
はじめに
回路図を見て、これは直列なのか並列なのか、迷ったことはありませんか。
言葉は知っているのに、いざテストで図を見せられると手が止まる。
技術の授業でいちばん多いつまずきが、じつはここなんです。
もう一つ多いのが、電圧と電流のどちらが分かれるのか、こんがらがってしまうというものです。
直列は電流が同じで、並列は電圧が同じ。
覚えたつもりでも、計算問題になると逆に書いてしまう。
これも、丸暗記で乗り切ろうとしているから起きることなんですよ。
でも安心してください。
直列と並列の違いは、たった一つのことから全部つながっています。
それは「電流の通り道が何本あるか」だけです。
通り道の数さえ分かれば、電圧がどうなるか、電流がどうなるかは、考えて出せるようになります。
この記事では、直列と並列の違いを、見分け方・電圧と電流の求め方・電池のつなぎ方の三つに分けて解説します。
例題も二問つけました。
授業を休んでしまった人にも、テスト前にもう一度確かめたい人にも、そのまま使える形でまとめています。
- 回路図を見て、直列つなぎか並列つなぎかを見分ける方法
- 直列回路の電圧の求め方(例題つき)
- 並列回路の電流の求め方(例題つき)
- 乾電池を直列につないだときと、並列につないだときの違い
直列と並列の違い ― 3つに分けて整理する
先に結論からお伝えします。
直列つなぎと並列つなぎの違いは、電流の通り道が一本か、枝分かれしているかだけです。
そこから、電圧と電流の変わり方が決まります。
覚えることは三つ、それも「分かれたほうを足す」という一言でつながっています。
下の表を頭に入れてから、この先を読み進めてみてください。
- その1 見分け方:電流の通り道が1本なら直列、枝分かれしていれば並列。1つ外すと直列は全部消える。
- その2 電圧と電流:直列は電流がどこも同じで電圧が分かれる。並列は電圧がどこも同じで電流が分かれる。
- その3 電池のつなぎ方:直列は電圧が足し算で明るくなる。並列は電圧そのままで長く使える。
ポイント1:直列と並列の違いは「電流の通り道」で見分ける
直列と並列が見分けられないのは、覚え方が足りないからではありません。
回路図を、形で見ようとしているからです。
直列と並列の見分け方のポイントを紹介します
直列つなぎとは|部品が一列に並び、電流の道が1本になる回路
直列つなぎは、豆電球やモータなどの部品が、一列に並んでつながれた回路のことです。
電源から出た電流は、一つ目の部品を通り、そのまま二つ目の部品を通って、電源へ戻ります。
ここで大事なのは、通り道が一本しかないという点です。
枝分かれする場所がないので、電流には他に行くところがありません。
だから直列回路では、豆電球を一つ外しただけで、回路全体に電流が流れなくなります。
残りの豆電球も、いっしょに消えてしまうんですよ。
昔のクリスマスの電球が、一つ切れると全部消えたのは、直列につながれていたからなんです。
実習で作るときも、直列は配線がいちばんシンプルです。
電源のプラスから出た線を一つ目の部品へ、そこから出た線を二つ目の部品へ、最後にマイナスへ戻す。
線が一本の輪になっていれば、それが直列です。
もし途中で線が二又に分かれていたら、その時点で直列ではありません。
並列つなぎとは|電流の道が枝分かれする回路
並列つなぎは、部品が枝分かれして並んでいる回路です。
電源から出た電流は、途中の分かれ道で二つ以上に分かれ、それぞれの部品を通ってから、また合流して電源へ戻ります。
通り道が二本以上あるのが、直列との決定的な違いです。
この形には、大きな利点があります。
一つの豆電球が切れても、ほかの道は生きているので、残りの豆電球はついたままなんです。
さらに、どの枝にも電源と同じ電圧がかかるので、部品を増やしても一つ一つの働きが弱くなりません。
私たちの家の配線が並列になっているのは、この二つの理由からなんですよ。
実習では、一つの端子に二本の線をつなぐ場面が出てきたら、そこが分かれ道です。
分かれ道から先が二本になり、また一つの端子で合流する。
この「分かれて、合流する」形が見えたら並列だと考えてください。
見分け方は「指で通り道をたどる」だけ
回路図を見てすぐ答えが出ないときは、指を使ってください。
電源のプラス側から出発して、線の上を指でなぞりながら、電源のマイナス側まで戻ってきます。
途中で一度も分かれ道がなく、一本道のまま戻れたなら直列です。
どこかで道が二つに分かれ、あとで合流したなら並列です。
形が複雑に見える図でも、この方法なら迷いません。
もう一つ、頭の中で使える確かめ方があります。
部品を一つ外したところを想像して、残りが消えるなら直列、残りがつくなら並列です。
テスト中に迷ったら、この二つで確かめてみてください。
なお、一つの回路の中に直列と並列が混ざっていることもあります。
その場合も、やることは同じです。
まず大きく分かれ道を探し、枝の中がさらにどうなっているかを見ます。
いきなり全体を判定しようとせず、分かれ道を一つずつ見つけていくのがこつですよ。
- 通り道の数を数える:一本道なら直列、枝分かれがあれば並列。ここだけで判定できます。
- 指でなぞって確かめる:電源のプラスから出発し、マイナスへ戻るまでに分かれ道があるかを見ます。
- 1つ外して想像する:残りが全部消えるなら直列、残りがついたままなら並列です。
つなぎ方が見分けられるようになったら、次は数字の話です。
ここからが、テストで点になるところですよ。
ポイント2:直列は電流が同じ、並列は電圧が同じ|求め方を例題で確認
電圧と電流のどちらが分かれるのか、こんがらがる人はとても多いです。
通り道の数から考えれば、丸暗記はいりません。
電圧と電流の求め方のポイントを紹介します
直列回路の電流は、どこで測っても同じになる
直列回路では、電流の大きさが回路のどこで測っても同じになります。
理由は、もう分かりますよね。
通り道が一本しかないからです。
一本の川を流れる水が、途中で急に減ったり増えたりしないのと同じで、電流も途中で消えることはありません。
豆電球の前で測っても、豆電球の後ろで測っても、電源のすぐそばで測っても、同じ値が出ます。
ここでよくある勘違いが、豆電球を通ると電流が減る、というものです。
減るのは電流ではなく電圧のほうなんですよ。
豆電球は電気を使って光っているので、そのぶん押す力が下がる、と考えてください。
そして電圧は、それぞれの部品に分かれてかかります。
豆電球が二個なら、電源の電圧が二つに分かれるということです。
分かれた電圧を全部足すと、ちょうど電源の電圧に戻ります。
この「足すと戻る」が、計算問題を解くときの手がかりになります。
直列回路の電圧の求め方(例題1)
実際に一問といてみましょう。
三ボルトの電源に、豆電球を二個、直列につなぎます。
一つ目の豆電球には、二ボルトの電圧がかかっていました。
では、二つ目の豆電球には何ボルトかかっているでしょうか。
ここで使うのが、さきほどの「分かれた電圧を足すと電源に戻る」です。
二つ分を足して三ボルトになるのですから、三から二を引けば答えが出ます。
答えは一ボルトです。
念のため確かめてみると、二ボルトと一ボルトで、ちょうど三ボルト。
電源の電圧と一致しましたね。
テストでは、この形が少し変わって出ることがあります。
豆電球が三個になったり、分からない部分が真ん中に来たりします。
それでも考え方は同じで、全部足して電源の電圧になるように埋めるだけです。
図の横に、分かっている電圧を書きこんでから計算すると、まちがえにくくなりますよ。
並列回路の電圧と電流の求め方(例題2)
並列回路は、直列とちょうど逆になります。
電圧はどの枝にも電源と同じ大きさがかかり、分かれません。
そのかわり電流が、枝分かれのところで分かれます。
では、こちらも一問といてみましょう。
豆電球を二個、並列につなぎました。
一つ目には二百ミリアンペア、二つ目には百五十ミリアンペアの電流が流れています。
電源から出ていく電流は何ミリアンペアでしょうか。
分かれた電流を足せばよいので、二百に百五十を足して、答えは三百五十ミリアンペアです。
並列は足し算、と覚えておきましょう。
この形から分かることが、もう一つあります。
枝を増やすほど、電源から出ていく電流は大きくなるということです。
家庭で一つのコンセントにたくさんつなぐと危ないと言われるのは、これが理由です。
枝が増えたぶんだけ、大もとを流れる電流が増えていくんですよ。
- 直列は電流が同じ:通り道が1本なので、どこで測っても同じ大きさになります。
- 直列は電圧が分かれる:部品ごとに分かれてかかり、全部足すと電源の電圧に戻ります。
- 並列はその逆:電圧はどの枝も電源と同じ、電流は枝に分かれて、足すと全体になります。
ここまでは、豆電球側から見た話でした。
最後は、電源である乾電池のつなぎ方を見ていきましょう。
ポイント3:乾電池の直列つなぎと並列つなぎの違い
つなぎ方の考え方は、電源である乾電池でもそのまま使えます。
明るくしたいのか、長く使いたいのかで選び方が変わります。
乾電池のつなぎ方のポイントを紹介します
乾電池を直列につなぐと、電圧が足し算になる
乾電池を直列につなぐというのは、プラスの端子とマイナスの端子を順につないで、一列に並べることです。
このとき電圧は足し算になります。
一・五ボルトの乾電池を二本つなげば三ボルト、四本つなげば六ボルトです。
電圧が高くなるので、同じ豆電球でも明るくなり、モータなら速く回ります。
実習で「もっと明るくしたい」と思ったときに使うのが、このつなぎ方です。
ただし気をつけてほしいことがあります。
電池の向きを一本でも逆に入れると、押す力が打ち消し合って弱くなり、電流が流れなくなることもあるんですよ。
電池ボックスに入れるときは、必ずプラスとマイナスの向きを確かめてください。
ボックスの底には、向きを示すへこみとばねがあります。
ばね側がマイナスです。
まちがえて入れても見た目では気づきにくいので、点灯しないときはまずここを疑うと早く直せますよ。
乾電池を並列につなぐと、長く使える
乾電池を並列につなぐというのは、プラスどうし、マイナスどうしをまとめてつなぐことです。
このとき電圧は足し算になりません。
一・五ボルトの電池を二本並列につないでも、電圧は一・五ボルトのままです。
では何が変わるのかというと、使える時間です。
二本で電流を分け合うので、一本あたりの負担が半分になり、そのぶん長持ちします。
豆電球の明るさは変わらないけれど、長く点いていてくれる、というイメージですね。
長時間動かす作品を作るときや、電池交換をしにくい場所で使うときに向いています。
なお、乾電池の並列つなぎでは、種類や残量のちがう電池を混ぜないでください。
元気な電池から弱った電池へ電流が流れこんで、発熱の原因になります。
並列にするときは、同じ種類、同じ新しさの電池をそろえる。
これは実習でも家庭でも同じ約束です。
直列と並列、どちらを選ぶかの決め方
選び方はとてもはっきりしています。
強く動かしたい、明るくしたいなら直列。
長く使いたいなら並列です。
作品の目的から逆算して決めると、迷わなくなります。
ライトを明るくしたいのか、一日中動かし続けたいのか、そこを先に決めてから配線を考えてください。
ただし一つだけ、守ってほしい約束があります。
豆電球やモータには、決められた電圧があるということです。
それより高い電圧をかけると、フィラメントが切れたり、部品がこわれたりします。
明るくしたいからと電池を増やしすぎないでくださいね。
部品に決められた電圧は、部品の袋や台に書かれていることが多いです。
分からないときは、先生に確かめてから電池をつなぎましょう。
迷ったら、まず少ない本数から試す。
これが、部品をこわさずに実習を進めるいちばん確実な方法です。
- 直列は電圧が足し算:1.5Vを2本で3V。明るく、速くなりますが電池は早く減ります。
- 並列は電圧そのまま:明るさは変わらず、電流を分け合うぶん長く使えます。
- 決められた電圧を守る:高すぎる電圧をかけると豆電球もモータもこわれます。
テスト前の確認リスト
テストの前日に全部を読み返す必要はありません。
確かめるのは、下の五つだけで足ります。
どれも、覚えているかどうかではなく、説明できるかどうかで確かめてみてください。
教科書を閉じた状態で、自分の言葉で言えたら大丈夫です。
もし一つでも止まったら、その項目のところだけこの記事に戻ってきてください。
直列と並列の問題は、考え方さえつながっていれば、その場で組み立てられますよ。
- 見分け方:回路図を指でたどって、分かれ道があるかどうかで判定できるか。
- 直列の電流:どこで測っても同じになる理由を、通り道の数から説明できるか。
- 直列の電圧:分かれた電圧を足すと電源の電圧に戻る、と言えるか。
- 並列の電流:枝の電流を足すと全体になる、を計算で使えるか。
- 電池のつなぎ方:直列は電圧が足し算、並列は電圧そのままで長持ち、と区別できるか。
よくある質問
テストに出るのは直列と並列のどこですか
いちばん出るのは、電圧と電流を求める計算です。
回路図が示され、分かっている値が一つか二つだけ書かれていて、残りを埋めさせる形が定番になっています。
直列なら電圧の足し算と引き算、並列なら電流の足し算です。
次に多いのが、回路図を見て直列か並列かを答える問題です。
そして意外と落としやすいのが、理由を書かせる問題です。
「なぜ直列では一つ切れると全部消えるのか」といった形で出ます。
答えは、電流の通り道が一本しかないから。
通り道という言葉で説明できるようにしておくと、どの形で出ても書けますよ。
電圧と電流、どちらが分かれるのか混ざってしまいます
丸暗記をやめて、通り道の数から考えるようにしてください。
直列は通り道が一本ですから、そこを流れる電流は途中で分かれようがありません。
だから電流は同じで、残った電圧のほうが分かれます。
並列は通り道が枝分かれしていますから、電流はその分かれ道で分かれます。
だから電流が分かれて、電圧のほうが同じになります。
覚えるのは「通り道が分かれていれば電流も分かれる」の一文だけです。
この一文から、直列も並列も両方が出せます。
テスト中に混ざったら、まず図の通り道を指でたどってみてください。
直列と並列が混ざった回路はどう考えますか
全体を一度に判定しようとせず、分かれ道ごとに区切って見ていきます。
まず、電源から出た線がどこで分かれているかを探してください。
その分かれ道から合流までが、並列になっている部分です。
そして、その枝の中に部品が二個続けて並んでいれば、そこは直列です。
大きく並列、その中が直列、という形で見ていくと整理できます。
中学校のテストでは、ここまで複雑な回路はあまり出ません。
ですから、まずは単純な直列と並列を確実に見分けられるようにしておけば十分です。
余裕があるときだけ、混ざった形にも目を通しておきましょう。
おわりに
今日たどってきたのは、見分け方、電圧と電流の求め方、そして乾電池のつなぎ方の三つでした。
どれも、電流の通り道が一本か枝分かれか、という一点から出てきています。
直列は電流がどこも同じで、電圧が分かれる。
並列は電圧がどこも同じで、電流が分かれる。
そして、分かれたほうを足すと元に戻る。
この一言を持って帰ってもらえれば、公式を思い出せなくても、その場で組み立てられますよ。
最後に一つだけお願いです。
記事の中の例題を、もう一度自分の言葉で確かめてみてください。
三ボルトの電源に豆電球を二個直列につないで、一つ目に二ボルトなら、二つ目は何ボルトでしたか。
二百ミリアンペアと百五十ミリアンペアが流れる並列回路で、全体は何ミリアンペアでしたか。
読んで分かった気になるのと、自分で説明できるのとでは、テストでの手ごたえがまるで変わりますよ。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。
中学技術【直列と並列の違い】電圧・電流の変わり方と求め方をわかりやすく解説
中学技術の授業でつまずきやすいところを、一つずつ動画にしています。
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