合唱コンクールの目的とは?

はじめに

合唱コンクールといえば、きれいなハーモニーを奏でたり、賞を取ることが目標とされがちです。
しかし、これらはあくまで目標であり、コンクールの真の目的とは少し異なります。
合唱コンクールにおいて重要なのは、単なる技術の向上だけでなく、「成長」という貴重な体験です。
本記事では、合唱コンクールを通して生徒が得られる「成長」とは何か、その意味と価値について掘り下げます。
合唱コンクールの本質を知ることで、生徒も教師も、より意義深い時間を共に過ごせるでしょう。

合唱コンクールの目的は「成長」

1. 自己表現の喜びを味わう

合唱は芸術です。
歌う人によって表現が異なり、観客に伝わる感情も異なります。
そのため、曲をどのように解釈し、何を伝えたいのかを学級で話し合うことが大切です。
合唱コンクールでは、曲選びの段階から「自分を表現する」という意識が始まります。
生徒が自分の気持ちを言葉や歌声に乗せて表現する喜びを感じることで、単なる演技ではなく、本物の感情がこもったパフォーマンスが生まれるのです。
これは、合唱コンクールで得られる成長の一つであり、自己表現がもたらす大切な経験です。

2. 努力の結果を実感する

合唱は、スポーツのようにすぐに目に見える成果が現れるわけではありませんが、努力を積み重ねることで着実に成長を感じることができます。
練習を積んでいく中で、一生懸命に取り組むクラスとそうでないクラスでは、明らかに違いが出てくるものです。
合唱コンクールは「努力が成長につながる」という人生の基本的な原則を教えてくれる場でもあります。
どれだけ努力を積んできたかが声や表現に現れるため、生徒たちは達成感とともに、自信を育むことができるのです。

合唱コンクールに込める思いと準備

1. 曲決めの意義

合唱コンクールの準備は曲を選ぶ段階から始まります。
曲決めは単なる選曲ではなく、その曲を通して観客に何を伝えたいか、自分が大切にしているものを表現するための第一歩です。
この過程で生徒同士が互いの考えを知り、意見を交わし合うことで、仲間との絆も深まります。こうした話し合いを重ねて「この曲で自分たちは何を表現したいのか」を考えることが、合唱コンクールを意義深いものにする第一歩です。

2. 本番での自己表現と達成感

本番での演奏は、自分たちが積み重ねた努力の集大成です。
生徒は、練習を重ねる中で自分の声や感情をどのように届けたいかを意識し、心を込めて歌います。
その中で、ただきれいに歌うだけでなく、歌詞やメロディに込めた思いを表現しようとする姿勢が求められます。
合唱コンクールで涙を流す生徒がいるのは、全力を尽くして表現したからこそ感じる感動や達成感によるものです。

合唱コンクールへとは?

学校行事に合唱コンクールというものがあります。
どうして合唱なのでしょう。
どうして歌なのでしょう。

教師が理解していなければ、生徒が理解できるわけがありません。
合唱コンクールの価値を伝えるのが、教師だからです。

以下に、私の持論ですが、合唱コンクールの価値を学級通信に綴りました。

学級通信に込めた合唱コンクールへの思い

行事は、成長がともなってこそ価値があります。
合唱コンクール当日に、きれいな声で歌う。
賞をとる。
それは、目標であって、目的ではありません。
いくら賞を取ろうと、成長がともなっていなければ、合唱コンクールは、まったく価値のない行事になってしまいます。
また、歌をうまくするだけなのであれば、将来合唱部に入ればよいだけの話です。
賞をとることや歌を上手に歌うことはあくまで目標であって、合唱コンクールの目的は、『成長』の一点だけです。

では、合唱コンクールで得られる成長とは、いったい何なのでしょうか。

それは、

〇自分を表現する喜びを感じること

〇努力すれば、必ず上達できると実感すること

です。

合唱は芸術です。
人によって解釈が違ってきてもよいものです。
伝えたい思いが違ってきてもよいです。
同じ曲を歌ったとしても、歌い手によって観客に伝わる感情は、違ってきます。
曲をどう解釈し、何を伝えたいのかは、学級で話し合ってつくっていくものです。
そして、伝えたい内容を心にえがき、様々なことを頭に思い浮かべ表現することで、幸せを感じられるのが合唱コンクールです。
だからこそ、合唱コンクールで涙を流す人が現れるのです。

また、合唱は、スポーツと違い、努力の形がすぐに表れます。
一生懸命努力している学級と、そうでない学級では、素人から見てもすぐにわかります。
『努力は、必ず成長へとつながる』という人生の原則を実感させてくれるのが、合唱コンクールです。

以上の2点が、私が考える合唱コンクールの目的です。
だからこそ、曲決めの段階から大事なのです。
曲決めとは、あなたが選んだ曲で、観客に何を伝えたいのか。

あなたが、何を大事にしたいのか。

を、学級の仲間に伝えられる場であるのです。

つまり、曲決めの段階から、『自分を表現する』という合唱コンクールの目的においては、もう始まっているのです。
賞状だけもらうような合唱コンクールにはしたくありません。
あなたの成長がともなった合唱コンクールをつくっていきたいです。

おわりに

合唱コンクールの目的は単なる「勝敗」や「技術」ではなく、「成長」と「自己表現」にあります。合唱コンクールを通じて、生徒たちは自分の感情を言葉や歌に乗せる喜びを知り、努力の成果を実感する機会を得るのです。この体験が生徒たちの成長を促し、将来の大切な糧となります。賞状だけを目指すのではなく、成長という真の目的を胸に、より意義深い合唱コンクールを目指していきましょう。

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