【親のための野球】野球だけ、が近道とは限らない|他の運動が体の土台をつくる理由と量の目安

はじめに

私の息子は、プロ野球選手になるという大きな夢を抱いています。
その夢を実現するためには、どれほどの努力と練習が必要なのでしょうか。
調べたところ、明確な情報は見つかりませんでした。

そこで、息子の成長記録を基に、プロ野球選手になるためには、どのような練習が必要で、どのくらいの練習量が必要かを紹介したいと思います。
この記録が、同じ夢を持つ他の方々の参考になれば幸いです。

もし息子がプロ野球選手になることができなかった場合、それ以上の練習量が必要であると考え、参考にしていただきたいです。

一日のスケジュール

6時 起床
7時 バッティング練習
7時30分 登校
16時 宿題
17時 野球の練習
18時 入浴
19時 ストレッチ
19時10分 休憩
20時 就寝

毎日、上記のような生活をしています。

「野球の練習がない日くらい、他のこともさせたい。でも、その間にライバルは練習しているのでは」——そんなふうに思ったことはないでしょうか。わが家も、休みの日に別のことをしていると、少しもったいない気がしていました。

ところが調べてみると、早くひとつの競技に絞った子が伸びる、というデータは見当たりませんでした。むしろ逆の数字が並んでいます。この記事では、野球以外の運動が野球の土台になる理由と、家庭で使える量の目安をまとめました。動画版もあわせてどうぞ。

結論:他の運動は「寄り道」ではなく「土台づくり」

先に結論からお伝えします。

  1. ひとつの競技に絞るのは中学生以降で十分と言われている
  2. 子どものうちは多様な動きを経験するほうが、体の土台が広くなる
  3. 量には目安がある。1週間の練習時間は「年齢の数字」まで

「野球をやめて他の競技をやろう」という話ではありません。野球のために、他の動きも入れる。そういう考え方です。

結論:他の運動は土台づくり

①早く絞った子が伸びる、とは限らない

アメリカの大学1部(NCAA ディビジョンI)で競技をしている選手を対象にした分析があります。そこで出ている数字が、こちらです。

  • ひとつの競技に絞った年齢の平均は 14.9歳(中学の終わりから高校のはじめごろ)
  • 12歳より前に1競技だけに絞っていた選手は 17.4%(=8割以上は複数の運動をしていた)
  • 団体競技の選手は 15.5歳、個人競技は 14.0歳。団体競技のほうが遅い
  • 16歳まで複数競技を続けていた選手が 45%

野球は団体競技です。大学でトップレベルまで行った選手たちですら、小学生のうちにひとつに絞っていたのは少数派でした。「早く始めて早く絞らないと出遅れる」という不安は、少なくとも数字の上では裏づけがない、ということになります。

①早く絞った子が伸びるとは限らない

②同じ動きばかりだと、同じ場所に負担が出る

もうひとつ、体への負担の話があります。

アメリカ小児科学会(AAP)は、12〜13歳より前に1競技へ専門化することをすすめていません。多くの競技では、思春期以降(15〜16歳ごろ)まで遅らせるほうが、けがのリスクが下がり、競技的な成功の可能性も高まるとしています。

日本の研究でも、専門化の度合いが強い子ほど、体の痛みや障害をかかえる割合が高い傾向が、小学校低学年・高学年の年代から報告されています。

理由はシンプルです。同じ動きの繰り返しは、同じ関節・同じ筋肉に、同じ向きの負担を積み上げるから。投球でいえば、肩と肘の同じ場所に、毎回同じ方向の力がかかり続けます。

そしてもうひとつ。複数の競技をしていると新しい刺激が入り続けるため、競技への意欲が保たれ、燃え尽き(バーンアウト)が起こりにくいとも言われています。上達が止まったときに「野球が嫌いになる」のではなく「他にも楽しいことがある」状態でいられるのは、長く続けるうえで大きいのだと思います。

②同じ動きばかりだと同じ場所に負担が出る

③体の土台は「3種類の動き」でできている

では、「多様な動き」とは具体的に何を指すのでしょうか。

文部科学省の「幼児期運動指針」では、子どものうちに身につけたい基本的な動きを、次の3つに分類しています。

  • 体のバランスをとる動き(立つ、回る、渡る、ぶら下がる など)
  • 体を移動する動き(走る、跳ぶ、登る、くぐる、はう など)
  • 用具などを操作する動き(投げる、打つ、蹴る、捕る、運ぶ など)

全部で「36の基本動作」として整理されることもあります。ここで大事なのは、野球の練習で出てくるのは、そのうちの一部でしかないということです。走る、投げる、打つ、捕る。どれも大切ですが、登る、転がる、くぐる、蹴る、泳ぐといった動きは、野球の練習だけではまず出てきません。

そして指針では、動きをひとつずつ意識して練習させるより、さまざまな遊びをすることが重要だとされています。「トレーニング」にしなくていい、というのは、親としてはずいぶん気が楽になる話です。

③体の土台は3種類の動きでできている

どの運動が、野球のどこに効くのか

とはいえ、何をさせればいいのか迷います。野球につながりやすいものを挙げると、こうなります。

  • バスケットボール|急に止まる・方向を変える動きと、まわりを見る力(周辺視野)。守備や走塁にそのままつながります
  • 水泳・川遊び|全身と体幹をまんべんなく使う。関節への衝撃が少ないのも利点です
  • 鬼ごっこ・キックベース|走る・止まる・切り返すの連続。走塁の動きそのものです
  • 卓球など道具の違う競技|目でとらえて手を合わせる力、細かい足の運び
  • 登る・ぶら下がる遊び|握力と、体を支える力。公園の遊具で十分です

ルールや道具の違う競技に触れると、野球では使わない体の使い方に出会えます。「気分転換」ではなく、体づくりの一部として計画に入れてよいのだと思います。

どの運動が野球のどこに効くのか

量の目安は、4つの数字で覚える

「じゃあどのくらい?」の目安も、複数の資料で共通しているものがあります。

  • 1週間の練習時間は「年齢の数字」まで(10歳なら週10時間、12歳なら週12時間)
  • 週に1〜2日は完全に休む日をつくる
  • ひとつの競技を続けるのは年8か月まで。年間を通して同じ競技を続けない
  • 年に2〜3か月は、その競技から離れる期間をとる

「年に2〜3か月も離れたら下手になるのでは」と思ってしまいますが、この期間は休んでいるだけではありません。走る、跳ぶ、体幹を鍛える、別の運動をする。離れている時期に体の土台をつくった子が、次のシーズンに伸びていく——そういう考え方です。

あわせて、子どもの身体活動の目安は6〜17歳で毎日60分以上とされています。これは野球でなくてもかまいません。外で体を動かした時間は、全部ここに入ります。

量の目安は4つの数字で覚える

わが家の場合:野球ができない日を、損だと思わない

正直に書くと、以前は、習い事や家族の予定で野球ができない日を「もったいない」と感じていました。

今は、考え方を変えました。

  • 休みの日に外で走る、泳ぐ、自転車に乗る。これも体づくりの一部と考える
  • 地域の行事や家族の予定がある日は、練習をゼロにせず、短く切り替える
  • 他の競技を見に行く・体験する機会があれば、優先して行く

そして、わが家は完全なオフの日をほとんど作れていません。ほぼ毎日、何かしらやっています。だからこそ、素振りだけ・ストレッチだけの日を「軽い日」として意識的に入れて、重い日と軽い日の波にしています。ゼロにできないなら、波をつくる。これが、続けられる現実的な形でした。

野球ができない日を損だと思わない

今日からできる、3つの取り入れ方

大がかりなことはいりません。まずはこの3つからで十分だと思います。

  1. 休養日に外遊びをひとつ入れる|鬼ごっこ、自転車、公園の遊具に登る。道具もお金もかかりません
  2. オフの時期に別の運動を入れる|シーズンの切れ目に、泳ぐ・走る・別の球技をする期間をつくる
  3. 他の競技を見に行く・体験する|うまくなるためではなく、知らない動きに出会うために行く

チームの練習が週に何回あるかは家庭ごとに違うので、選べる範囲も違います。「選べる範囲でやる」「遊びの中の運動で十分」。そのくらいの気持ちでいいのだと思います。

今日からできる3つの取り入れ方

まとめ:野球のために、他の動きも入れる

ひとつの競技に絞るのは中学生以降で十分。大学のトップ選手でも、専門化の平均は14.9歳、団体競技なら15.5歳でした。子どものうちは、多様な動きが体の土台になります。

量の目安は、週の練習時間が年齢の数字まで、週に1〜2日は休み、ひとつの競技は年8か月まで。この数字を頭のすみに置いておくだけでも、「今日は野球じゃなくていいか」と思えるようになります。

野球以外の運動は、寄り道ではありません。遠回りに見えて、いちばん確かな土台づくりなのだと思います。

※この記事は一般的な目安と、わが家で続いている形の一例の紹介であり、医療や指導の個別アドバイスではありません。痛みが続くとき、痛みでフォームが変わっているときは、ためらわず整形外科などの専門家を受診してください。お子さんの学年・体格・所属するチームの活動状況に合わせて調整してください。

▼動画はこちら(チャンネル登録も歓迎です)
https://www.youtube.com/watch?v=jLiha3xFqkc

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