はじめに
「送る会」は、卒業生に感謝の気持ちを伝えると同時に、在校生と卒業生の絆を深める絶好のチャンスです。
しかし、全校生徒が関わる演出を考えるのは、教員にとって一筋縄ではいかない課題かもしれません。
解決策は、「全員参加型の演出」を計画的に取り入れることです。
フラッシュモブや合唱、メモリーツリーのような簡単かつ効果的なアイデアを組み合わせることで、全員が楽しめる感動的な行事を実現できます。
では早速、「送る会」の具体的なアイデアを見ていきましょう!
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1. フラッシュモブで驚きと感動を演出
フラッシュモブは、「送る会」のサプライズ演出として非常に効果的です。
突然始まるパフォーマンスは、卒業生に驚きと感動を与えるだけでなく、会場全体に一体感を生み出します。
この記事では、フラッシュモブの具体的な演出例と準備の進め方、練習のポイントをご紹介します。
フラッシュモブの具体例
フラッシュモブの演出は、以下のようなアイデアから選ぶことができます。
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ダンスパフォーマンス
- シンプルで覚えやすい振り付けを使用。
たとえば、サビ部分に全員で揃って踊れるような振り付けを考えます。 - 曲例: 「ありがとう」「旅立ちの日に」など、感謝や卒業をテーマにした楽曲。
- シンプルで覚えやすい振り付けを使用。
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リレー形式のパフォーマンス
- 最初は少人数のグループが踊り始め、徐々に参加者が増える構成。
- 最後に全校生徒が一斉に踊ることで、盛り上がりのピークを演出します。
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歌とダンスの組み合わせ
- 在校生が合唱で歌を披露しながら、別の生徒たちがその横でダンスをする形式。
- 音楽が途切れた瞬間に全員でメッセージを叫ぶ、という工夫も可能です。
準備の進め方
フラッシュモブの成功には、事前準備が鍵です。
以下の手順を参考に進めてください。
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演出内容を決める
- 教員と生徒の代表で実行委員会を作り、テーマや目的を共有します。
- 卒業生の好みや学校全体の雰囲気に合った曲やアイデアを検討しましょう。
- 演出の時間や場所(体育館、校庭など)も決めておきます。
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楽曲と振り付けを選定
- 楽曲選び: 感謝の気持ちを込めた歌詞や明るい雰囲気の曲を選びます。
- 振り付け作成: シンプルで繰り返しやすい動きを採用。全員が踊れるレベルのものを考えます。
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練習計画の立案
- 各クラスや学年ごとに分かれて練習する時間を確保。
- 動画を撮影して振り付けの指導用資料を作ると、生徒が自主練習しやすくなります。
- 本番直前に全体リハーサルを実施し、完成度を高めます。
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衣装や小道具を準備
- 衣装は統一感を出すため、Tシャツや帽子など簡単なものを揃えるだけで十分です。
- 小道具(メッセージボードやペンライトなど)を活用すると、演出がより華やかになります。
練習のポイント
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段階的に進める
- 最初は各クラスやグループ単位で基本の振り付けを練習。
- 慣れてきたら全体で合わせる練習を行い、動きのタイミングを揃えます。
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繰り返し練習する部分を明確に
- サビなど、全員が一斉に踊る部分を重点的に練習。
- 難しい部分は動画を見ながら復習できるようにします。
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コミュニケーションを重視
- 生徒同士が声を掛け合い、協力して練習を進めることで一体感が生まれます。
- 指導役の生徒リーダーを選び、進行役を担ってもらうのも良い方法です。
実施の流れ
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事前準備
- 会場にスピーカーや音響設備を設置し、楽曲の音量や再生タイミングを確認します。
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サプライズ開始
- 最初は数人の生徒が自然に立ち上がり、ダンスを始めます。
- 徐々に参加者を増やし、最後には全校生徒が一斉に踊る形でサプライズを完成させます。
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メッセージを伝える
- フラッシュモブ終了後、リーダー役の生徒が卒業生に向けて感謝の言葉を述べます。
- 全員で声を揃えて「ありがとう」と伝えるのも効果的です。
あらかじめ撮影しておき、突然流すのもOK
2. メモリーツリーで思い出を共有
メモリーツリーは、卒業生への感謝や思い出を視覚的に表現する感動的な演出です。 簡単に準備できる一方で、卒業生にとって心温まる贈り物となります。ここでは、具体的な準備の手順、飾り付けの方法、当日の進行について詳しく説明します。
メモリーツリーとは?
体育館や会場に設置した大きな木の模型に、生徒一人ひとりが記入したメッセージカードを飾り付けます。
カードには感謝や思い出が詰まっており、卒業生が在校中に築いた絆や努力を象徴する「記念の木」として完成します。
メモリーツリーの準備の進め方
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木の模型を準備
大きな木の形をダンボールや紙、布などで作成します。
模型が用意できない場合は、壁に木のシルエットを描き、そこにカードを貼る形式でもOKです。
安全性を考慮し、体育館などの目立つ場所に設置します。 -
メッセージカードを作成
カードのデザインは、卒業生の名前や学年を記載するスペースを確保しつつ、カラフルで個性のあるデザインに仕上げます。
生徒たちが自由に感謝の気持ちや思い出を書けるよう、見本を用意してイメージを共有します。
葉っぱやハート型など木に関連した形状にすると統一感が生まれます。 -
飾り付けの準備
生徒全員で飾り付ける時間を設け、一体感を感じられるイベントとして進めます。
飾り方を事前に計画し、卒業生の名前が目立つ配置を工夫します。
当日の流れ
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メモリーツリーを飾り終える
送る会の開始前に、生徒たちが全員でツリーを完成させます。
最後の仕上げとして、生徒代表が「完成式」のような形式で木の完成を宣言しても良いでしょう。 -
卒業生の登場
送る会で卒業生が入場する際、メモリーツリーが披露されます。
卒業生がツリーを囲む場面を作り、在校生全員で拍手やメッセージを送りましょう。 -
感謝の言葉を伝える
在校生代表が卒業生に向けて感謝のスピーチを行い、全員で「ありがとう」と声を合わせて伝えると、さらに感動的です。
メモリーツリーを成功させるための工夫
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個性を大切に
各生徒がカードに個性を発揮できるよう、自由にデザインや色を工夫してもらいます。
卒業生一人ひとりへのメッセージを特に目立たせることで、卒業生に特別感を与えます。 -
全員参加を促す
飾り付けはクラス単位で行い、リーダーを決めてスムーズに進行できるようにします。
早めの準備を開始し、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。 -
写真や動画の記録
完成したメモリーツリーや飾り付けをしている生徒たちの様子を記録することで、思い出として残すことができます。
卒業生にとっても、卒業アルバムで振り返りやすい記念となるでしょう。
メモリーツリーがもたらす効果
メモリーツリーは、感謝の気持ちを「見える形」にすることで卒業生の心に深く響きます。
生徒全員が一つの作品を作り上げる達成感を共有することで、学校全体の絆もより一層強まります。
卒業生にとって忘れられない特別な贈り物となるメモリーツリーで、「送る会」をさらに感動的なものにしましょう!
3. 合唱で感謝を心に響かせる
歌を通じて感謝を伝える合唱は、「送る会」の定番演出でありながら、その感動の効果は絶大です。
心を込めた歌声が卒業生の胸に響き、忘れられない思い出を作ることができます。
ここでは、曲選びから練習方法、当日の演出まで、合唱を成功させるためのポイントを詳しく解説します。
曲の選び方
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感謝や応援をテーマにした曲を選ぶ
感動を呼ぶためには、歌詞に感謝の気持ちや応援のメッセージが込められた曲が最適です。
「旅立ちの日に」「ありがとう」「贈る言葉」など、卒業を祝う場にふさわしい楽曲が候補になります。 -
歌詞の意味を考える時間を設ける
生徒たちが歌詞の意味を理解することで、感情を込めて歌えるようになります。
歌詞に描かれる感謝や励ましの気持ちを共有し、歌に対する想いを深めましょう。 -
歌唱難易度も考慮する
全校生徒が参加しやすいように、難易度が高すぎない曲を選びます。
学年ごとにパートを分ける場合は、それぞれの音域に合わせた編曲を検討してください。
合唱におすすめの具体的な曲6選
以下の楽曲は、感謝や応援のメッセージが込められており、「送る会」にふさわしい合唱曲です。
全校生徒が参加しやすく、感動を呼び起こせるものを厳選しました。
1. 「旅立ちの日に」
- テーマ: 感謝と旅立ち
- 特徴: 日本の卒業ソングの定番。温かく力強いメロディと、「希望」というテーマが未来への一歩を象徴します。
- 難易度: 中程度(ハーモニーを取り入れる場合はやや難易度アップ)
- おすすめポイント: サビの「今 別れの時」の部分は全員で揃えて歌うと大きな一体感が生まれます。
2. 「ありがとう」(いきものがかり)
- テーマ: 感謝の気持ち
- 特徴: 明るく爽やかなメロディで、感謝をストレートに伝える歌詞が心に響きます。
- 難易度: 初級(歌詞が覚えやすい)
- おすすめポイント: リズムが分かりやすいので、全校生徒で楽しく練習できます。特にサビ部分が盛り上がりやすいです。
3. 「贈る言葉」(海援隊)
- テーマ: 激励と別れ
- 特徴: しっとりとしたメロディと、人生の応援歌のような歌詞が特徴的。しみじみとした感動を与えます。
- 難易度: 初級(全体的にゆったりしたテンポ)
- おすすめポイント: 一部ソロを入れるアレンジが可能で、緊張感と感動を生み出します。
4. 「YELL」(いきものがかり)
- テーマ: 応援と絆
- 特徴: 別れと新しい旅立ちへの希望を歌った曲。合唱用にアレンジされたバージョンもあり、全体的にまとまりやすい。
- 難易度: 中級(音域が広いため調整が必要)
- おすすめポイント: 明るさと切なさが共存する曲調で、卒業生だけでなく在校生の心にも残る演出が可能です。
5. 「COSMOS」
- テーマ: 壮大な希望と未来への旅立ち
- 特徴: クラシック調のメロディと力強い歌詞が魅力。卒業式や「送る会」の場にふさわしい重厚感があります。
- 難易度: 中〜上級(音程の幅が広く、ハーモニーが重要)
- おすすめポイント: しっかりと練習することで、非常に感動的な合唱が仕上がります。特に最後の「大地を駆ける風になれ」の部分は圧巻です。
6. 「正解」(RADWIMPS)
- テーマ: 共感と未来への決意
- 特徴: 映画「君の名は。」で知られるRADWIMPSが手がけた楽曲。迷いや葛藤を抱えながらも未来へ進む人々の心情を歌った歌詞が、卒業という節目にぴったりです。
- 難易度: 中級(メロディは覚えやすいが、テンポや歌詞の抑揚に注意)
- おすすめポイント: メッセージ性が強く、生徒一人ひとりの心情に寄り添う楽曲。全校生徒で歌えば、未来へ進む勇気を共有する感動的な合唱が完成します。
準備のポイント
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練習スケジュールの作成
クラスや学年ごとに練習時間を割り振り、効率的に進める計画を立てます。
各学年が担当するパートを事前に決め、少人数の練習を重ねた後、全体練習に移行します。 -
歌詞カードの配布
歌詞を覚えやすくするため、シンプルで見やすい歌詞カードを作成します。
必要に応じて、各パートのメロディを記載したパート別カードを用意するのも効果的です。 -
全体練習の実施
本番前に全員が揃うリハーサルを行い、歌声を合わせることに集中します。
特に曲の出だしやサビの部分は全体の印象を左右するため、丁寧に練習を重ねましょう。
当日の演出
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卒業生を囲む形での演出
卒業生を中央に配置し、在校生がその周りを囲む形で合唱を行います。
これにより、歌声が卒業生にダイレクトに届き、一体感のある感動的なシーンを演出できます。 -
歌唱の合間にメッセージを挿入
曲の途中や終了後に、生徒代表が感謝のメッセージを述べると、より心に残る演出となります。
また、歌い終わった後に全員で「ありがとう」と声を揃えるのも効果的です。 -
照明や小道具の活用
体育館の照明を工夫してドラマチックな演出を加えたり、メッセージボードやペンライトを持たせてビジュアル的な効果を高めるのも良いアイデアです。
3年生がスライドショーを観ている間に、合唱の隊形へと静かに並び替えることで、サプライズ効果を狙うことができます。
この方法は、視覚的な驚きと感動を演出するために非常に有効です。
スライドショーの内容に関連した歌やメッセージを用意しておくと、さらに心に響く仕掛けになるでしょう。
合唱を成功させるための工夫
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リーダーの配置
学年ごとにリーダーを選び、練習の進行や声出しの指導を任せることで、スムーズに準備が進みます。 -
動画や音源を活用
練習用の音源や動画を作成し、生徒が自宅でも復習できる環境を整えます。
これにより、練習効率が格段に上がります。 -
モチベーションを高める取り組み
練習の合間に「本番で卒業生が喜ぶ姿を想像しよう」と呼びかけることで、生徒たちの意欲を引き出します。達成感を全員で共有することが成功の鍵です。
合唱がもたらす効果
合唱は、生徒全員が声を合わせて一つのメッセージを届ける、最も感動的な方法の一つです。
声を重ね合わせることで一体感が生まれ、歌の力で感謝の気持ちを卒業生の心に深く刻むことができます。
卒業生にとって、忘れられない思い出の一場面を作る合唱で、「送る会」をより感動的なものにしましょう!
おわりに
「送る会」は、全校生徒が一丸となって卒業生を送り出す特別な行事です。
フラッシュモブ、メモリーツリー、合唱といった演出を取り入れることで、感謝の気持ちを効果的に伝えられます。
準備を計画的に進めることで、生徒全員が主体的に取り組む感動的な行事を実現できます。
教員としてこの経験を通じて、生徒たちの成長を見守り、彼らの絆を深める手助けをしてください。
卒業生と在校生の心に残る、最高の「送る会」を実現しましょう!