はじめに
10月は、行事の時期。
生徒たちの成長を促すための取り組みをどのように進めていけば良いのか、困難を乗り越える力をどう育てていけば良いのか、一体感をどう生み出していけば良いのか。
なかなか教員として、悩みますよね・・・
この記事では、10月の学級経営の注意点と、目指すべき成果、そして教員の役割について具体的に解説します。
具体的には、行事を通じた生徒の成長、困難を乗り越える力の育成、一体感の生み出し方について、それぞれの見出しで詳しく解説します。
このブログを読み終えた時、あなたは10月の学級経営に対する新たな視点を得ることができ、具体的な行動計画を立てることができるでしょう。
また、生徒たちの成長を促すための新たなアイデアを得ることができ、より良い学級経営を実現するための一歩を踏み出すことができるでしょう。
クリックできる目次
10月の学級経営の特有の課題
文化祭や体育祭の準備と実行
文化祭や体育祭の準備が重なり、生徒の負担が増え、クラスの団結力が試される時期です。
クラスの協力体制の再構築
学期の中盤に差し掛かり、クラス内の協力体制が緩んでくることがあります。
また、行事に熱が入ることにより、仲間との関係が崩れやすい時期でもあります。
これにより、クラス活動や行事の進行が滞ることがあります。
よく言っていることですが、今日の学級通信に書いてあった言葉。
それは「なれあい」です。「なれあい」を打破するのが行事。
その通りです。だって、今その状態にこのクラスは陥っているから。
たぶん、このクラスは団結=なれあいになってしまっているんだと思います。
だから、〇〇くんが書いていたように団結がなくなったのかなと思います。
とりまとめると、行事がなれあいを打破する=行事が打破するということになります。
私たちは行事1つで崩れていくようなうすっぺらい関係のことを「団結」と言っているのです。
さっきから団結、団結って書いていると、だんだんゲシュタルト崩壊してきてしまうので、意味を調べてみました。
「団結の意味【名】(スル)多くの人が共通の目的にために1つにまとまること」だそうです。
「多くの人、つまり全員が最優秀賞を取るために1つにまとまる」ということになります。
だとすると、今はできていないし、今までだって、少ししかできていなかったと思います。
合唱コンまで、本当にあと少ししか時間がないです。
こんなうすっぺらいことを友情だの団結だの言っている暇なんて、本当にないんです。
この前やった話し合いのことを思い出せばもっともっと真剣に練習ができるはずだし、もっともっと仲間のために頑張ろうって最優秀賞を取ろうって思えるはずです。
というか、思ってほしいです。
だから、私が言いたいことをまとめると、もっと一人一人が仲間のために頑張ろうと意識を高くもち、本気で本当で本物の団結をしたいということになります。
あと2週間もない間にどこまで変われるかです。合唱コンクールの練習に対しての生徒の日記
健康管理と体調不良
季節の変わり目で体調を崩しやすい時期です。
風邪やインフルエンザの予防が重要になります。
また、テストのストレスなどで、生徒のメンタルヘルスが影響を受けやすい時期です。
10月の学級経営の解決策
10月に、体育祭や文化祭などの行事が設定される中学校は多いです。
そのため、
10月の学級経営のポイントは、
- さらなる成長
- リーダーのサポート
- メンタルケア
です。
10月は、行事を通して、リーダーを中心に学級をレベルアップさせる時期です。
そのために、必要なことを紹介していきます。
行事を通じた生徒の成長
10月は新学期のスタートであり、多くの行事が予定されています。
これらの行事は、生徒たちにとって新たな経験を通して、成長できる機会となります。
以下は、合唱コンクールに向けて生徒が書いた日記です。
行事に向けて前向きになっている生徒が必ずいます。
こうした生徒たちがさらに成長できるよう、しっかりとサポートしていきたいですね。
今日まで、合唱コンの練習が続いてきていて、本番までの時間も徐々にちかづいてきて、まだ10月で合唱コンは11月だけど、その中での油断やちょっとした気の緩みで、結果が落ちると思います。
練習している時間、日にちはクラス、学年、学級、いっしょです。
その中で、どれだけ練習できるかだと思います。
〇〇さんや〇〇くんや他のパートリーダーがしっかりと声も出して、アドバイスや練習するための準備をやってくれたりなど、たぶん僕たちが見ていない違うところでも時間をつくって話し合ったりしてくれていると思います。
当たり前だけど、僕たちより〇〇さんたちの方が時間がないと思っていると思います。
でも、その中で僕たちがどう動くかで〇〇さんたちの時間がスムーズになったりすると思います。
今僕たちはYouTubeで歌を聴いたりするなどそういうことをしているけど、パートリーダーとか以外の人でもアドバイスなどをして、助け合いながらお互いを支え合いながらちょこちょこ前に進んだりした方がいいと思います。
あと、前に進むだけではなくて、ちょっと立ち止まったりすることも大事だと思います。
みんながどう思っているかわからないけど、でも最終的な目標はみんな一緒だと思うので、個人だけで頑張らずに一人一人が自信をもって、みんながまとまった練習をして、本番で今よりもっとまとまった状態で本番を迎えたいし、誰もが終わった後に、ぐちぐち言わない納得した終わり方で終わりたいです。
また、合唱コンのことでクラスの話し合いがたぶんあると思うので、そのときに、みんなが思っていることをぶつけて不満などがないように練習から納得したことをこつこつやっていったり、練習がなくても一人で歌ったりして、小さなことでもやっていけばもっと目標の最優秀賞がとれると自分は信じたいです。10月に書いた合唱コンクールに向けての生徒の日記
行事を通じて目指す生徒の成長とは
行事を通じて目指す生徒の成長は、学力の向上にとどまらず、社会的・感情的なスキルや協調性、自己表現力、責任感の発展を促すことにあります。
具体的には、以下のような成長が期待されます。
協力と協調性の向上
行事を通じて生徒はチームで協力し合い、他者と目標に向かって努力する力を学びます。
体育祭や文化祭などの行事では、個人の役割を果たしながら、クラスやチーム全体の成功に貢献することが求められます。
これにより、他者との協力の大切さを学び、チームワークや協調性が育まれます。
リーダーシップと責任感の向上
生徒が実行委員やリーダーとして行事の準備や運営に携わる機会を持つことで、リーダーシップや責任感を高めることができます。
自分が率いる立場で計画を遂行し、他の生徒をサポートすることで、責任を持って物事を進める力が養われます。
自己表現力と創造性の向上
文化祭や演劇など、表現活動を伴う行事は、生徒に自己表現の場です。
自分の考えや感情を創造的に表現する経験を通して、自己理解を深め、自信を持つことができるようになります。
自由な発想を持ってプロジェクトに取り組む中で、創造性も育まれます。
コミュニケーション能力の発展
行事の準備や実施中には、異なる意見を持つ仲間とコミュニケーションを取りながら調整を図る必要があります。
このプロセスを通して、他者との対話や交渉、意思疎通の重要性を学び、対人関係スキルが向上します。
達成感と自己効力感の獲得
大きな行事を成功させた経験は、生徒に大きな達成感を与えます。この達成感は自己効力感(自分はできるという感覚)に繋がり、生徒が今後の学習や課外活動に対して自信を持つ基盤となります。
自分の努力が結果として現れる経験は、生徒に強いモチベーションを与えるでしょう。
多様性理解の促進
行事には、さまざまな生徒が異なる役割で参加します。
この中で、生徒たちは異なるバックグラウンドや視点を持つ人々と関わることで、多様性を理解し、受け入れる力を身につけます。
特に、異なる学年やクラス間での協力を求められる場合には、相互理解の大切さが学ばれます。
リーダーをサポートする必要性
10月は文化祭や体育祭などの行事が多く、リーダーは仲間を引っ張り、まとめ、目標を達成するために誰よりも動く必要があります。
しかし、リーダーはその役割のために周りからの批判を受けやすく、仲間が言うことを聞いてくれない場合には大きなストレスを感じることがあります。
リーダーはプレッシャーと戦いながらも、全体の進行を円滑に進めるために奮闘しています。
リーダーがこのような状況で孤立しないようにサポートすることは非常に重要です。
リーダーが抱えるストレスやプレッシャーを理解し、適切なサポートすることで、リーダーの心を守ることができます。
また、リーダーをサポートすることで、リーダー自身が持つ能力を最大限に発揮できるようにすることができます。
その結果、リーダーはより自信を持って役割を果たすことができ、学級全体の成長に繋がります。
学級のさらなる成長
人が成長する瞬間は、壁を乗り越えるときに訪れます。
10月の文化祭や体育祭などの行事は、生徒たちにとって絶好の成長の機会です。
行事に取り組む過程で直面するさまざまな課題や困難は、生徒たちが力を合わせて乗り越えるべき「壁」です。
この壁を乗り越える経験が、生徒たちの成長を促します。
行事を通じて生徒たちは協力の大切さ、リーダーシップの発揮方法、そして自分自身の限界を突破する方法を学びます。
こうした経験は、生徒たちにとって貴重な成長の機会であり、学級全体が一丸となって目標を達成することで、団結力や連帯感も強まります。
その結果、学級全体がさらに成長し、次のステップへと進むことができます。
行事についてこれない生徒へのサポート
すべての生徒が、行事についていけるわけではありません。
行事のプレッシャーや期待に応えられず、苦しむ生徒もいます。
そうした生徒に寄り添い、サポートすることは非常に重要です。
教師は、行事に参加できない生徒の気持ちを理解し、彼らが孤立しないように配慮する必要があります。
具体的には、行事についてこられない生徒と個別に対話を重ね、彼らの悩みや不安を聞き出し、解決策を一緒に考えることが有効です。
また、クラスメイトにも協力を求め、行事を楽しむためのサポートを促すことで、仲間と共に成長できる環境を作り出します。
さらに、行事に参加することだけが成長の方法ではないことを理解し、生徒一人ひとりのペースに合わせた成長の機会を与えることも大切です。
生徒が自分のペースで成長を実感できるようにすることで、彼らは自信を持って次の挑戦に取り組むことができるようになります。
行事の成功のための教員の役割
教員の役割は、行事を計画し、適切に実施することで、生徒たちが最大限に学びを深めることができる環境を提供することです。
教員は、行事の目的を明確にし、生徒たちが行事を通じて何を学び、どのように成長することを期待しているのかを伝えることが重要です。
また、教員は、行事の進行を管理し、生徒たちが安全に活動できる環境を確保する責任があります。
私は、行事で壁を乗り越えさせたいときに、以下のような話をします。
今、クラスのよいところと課題がはっきりと見えてきています。
それは、相手に対して気を遣いすぎていることです。みんなが「嫌われたくない」という気持ちが強く、自分の思っていることをなかなか相手に伝えられずにいます。
もちろん、他人を思いやることはとても大切なことです。
しかし、目標を達成するためには、その考え方がかえって足を引っ張ってしまうこともあります。
以前、「大きな岩を動かしたければ、まずは一人で押してみることが大切だ」と話しました。
つまり、誰かが最初に動き出さなければ、周りも動かないということです。
ところが、今の1-1には、最初の一歩を踏み出す人がいないように感じます。
もし、誰か一人でも勇気を出して行動すれば、クラス全体がその後についてくるでしょう。
嫌われることを恐れず、正しいと思う道を進んでいく覚悟が必要なのです。
今、1-1に必要なのは、そうした「茨の道」を歩む勇気のある人です。
もちろん、みんなが優しい心を持っているので、今のままでもある程度まとまった合唱をつくることはできるでしょう。
しかし、心から感動する合唱にはならないかもしれません。
もし、リーダーが本気で最優秀賞を目指しているなら、休み時間の10分間を使ってでも練習を続けたいと思うはずです。
そして、練習したくないと思っている人がいても、その気持ちを率直に伝え、説得することがリーダーの役割です。
実際、10分休み時間を使って練習したいと考えている人もいます。
だからこそ、そうした真剣な仲間を大切にすることがリーダーにとって大切なことです。
どうしてやる気のない人に合わせようとするのでしょうか?
また、「意見があればリーダーに言えばいい」と簡単に言うのであれば、まず自分からリーダーに気持ちを尋ねてみるべきです。
リーダーにばかり頼るのではなく、自分の思いも率直に伝える姿勢が必要です。
自分が何も言わずに、リーダーに意見を言えというのは不公平です。
さらに、もしリーダーを本気で助けたいと思うなら、リーダーへの愚痴を言っている人たちと戦う覚悟も必要です。
愚痴を言う仲間よりも、リーダーを大切にすることは当たり前のことです。
どうして、悪口を言う人に気を遣う必要があるのでしょうか?
最後に、最優秀賞を目指しているのはリーダーだけではないはずです。
リーダー以外にも、今のクラスの状況に悩み、よりよい合唱を目指している人がいるでしょう。
リーダーに頼らず、他のメンバーも自分たちでできることを見つけて行動していくべきです。
合唱コンクールは、みんなが人として成長できる大切な行事です。
そして、この成長こそが合唱コンクールの一つの目的でもあります。
覚悟を持たない成長はありません。
クラスメイトとの関係がただの表面的なものではなく、同じ夢を追いかける仲間として、深い絆で結ばれることを目指してほしいのです。
リーダーをサポートする教員の役割
教師はリーダーの心のケアを行うことが重要です。
具体的には、リーダーと定期的にコミュニケーションを取り、悩みやストレスを聞き出す場を設けることが有効です。
また、リーダーが直面する課題に対して具体的なアドバイスをし、問題解決の手助けをすることも必要です。
リーダーが自分だけで抱え込まないように、教師がサポートネットワークとして機能することが求められます。
さらに、学級全体にリーダーの努力や頑張りを伝えることも教師の重要な役割です。
リーダーの頑張りをクラス全体が認識することで、リーダーへの理解と協力の意識が高まります。
教師はリーダーの成果を称賛し、その努力を具体的に評価することで、他の生徒たちもリーダーをサポートする気持ちを持つようになります。
こうして、学級全体が一丸となって行事に取り組むことで、リーダーもチームもより良い成果を上げることができます。
困難を乗り越える力を育む!生徒同士の協力と教員のサポート
学級での困難は、生徒たちが成長するための重要な機会です。
困難を乗り越えることで、生徒たちは自己の能力を試すことができ、自信を得ることができます。
例えば、友達関係の問題、行事の準備の困難などがあります。
これらの困難を解決するためには、生徒たちが自分自身の感情を理解し、問題解決のスキルを磨くことが重要です。
生徒同士の協力を促す教員の役割
教員の役割は、生徒たちが協力することの重要性を理解し、協力する機会を提供することです。
教員は、生徒たちが互いに尊重し、理解し、支援することを奨励することが重要です。
教員は、生徒の小さな頑張りにも目を光らせ、学級の仲間に伝えていきましょう。
学級経営の一年間の流れは以下の投稿をご覧ください。
おわりに
このブログを通じて、10月の学級経営の注意点、目指すべき成果、そして教員の役割について具体的に解説しました。
行事を通じた生徒の成長、困難を乗り越える力の育成について、それぞれの見出しで詳しく解説しました。
これらの情報が、あなたの学級経営に役立つことを願っています。
学級経営は、生徒たちの成長を促すための重要な役割を果たします。
しかし、その道のりは決して容易なものではありません。
この記事が、あなたが直面する課題を解決するための一助となり、生徒たちの成長を支えるための新たな視点を提供することができれば幸いです。
最後に、教員の皆様が日々の学級経営において、生徒たち一人一人の成長を見守り、支え続けることの大切さを改めて強調したいと思います。
生徒たちの成長は、教員の皆様の献身的な支援と努力によって支えられています。