実線でかいてしまう失敗はとても多いです。
かき終わったら、線の種類をもう一度見直してみてくださいね。
- 正面図は3つの基準で選ぶ:特徴が出る向き、かくれ線が少ない向き、安定した姿です。
- 補助線を先に引く:幅は正面図と平面図、高さは正面図と側面図でそろえます。
- 線は3種類を使い分け:外形線は太い実線、かくれ線は破線、中心線は細い一点鎖線です。
おわりに
今日たどってきたのは、三面図の考え方、第三角法の並べ方、そしてかき方のきまりの三つでした。
立体は、前と上と横の三方向から見てはじめて形が決まる。
その三つは、見た向きにそのまま置く。
そして、補助線でそろえ、線を使い分けて仕上げる。
この筋道でつながって見えたなら、もうこの単元は自分のものですよ。
最後に一つだけお願いです。
記事の中に出てきた例題を、もう一度ノートで確かめてみてください。
上から見た図は、第三角法では正面図のどこに置くでしょうか。
正面から見えない穴の輪郭は、どんな線でかくでしょうか。
読んで分かった気になるのと、自分の手でかいて説明できるのとでは、テストでの手ごたえがまるで変わりますよ。
ご視聴ありがとうございました。
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中学技術【第三角法】正面図・平面図・側面図の配置と書き方をわかりやすく解説
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