
はじめに
中学技術のものづくりで、多くの生徒さんがつまずくのが「はんだづけ」ですよね。
こてを当ててもなかなかつかない、つけたのに丸く盛り上がってしまう、となりとくっついてしまう。
こういった失敗は、ほとんどがちょっとしたコツを知らないだけで起きているんです。
はんだづけは、金属の部品同士を電気が流れるようにつなぐ大切な作業です。
うまくいかないと作品が動かなかったり、見た目が悪くなったりして、せっかくのやる気がしぼんでしまいます。
でも安心してください。
正しい手順とコツさえつかめば、誰でもきれいに仕上げられるようになりますよ。
この記事では、はんだづけを「準備」「つけ方」「直し方」の三つのステップに分けて、やさしく解説していきます。
授業の予習復習にも、実習の前の確認にも使える内容にまとめました。
失敗しても直せることが分かれば、はんだごてがぐっと怖くなくなりますよ。
クリックできる目次
はんだづけ3つのコツの全体像
はんだづけがうまくいくかどうかは、大きく分けて三つのコツで決まります。
一つ目は「準備」、二つ目は「つけ方」、三つ目は「直し方」です。
この三つを順番におさえれば、はんだづけは必ず上達します。
まずは全体像をつかんでから、ひとつずつ見ていきましょう。
- 準備:道具をそろえ、こて先をきれいにして、しっかり温度を上げておきます。
- つけ方:こてを先に当てて接合部を温めてから、はんだを流すのが基本です。
- 直し方:いもはんだやつけすぎといった失敗を見抜いて、温め直して直します。
ポイント1:道具と準備
きれいなはんだづけの第一歩は、作業を始める前の準備にあります。
道具がそろっていなかったり、こて先が汚れていたりすると、それだけで失敗の原因になってしまうんです。
準備が八割といってもいいくらい、最初の段取りが仕上がりを左右します。
道具と準備のポイントを紹介します
そろえておきたい4つの道具
まずは道具をそろえましょう。
必要なのは、はんだごて、こてを置くためのこて台、つなぎ役になる糸はんだ、そしてこて先を拭く濡れスポンジの四つです。
こて台は、熱いこてを安全に置いておくためのもので、転がり防止とやけど防止のためにも欠かせません。
糸はんだの中には、金属をきれいにつなぐ助けになる「フラックス」という成分が入っています。
濡れスポンジは固くしぼっておくと、こて先の汚れがきれいに落ちますよ。
この四つがそろえば、はんだづけの準備はほぼ整ったといえます。
こて先をきれいに保つ理由
こて先が黒く汚れていると、熱が部品にうまく伝わりません。
すると接合部が温まるのに時間がかかり、いもはんだなどの失敗の原因になってしまいます。
だからこそ、作業の前と途中に、濡れスポンジでこて先をさっと拭く習慣をつけましょう。
拭いたあとに新しいはんだを少しなじませておくと、こて先が長持ちします。
こて先が銀色に光っていれば、熱がよく伝わる良い状態の合図です。
逆に黒くくすんできたら、汚れがたまったサインなので、こまめに拭いてあげてください。
温度と固定の確認
はんだごては電源を入れてすぐには使えません。
しっかり温まるまで数分待ち、こて先にはんだを当ててすっと溶ければ準備完了の合図です。
温度が足りないまま作業を始めると、いもはんだの原因になるので注意しましょう。
また、つける部品がぐらついていると手元が定まらず、失敗しやすくなります。
クリップやテープなどで部品を固定してから始めると、両手が使えて作業がぐっと安定しますよ。
温度と固定、この二つを確かめるだけで、仕上がりは大きく変わります。
- こて先:黒く汚れていないか確認し、濡れスポンジで拭いておきます。
- 温度:電源を入れて数分待ち、はんだが溶ける温度まで上げます。
- 固定:部品がぐらつかないようクリップなどでしっかり固定します。
この三つを始める前に確認するだけで、失敗はぐっと減ります。
準備の数十秒が、きれいな仕上がりへの近道なんですよ。
ポイント2:きれいにつけるコツ
準備ができたら、いよいよはんだをつけていきます。
ここで一番大切なのは、こてとはんだを当てる順番です。
こてを先に当てて接合部を温めてから、はんだを流すのが鉄則です。
順番を逆にすると、見た目も性能も悪い接合になってしまいます。
きれいにつけるコツを紹介します
こては「面」で当てる
こて先のとがった先っぽではなく、平らな面の部分を接合部に当てるのがコツです。
面で当てると接触する部分が広くなり、熱が早く、たっぷりと伝わります。
その結果、短い時間できれいにつけられて、部品を熱で傷めることも少なくなります。
先っぽだけをちょんと当てると、熱が一点にしか伝わらず、温まるまで時間がかかってしまいます。
こて先を少し寝かせ気味にして、部品の足と基板のランドの両方に同時に触れるように当ててみましょう。
はんだは接合部に直接当てる
はんだは、こて先ではなく、温まった接合部に直接当てて溶かすのが正しいやり方です。
こてに当てて溶かすと、表面だけがくっついて中まで熱が届かない、弱い接合になってしまいます。
温まった金属にはんだが触れると、すーっと吸い込まれるように広がっていきます。
この「自分から流れていく」感覚をつかめれば、もう一人前ですよ。
逆に、はんだが玉になってはじかれるときは、まだ接合部が温まっていない合図です。
あわてず、もう少しこてで温めてから流してみましょう。
離す順番ときれいな形
はんだを流す時間は、一秒から二秒ほどで十分です。
必要な量が流れたら、まずはんだを離し、最後にこてを離します。
この順番を守ると、なだらかな富士山のような形に仕上がります。
富士山形は、つやがあって接合が強い、理想の状態なんです。
こてを先に離してしまうと、はんだが固まりかけてざらついた仕上がりになりやすいので気をつけましょう。
離したあとは、接合部が固まるまで一、二秒は動かさないことも、きれいに仕上げるコツですよ。
- こてを当てる:部品と基板の両方にこて先の面を当て、接合部を温めます。
- はんだを流す:温まった接合部に直接当て、一秒から二秒ほど流します。
- 順番に離す:はんだ、こての順に離すと、つやのある富士山形になります。
慣れるまではこてを当てている時間を意識すると、温めすぎも防げます。
何度か練習すれば、手が自然と正しい順番を覚えていきますよ。
ポイント3:失敗の見分け方と直し方
はんだづけは、失敗しても何度でもやり直せます。
大切なのは、見た目から失敗のサインに気づき、正しく直すことです。
失敗は直せると分かれば、はんだごてはもう怖くありません。
代表的な失敗とその直し方を知っておきましょう。
失敗の見分け方と直し方のポイントを紹介します
いもはんだを見抜く
いもはんだは、温めが足りないまま、はんだが固まってしまった失敗です。
表面がざらついてつやがなく、丸くぼってり盛り上がっているのが特徴です。
見た目はくっついているようでも、中までしっかり接合されていないことが多く、接触が不安定になります。
動かすと取れてしまったり、電気がうまく流れなかったりする原因にもなります。
見つけたら、もう一度こてを当ててしっかり温め直しましょう。
必要なら少しはんだを足して、つやのある富士山形に整えてあげてください。
つけすぎとブリッジの対処
はんだをつけすぎると、となりの部分とくっついてしまう「ブリッジ」が起こります。
ブリッジはショート、つまり回路がつながってはいけない場所でつながってしまう原因になります。
余分なはんだは、吸い取り線という編んだ銅線をこてで押し当てて吸い取ります。
線に熱が伝わると、余分なはんだがすっと吸い上げられ、必要な分だけがきれいに残ります。
吸い取り線がないときは、こてで余分なはんだを溶かして別の場所へ移すこともできます。
あわてずに、少しずつ取り除いていきましょう。
足りないときは少し足す
はんだの量が少なすぎると、接合が弱くなって外れやすくなります。
そんなときは、もう一度こてで温めながら、はんだをほんの少しだけ足してあげます。
多すぎず少なすぎず、接合部を富士山形にうすく覆うくらいが、ちょうど良い量です。
足したあとも、つやのあるなめらかな仕上がりになっているかを確認しましょう。
一度で決めようとせず、「温め直して整える」を何度かくり返してよいと考えると、気持ちが楽になります。
はんだは何度でもやり直せる、やさしい材料なんですよ。
- 温め直す:いもはんだはもう一度こてを当て、しっかり熱を通して整えます。
- 吸い取る:つけすぎやブリッジは吸い取り線で余分なはんだを取り除きます。
- 少し足す:量が足りないときは温めながらはんだを少しだけ足します。
どの失敗も、落ち着いて温め直せば必ず直せます。
一度で完璧を目指さず、確認して直すことを前提にすると気持ちが楽になりますよ。
おわりに
今回は、はんだづけの三つのコツ、「準備」「つけ方」「直し方」を見てきました。
道具と温度を整える準備、こてを先に当ててからはんだを流すつけ方、そして失敗を見抜いて温め直す直し方です。
とくに「こてが先、はんだは後」という順番を意識するだけで、仕上がりは見違えますよ。
はんだづけは練習すればするほど上達する技術です。
失敗を恐れず、まずは一つの接合点をていねいに仕上げることから始めてみましょう。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でもくわしく解説しています。
手の動かし方やこての当て方は、動画で見るとより分かりやすいですよ。
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