【中学校】体育祭のスローガンで意見が割れたら|まとめる3つの手順

はじめに

体育祭のスローガンを決める学級会で、クラスの意見が真っ二つに割れてしまい、話し合いがまとまらなかった経験はありませんか。
案を出し合うところまでは盛り上がるのに、いざ絞り込む段階になると、教室の空気が急に固くなる。
多数決で決めても、選ばれなかった案を出した子がどこか浮かない顔をしている。
そんな光景に心当たりのある先生も多いはずです。

対立は、意見が違うことそのものが原因ではありません。
何を基準に選ぶのかを決めないまま、いきなり決を採ろうとすることが、話し合いをもめさせる本当の理由です。

この記事では、体育祭のスローガンで意見が割れたクラスを、対立を勝ち負けにせずまとめる3つの手順で紹介します。
案を「勝ち負け」にしない考え方、決める基準を先に出すやり方、選ばれなかった案も生かす工夫。
どれも、次の学級会からすぐに使える内容です。

この記事で分かること
  • 話し合いが対立で終わらないようにする考え方
  • もめずに納得して決めるための基準の出し方
  • 選ばれなかった案を前向きに生かす方法

対立をまとめる、3つの手順

先に結論をお伝えします。
体育祭のスローガンで意見が割れても、対立は決して怖いものではありません。
好き嫌いで決めようとするからもめるのであって、決める前に基準を出しておけば、子どもたちは納得して結果を受け入れられます。
今日お伝えする3つの手順は、案を「勝ち負け」にしない、決める基準を先に出す、選ばれなかった案も生かす、の3つです。

3つのポイント
  • ポイント1:案を「勝ち負け」にしない:出た案は消さずにすべて残し、良いところを拾う。
  • ポイント2:決める基準を先に出す:好き嫌いでなく、覚えやすさなど3つの基準で選ぶ。
  • ポイント3:選ばれなかった案も生かす:応援ボードや通信で、別の形で光を当てる。

ポイント1:案を「勝ち負け」にしない

話し合いがもめる最初のきっかけは、案を早く絞り込もうとすることです。
出てきた案は、すぐに減らさずすべて残すところから始めましょう。

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案を「勝ち負け」にしないポイントを紹介します

なぜ最初に案を絞ってはいけないか

体育祭のスローガンを決める話し合いで、案が二つか三つに絞られたとたん、教室の空気が固くなることがあります。
最初から選択肢を減らそうとすると、子どもたちには「どちらかを選ばされる」という感覚が生まれ、選ばれなかった案を出した子は、その時点でもう当事者ではなくなってしまいます。
案を出す段階と、決める段階を分けずに進めてしまうと、話し合いは自然と勝ち負けの構図になっていきます。
まずは出てきた案をすべて黒板に残し、数を減らさないところから始めることが、対立を防ぐ最初の一歩になります。

私自身、以前はスローガン決めの時間を短く切り上げたくて、出た案の中からすぐに二つに絞り、多数決に持ち込んでいたことがあります。
結果として選ばれなかった側の子が、それ以降の準備にどこか一歩引いた様子になってしまいました。
急がば回れで、最初の数分は絞らずに広げる時間として使うほうが、あとの進みはむしろ速くなります。
あのときもっと早く気づいていればと、今でも思い返す出来事です。

出てきた案をすべて残すやり方

出てきた案をすべて残すには、黒板を「案の一覧表」として使うのがおすすめです。
似ている案が出ても、無理に一つにまとめず、別の案として並べて書いておきます。
この段階でやることは選ぶことではなく、「この案のどこがいいと思う?」と一つずつ良いところを聞いて回ることです。
否定の言葉が一度も出ないまま案が出そろうと、教室の空気は最後まで前向きなまま保たれます。
良いところ探しの時間は、案の数が多いほど時間がかかりますが、この時間を惜しまないことが、あとの決め方への納得感につながっていきます。

黒板に出た案を書き出して話し合いを進める先生

良いところを聞くときは、案を出した本人でなく、周りの子に「この案のどこが好き?」と聞くのも効果的です。
本人以外の言葉で良さが語られると、案そのものへの信頼が増していきます。
逆に「これは違うと思う」という声が出たら、理由でなく代わりの提案を先に求めると、否定で止まらずに話し合いが前に進みます。
担任は審判ではなく、進行役に徹することを意識します。

「どれも捨てがたい」の一言が持つ力

黒板に案が並んだ段階で、担任が「どれも捨てがたいですね」と一言添えるだけで、教室の空気は変わります。
子どもたちは無意識のうちに、自分の案が担任にどう見えているかを気にしているものです。
すべての案に良いところがあると認められると、この先で自分の案が選ばれなくても、否定されたわけではないと受け止めやすくなります。
この一言は、次の基準づくりの話し合いへ気持ちよく移るための橋渡しにもなり、話し合い全体の空気を最後まで前向きに保つ役割も果たします。

声に出すタイミングは、案がある程度そろい、これ以上新しい案が出なくなった瞬間がおすすめです。
早すぎるとまだ意見が出づらくなり、遅すぎると空気が固まったあとになってしまいます。
担任が発するこの一言は、短くても効果が大きい場面のひとつで、意識して言葉にする価値があります。

対立を防ぐ2つの言葉
  • 「この案のどこがいいと思う?」:否定でなく良さを先に聞く。
  • 「どれも捨てがたいですね」:案が出そろった合図として使う。

案がすべて残ったら、次はいよいよ、その中からどう選ぶかの基準づくりに進みます。

ポイント2:決める基準を先に出す

好き嫌いだけで決めようとすると、話し合いは必ずもめます。
決を採る前に、基準を黒板に書いておくことが、対立を防ぐいちばんの近道です。

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決める基準を先に出すポイントを紹介します

なぜ好き嫌いで決めるともめるのか

体育祭のスローガンを「好き嫌い」だけで決めようとすると、話し合いは必ずと言っていいほどもめます。
好みは人によって違って当然で、どちらの言い分にも正解がないため、最後は声の大きさや人数の多さで押し切る形になりがちです。
もめるのは意見が違うからではなく、何を基準に選ぶのかを決めないまま多数決に入ってしまうからです。
基準を先に出しておけば、選ばれなかった案の子も、なぜその案になったのかを自分で理解でき、結果を受け入れやすくなります。

基準を決めずに多数決へ入ると、負けた側は「人数が多かっただけ」としか感じられません。
一方で基準がそろっていれば、「今日はこの三つで選ぶよ」と先に伝えるだけで、結果への受け止め方が大きく変わります。
基準づくりは、話し合いの数分前に済ませておく小さな準備で十分で、特別な道具も要りません。

基準は3つまでにしぼる

基準は多くても三つまでにしぼるのがコツです。
たとえば「覚えやすさ」「体育祭らしさ」「クラス全員が声に出して言えるか」といった具合に、誰が聞いても分かる言葉で黒板に書いておきます。
基準が四つ以上になると、案ごとに評価がばらつき、かえって決めにくくなってしまいます。
基準を先に見せてから決を採ると、「なぜこの案なのか」を子どもたち自身が説明できるようになり、決めたあとの話し合いも前向きに進みやすくなります。
数を絞る作業ほど、実は先に言葉で線を引いておくことが効きます。

黒板に決める基準を書いて示す先生

基準の言葉は、できるだけ子どもたちが日常で使う言葉に近づけると伝わりやすくなります。
「体育祭らしさ」だけでは抽象的なら、「一年生でも意味が分かるか」のように具体的に言い換えるのも一つの方法です。
基準は毎回同じでなくてよく、その年のクラスに合わせて選び直してかまいません。
担任が言葉選びに悩みすぎる必要はありません。

基準を子どもたちと一緒に決める効果

基準そのものを、担任が一方的に決めて渡すのではなく、子どもたちと一緒に決める時間を数分でもつくると、納得の度合いが大きく変わります。
「今日は何を大事にして決めたい?」と先に問いかけると、子どもたちの口からは「みんなが言いやすい言葉がいい」といった声が自然に出てきます。
この声をそのまま基準の言葉として黒板に書くと、決め方そのものがクラス自身のものになり、次の学級会の話し合いにもそのまま生きていきます。
担任が決めた基準より、ずっと長く教室に残ります。

基準を子どもたちと決める時間は、長くても三分程度で十分です。
時間をかけすぎると本来の案選びの時間が減ってしまうため、出てきた意見を担任が手早く三つにまとめる進行を意識します。
この短いやり取りが、あとの決を採る場面での納得感を大きく左右する分かれ道になります。

基準づくりの2つのコツ
  • 基準は3つまで:覚えやすさ・らしさ・全員が言えるか、など。
  • 子どもと一緒に決める:「今日は何を大事にしたい?」と問いかける。

基準がそろえば、あとは決を採るだけです。最後は、選ばれなかった案の生かし方を考えましょう。

ポイント3:選ばれなかった案も生かす

「今回は選ばれませんでした」で終わらせると、案を出した子の気持ちは置き去りになります。
選ばれなかった案にも、別の形で光を当てる工夫が、対立をまとめる最後の仕上げです。

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選ばれなかった案も生かすポイントを紹介します

なぜ「不採用」で終わらせてはいけないか

話し合いの最後に「今回は選ばれませんでした」で終わらせてしまうと、案を出した子どもの気持ちはそこで置き去りになります。
特に自分から手を挙げて案を出した子ほど、選ばれなかった悔しさは大きいものです。
ここで終わらせずに、選ばれなかった案にも別の形で生きる場所を用意しておくことが、次の行事でも進んで案を出せる子を育てることにつながります。
不採用という言葉で締めくくらない工夫こそが、対立をまとめる話し合いの最後の仕上げになります。

選ばれなかった案をどう扱うかは、決を採る前に先生の中である程度考えておくと、当日あわてずに済みます。
「もし選ばれなくても、この案は別の場所で使えそうだ」という視点を持っておくだけで、決定後の声かけがぐっとスムーズになり、教室の空気が崩れずに済みます。

案を別の形で生かす方法

選ばれなかった案を生かす方法はいくつかあります。
応援ボードや横断幕の一部にスローガンの案を取り入れたり、応援団の合言葉やコールの一部として使ったりする方法です。
決まったスローガンとは別の場所で案が形になると、子どもたちは「自分の言葉がクラスに残っている」と感じられます。
担任が「この言葉、応援ボードで使わせてもらうね」と一言伝えるだけで、案を出した子の表情はすぐに変わり、その後の準備にも前向きに関わってくれるようになります。

選ばれなかった案を認め合う先生と生徒

応援ボードや横断幕を作る時間が取れない場合は、学級通信の隅に選ばれなかった案を並べて紹介するだけでも十分です。
形として残すことよりも、「見てもらえた」という実感を届けることが何より大切です。
小さな一言でも、案を出した子には十分に伝わり、次の行事への意欲につながります。

実名で伝えることの効果

選ばれなかった案を紹介するときは、提案した子の名前を添えて、学級通信や帰りの会で実名で伝えるようにします。
「ここにも良い案がありました」で終わらせず、「誰が考えたか」まで伝えることで、案そのものへの評価と本人への評価がつながります。
名前とともに伝えられた経験は、次に案を出すときの後押しになり、話し合いに参加してみようと思う子どもの数を、学年が上がるにつれて少しずつ増やしていく力になります。
担任のひとことが、その子にとっての一年間の自信につながることもあります。

実名で伝える場面は、決を採った直後よりも、少し時間を置いた次の日の学級通信や帰りの会が向いています。
その場ですぐに伝えるよりも、落ち着いたタイミングで改めて伝えるほうが、案を出した子にも周りの子にも自然に受け止められ、長く記憶に残ります。

選ばれなかった案への2つの対応
  • 応援ボードや通信で紹介する:形として残す道をつくる。
  • 実名で「誰が考えたか」まで伝える:本人への評価につなげる。

3つの手順がそろうと、対立は前向きな話し合いに変わっていきます。

明日の確認リスト

全部を一度に変える必要はありません。
次にクラスで何かを話し合って決める場面があれば、まずは1つだけ試してみてください。
下のリストは、その日のうちに確かめられることだけを並べました。
小さな工夫の積み重ねが、対立を前向きな話し合いに変えていきます。

明日、話し合いの場でここだけ見る
  • :出た案を、絞る前にすべて黒板に残せたか。
  • 基準:決を採る前に、選ぶための基準を先に出せたか。
  • ことば:否定でなく「良いところ」を先に聞けたか。
  • フォロー:選ばれなかった案を、あとで紹介できたか。
明日の一歩を、もう少し楽にする

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よくある質問

体育祭のスローガンで意見が割れたとき、話し合いの時間はどのくらい確保すればいいですか

目安は、案を出す時間五分、良いところを探す時間五分、基準を決めて選ぶ時間五分の、合計十五分程度です。
学級会や帰りの会の時間で十分に収まる長さです。
時間を長く取りすぎると、案を出す時間ばかりが延び、決める段階で息切れしてしまいます。
反対に短すぎると、案を絞り込む段階を飛ばしてしまい、対立が残ったまま決を採ることになりがちです。
十五分という区切りを先に伝えておくと、話し合い自体にもメリハリが生まれます。

多数決で決めても角が立ちませんか

基準を先に共有していれば、多数決そのものが角の立つ決め方にはなりません。
角が立つのは、何を基準に選んだのかが分からないまま、数の力だけで押し切られたと感じるときです。
基準を黒板に書き、それに沿って選んだという事実があれば、選ばれなかった子も「今回はこの基準に合わなかっただけ」と受け止めやすくなります。
多数決は決め方の一つの手段であり、それ自体が問題になることはほとんどありません。
多数決に入る前に、基準に沿って候補を一度声に出して確認すると、結果への納得感はさらに高まります。

小学校の学級会でも同じやり方は使えますか

はい、案を残す・基準を先に出す・選ばれなかった案も生かすという三つの考え方は、学年を問わず使えます。
低学年であれば、基準の言葉をより易しいものに言い換えたり、担任が基準の候補をいくつか示してから子どもたちに選ばせたりすると進めやすくなります。
学級目標決めや係決めなど、体育祭以外の話し合いの場面にもそのまま応用できる考え方です。
学年が上がるほど、基準を子どもたち自身の言葉で決めさせる時間を少し長めに取ると、納得感がより深まっていきます。
係決めや当番決めなど、日常の小さな場面から練習しておくと、行事の話し合いでもスムーズに使えます。

おわりに

体育祭のスローガンで意見が割れても、対立は仕組みでまとめられます。
案を「勝ち負け」にしない、決める基準を先に出す、選ばれなかった案も生かす。
この3つがそろえば、話し合いは前向きなものに変わっていきます。

明日やることは、ひとつだけで大丈夫です。
次の話し合いで使う基準を、1つだけ考えてみてください。
子どもたちと一緒に決めた基準は、そのままクラスの財産になっていきます。

対立をまとめる3つの手順のまとめ図

ご視聴ありがとうございました。
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