教師が知っておきたい朝の会・帰りの会の進め方

はじめに

朝の会や帰りの会は、毎日の学校生活において、生徒の気持ちを整え、クラス全体の一体感を高める貴重な時間です。教師にとっても生徒の様子を把握し、良好なコミュニケーションを築くための大切な機会といえます。しかし、ただの時間つぶしになってしまったり、形式だけになってしまったりすることも少なくありません。本記事では、効果的な朝の会・帰りの会の進め方についてご紹介します。日々の朝の会と帰りの会が生徒にとって有意義な時間になるよう、具体的なアイデアや工夫を提供します。

さまざまなアイデアや工夫を取り入れ、より魅力的で充実した時間になるためのヒントを提供します。


朝の会・帰りの会の基本構成と目的

朝の会の目的と進め方

朝の会は、1日の始まりに生徒の気持ちを整え、学校生活への切り替えを促す役割を持っています。ここでの時間は短いながらも、安心感を与え、生徒の心の準備を整える重要な場です。一般的には以下の流れで行われますが、教師の工夫次第でさらに充実した内容にすることが可能です。

1. 挨拶

朝の挨拶は、生徒が学校生活にシフトするための重要なステップです。明るく元気な声でクラス全体が挨拶することで、教室にポジティブな空気が流れます。また、担任教師も同じく、明るい表情で迎えることが大切です。

2. 健康観察

生徒一人ひとりの出席や健康状態を確認する時間です。顔色や表情、元気がない様子などを観察し、生徒の変化に気づきやすい機会です。特に、中学生は体や心にさまざまな変化が現れる時期ですので、些細なサインを見逃さないよう注意しましょう。

3. 日直による発表

日直がその日の予定やお知らせを発表する場面です。これを通じて、生徒に責任感や主体性を持たせることができます。日直が緊張しないように見守り、他の生徒も耳を傾けるよう促すと、クラスの一体感も育まれます。

4. 今日の目標・一言スピーチ

1日の始まりに「今日の目標」を確認することは、生徒の学習意欲や意識を高めます。教師が率先して目標やモチベーションについて話すことも、ポジティブな影響を与えるでしょう。また、短いスピーチの機会を設けることで、生徒の自己表現力やコミュニケーション能力を育むこともできます。

帰りの会の目的と進め方

帰りの会は、1日の活動を振り返り、明日への準備を整える場です。学級でのまとめとして重要な役割を果たし、生徒が安心して学校生活を終えるためのポイントを押さえて進行しましょう。

1. 挨拶

帰りの挨拶は、1日を無事に終えたことに感謝し、家に帰る前の切り替えとして行います。教師が明るく元気に挨拶をすることで、生徒も気持ちよく応えるようになります。

2. 反省と振り返り

生徒がその日の授業や活動について感じたことを共有する場です。短い感想や反省を話す時間を設けることで、自分の行動を見つめ直し、成長へと繋がるきっかけが生まれます。

3. 連絡事項

次の日の予定や必要な準備物、部活動の連絡などをまとめて伝える時間です。生徒がメモを取る習慣をつけるよう促し、忘れ物や準備不足を防ぐようにしましょう。

4. 明日の目標設定や励ましの言葉

教師が明日の目標や、ポジティブなメッセージを一言添えることで、前向きな気持ちで1日を締めくくることができます。生徒に「また明日頑張ろう」と思わせるような声かけが大切です。


生徒の参加意識を高めるための工夫

生徒主体の進行にする

朝の会や帰りの会の進行を日直に任せることで、生徒の主体性を育むことができます。生徒が責任を持つことで、他の生徒も日直をサポートする姿勢が身に付き、クラスの協力体制が強まります。

生徒間の交流を促進する活動

毎回同じパターンの進行ではなく、時には「○○なことについて話してみよう」や「今日の良かったことをシェアしよう」などのトピックを設けると、生徒間のコミュニケーションが活発になり、クラスの仲間意識が深まります。

感謝やポジティブな発言を増やす

朝の会・帰りの会では、感謝の言葉やポジティブなメッセージを意識的に取り入れることで、生徒たちが明るく前向きな気持ちで時間を過ごすことができます。たとえば「昨日手伝ってくれてありがとう」「今日は○○が頑張ったね」など、小さなことでもお互いに認め合う姿勢を育みましょう。


トラブルを未然に防ぐ進め方

生徒の様子を観察する

朝の会・帰りの会は、生徒の様子をじっくり観察する時間でもあります。生徒の体調や精神的な変化、対人関係のトラブルの兆候を察知しやすく、早期の対応が可能です。とくに生徒同士のトラブルや不安のサインに気づくことで、未然に問題を防ぐ手助けになります。

ルールの徹底と柔軟な対応

朝の会や帰りの会は基本的に短い時間で行われるため、無駄な時間が増えないよう、一定のルールを設けておくことが有効です。一方で、生徒の状況や雰囲気によっては柔軟に対応し、無理のない進行を心がけましょう。


おわりに

朝の会・帰りの会は、単なる習慣の一部ではなく、生徒と教師が1日を迎え、終えるための大切な時間です。この時間を工夫することで、生徒の心の成長やクラスの団結力が育まれ、学校生活がより充実したものとなります。今回ご紹介した進行のポイントや工夫を活かし、毎日の朝の会・帰りの会が生徒にとっても教師にとっても有意義なものとなるよう、ぜひ実践してみてください。

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