
はじめに
私の息子は、プロ野球選手になるという大きな夢を抱いています。
その夢を実現するためには、どれほどの努力と練習が必要なのでしょうか。
調べたところ、明確な情報は見つかりませんでした。
そこで、息子の成長記録を基に、プロ野球選手になるためには、どのような練習が必要で、どのくらいの練習量が必要かを紹介したいと思います。
この記録が、同じ夢を持つ他の方々の参考になれば幸いです。
もし息子がプロ野球選手になることができなかった場合、それ以上の練習量が必要であると考え、参考にしていただきたいです。
一日のスケジュール
| 6時 | 起床 |
| 7時 | バッティング練習 |
| 7時30分 | 登校 |
| 16時 | 宿題 |
| 17時 | 野球の練習 |
| 18時 | 入浴 |
| 19時 | ストレッチ |
| 19時10分 | 休憩 |
| 20時 | 就寝 |
毎日、上記のような生活をしています。
「もっと足を大きく踏み出せ」「着地のときにしっかり踏ん張れ」——投げる子どもによくかける言葉です。ところが、球が速い投手とそうでない投手を比べると、前の足が地面に着いた、その瞬間の形にはほとんど差がありません。どちらもおよそ45度、同じくらい膝が曲がった状態で着地しています。
では、どこで差がつくのか。答えは着地したあとにありました。この記事では、着地した前足の膝の使い方——いわゆる「前足のブレーキ」について、数字と図解で紹介します。あわせて、小中学生の年代だからこそ気をつけたい注意点も書きました。動画版はこちらです。
着地の瞬間は、速い投手も遅い投手も同じ形
差がつくのは「着地したあと」

速い球を投げる投手は、着地してからボールを放すまでのあいだに、前の膝が伸びていきます。反対に、曲がったまま沈み込んでいく投手は、球速が伸びにくいと言われています。
どのくらい効くのか。ある研究では、前の膝が1度多く伸びるごとに、球速がおよそ1.7キロ上がると報告されています。1度で1.7キロと聞くと、ずいぶん大きな影響に感じられるはずです。
つまり見るべきなのは、着地の「形」よりも、着地したあとの「動き」なのです。
数字で見る、膝の伸び方の差

着地からボールを放すまでに、前の膝がどれだけ伸びたか(総伸展量)を比べたデータがあります。
- プロ・よく伸びるグループ:およそ 33度
- プロ・伸びないグループ:およそ 1度
- 高校生・よく伸びるグループ:およそ 18度
- 高校生・伸びないグループ:およそ マイナス7度
マイナスというのは、着地したあとにさらに膝が曲がっているということです。同じ「着地して投げる」動作なのに、伸びる人と沈む人でこれだけ違います。
そして高校生では、伸びるグループと伸びないグループで、球速そのものにおよそ10キロの差があったと報告されています。
なぜ膝が伸びると球が速くなるのか
前へ進む勢いを、回転に変えている

投球中、体は前へ進んでいます。その勢いを前の足でぐっと止めると、進む力の行き先がなくなり、体の回転に変わります。自転車の前の車輪を急に止めると体が前へ投げ出される、あの感覚と同じです。
止める力が強いほど、骨盤と上半身は速く回り、その勢いの最後に腕がはじき出されます。前足は「踏ん張る場所」というより、力を受け止めてから伝え返すブレーキ役だと考えるとイメージしやすくなります。
沈む膝・前へ流れる膝は損をする

着地のあとに膝が深く沈み込んでしまうと、そこから伸ばす余力が残りません。沈むほど伸ばせなくなるという悪循環になりやすいと指摘されています。
膝が前へ流れてしまう形も同じです。地面を押し返す力が前へ逃げてしまい、回転に変わってくれません。また、着地の瞬間に体重が前へ乗り切ってしまうと、体幹を使う余裕がなくなるとも言われています。
支えているのは、じつは膝ではない

前の膝を支えているのは、膝そのものではありません。お尻と太ももの裏の力で膝の位置を固定し、地面を押し返しています。膝だけで踏ん張ろうとすると耐えられず、結局は沈み込んでしまいます。
さらに、お腹まわりの体幹で上半身をつなぎ止めること、軸足の股関節からブレーキの力を送り届けることも大切だと言われています。前足のブレーキは、脚だけの仕事ではなく全身の仕事なのです。
着地の向きと歩幅の関係

踏み込んだ足が着いた瞬間、骨盤は上半身より先に、およそ40度回っていると言われています。骨盤が投げる方向へ開いた状態で着地できる投手は、歩幅も長く、前の膝もよく伸び、球速も速いという報告があります。
ただし、ここで歩幅だけを無理に広げるのは逆効果です。広げすぎると着地で沈み込みやすくなり、膝を伸ばす余力がなくなってしまいます。まずは支えられる歩幅から。着地の位置よりも、着地したあとに支えられるかどうかを優先してください。
小中学生が気をつけたいこと

ここは大事なところなので、はっきり書いておきます。
同じ研究の中で、プロの投手は前の膝を伸ばしても肘への負担がむしろ減ったのに対し、高校生では逆に肘への負担が増えたという結果が出ています。論文の結論も「高校生の年代では、球速を上げることよりも全身の正しい使い方を優先すべき」というものでした。
ですから、子どもに「膝を突っ張れ」「膝を伸ばして投げろ」と教えるのはおすすめしません。ねらいたいのは、膝が前へ流れないように支えられること。その結果として、体ができてくるにつれて自然に伸びるようになります。
肩や肘、膝に痛みがあるときは無理をせず、お医者さんなど専門家に相談してください。
家でもできるドリル3つ

- ジャンプして一秒静止……その場で軽くジャンプして、着地したら一秒でぴたりと止まります。両足からはじめて、慣れたら片足で。止まる力そのものを育てるドリルです。
- 片足立ちで体幹を使う……片足で立ち、足だけでなくお腹とお尻で体を支える感覚を確かめます。ぐらつく方向が、いま弱いところです。
- 踏み込んで止まる練習……ボールを投げずに踏み込み、前の膝が前へ流れない位置で止まるシャドーピッチングです。
どれも回数を稼ぐ練習ではありません。止まれた形を毎回確かめることのほうが大切です。
まとめ

- 着地の瞬間の膝の角度は、速い投手も遅い投手もほぼ同じ(およそ45度)
- 差がつくのは着地したあと。前の膝が伸びるほど球は速い(1度でおよそ1.7キロ)
- 支えているのは膝ではなく、お尻・太ももの裏・お腹をふくめた全身
まずは「着地して一秒止まれるか」から試してみてください。踏み出す大きさや形を直すより、ずっと分かりやすく、家の中でも確かめられます。









