
はじめに
定期テストの前になると、「モータと発電機って、何がちがうの?」という声をよく聞きます。
名前も形もよく似ていて、頭の中でごちゃごちゃになりやすい単元ですよね。
実はこの二つ、同じしくみを逆向きに使っているだけなんです。
モータは「電気を回転に変える装置」、発電機は「回転を電気に変える装置」です。
入れるものと出てくるものが入れかわっている、と考えるだけで、暗記する量はぐっと減ります。
この記事では、そのつながりを電磁誘導というキーワードを軸に、順番に整理していきます。
モータのしくみ、発電機のしくみ、そして二つを逆向きにつなぐ身近な例まで、テストに出やすいところを三つのポイントにまとめました。
最後に確認リストと、生徒さんからよく聞かれる質問への答えも載せています。
動画とあわせて、見直しに使ってくださいね。
- モータのしくみ:磁界の中のコイルに電流を流すと、力を受けて回る理由が分かります。
- 発電機と電磁誘導:磁石を動かすとコイルに電流が生まれる現象と、大きくする方法が分かります。
- 逆向きの関係:モータの軸を回すと発電する理由と、回生ブレーキの考え方が分かります。
発電機とモータの関係・全体像
今回の話は、三つのステップで進みます。
最初にモータの働き、次に発電機の働きと電磁誘導、最後に二つを逆向きにつなげる例です。
どのステップも「何を入れて、何が出てくるか」を意識すると、迷いにくくなります。
- モータ:電気を入れると、軸が回って仕事をする装置です。
- 発電機:軸を回すと、コイルから電気が取り出せる装置です。
- つなぐキーワード:磁界と電流のやりとり、つまり電磁誘導が二つの共通点です。
ポイント1:モータは電気を回転に変える
まずは、おなじみのモータからおさらいしましょう。
ここで「入れるもの」と「出てくるもの」をはっきりさせておくと、あとで発電機と見比べたときに、ちがいがくっきり見えてきます。
モータは、電気のエネルギーを回転する動きに変える装置です。
モータは電気を回転に変えるポイントを紹介します
入れるのは電気、出てくるのは回転
モータは、電気のエネルギーを回転する動きに変える装置です。
入れるのは電気、取り出すのは回転する力、と覚えておくと整理しやすくなります。
扇風機の羽根、洗濯機のドラム、掃除機の吸い込みなど、家の中にはモータがたくさん隠れています。
どれも電源につなぐと軸が回り、その回転が仕事をしているんです。
身近な例に当てはめて考えると、教科書の言葉もぐっと覚えやすくなりますよ。
テストでは「電気エネルギーを何に変えるか」と聞かれるので、運動エネルギーと答えられるようにしておきましょう。
この「入れるもの」と「出てくるもの」を先に言う習慣は、あとで出てくる発電機でもそのまま使えます。
ノートの端に「モータ=電気→回転」と書いておくだけでも、見直しのときの目印になりますよ。
まずは身の回りのモータを三つ探して、それぞれが何を回しているのかを言葉にしてみてください。
扇風機なら羽根、洗濯機ならドラムというように、回っているものを答えられれば合格です。
磁界の中のコイルが力を受ける
モータの中では、磁石がつくる磁界の中にコイルが置かれています。
このコイルに電流を流すと、電流が磁界から力を受けて、コイルが動き出します。
コイルの両側では力の向きが反対になるので、コイルをくるりと回す向きに力がはたらきます。
これが、モータが回転する基本のしくみです。
回り続けるために、半回転ごとに電流の向きを切りかえる整流子というしくみも使われています。
磁石とコイルの組み合わせこそが、モータの心臓部なんです。
テストでは「電流が磁界から受ける力」という言い方で出ることが多いので、言葉ごと覚えておきましょう。
力の大きさは、電流を大きくしたり、磁石を強くしたりすると大きくなります。
電流の向きを逆にすると、力の向きも逆になり、モータの回る向きが反対になります。
乾電池の向きを入れかえるとモータの回転が逆になるのは、このためなんです。
実習で配線を確認するときにも役立つ知識ですよ。
見分け方は「電気が先」
モータかどうかを見分けたいときは、「電気が先に入っているか」を確かめます。
電源につないで、電気を入れて軸が回るなら、その機器の中ではモータが働いています。
家電の説明書やラベルに、消費電力やボルトの表示があるのも、電気を入れて使う機器だからです。
逆に、軸を回して電気を取り出すなら発電機です。
迷ったときは、まず電源につながっているかを見てください。
電気を入れる側か、取り出す側かで考えるのがコツですよ。
この見分け方を持っておくと、初めて見る機器でも落ち着いて答えられます。
- 入れるもの:電気エネルギーを入れて、軸を回転させます。
- 回るわけ:磁界の中のコイルに電流を流すと、力を受けて回ります。
- 向きを変える:電流の向きを逆にすると、回転の向きも逆になります。
表示や説明書の言葉も、見分けのヒントになります。
「電気を入れて動かす」と書かれていればモータ、「回して電気をつくる」と書かれていれば発電機、という具合です。
用語の暗記だけでなく、向きで考えるくせをつけておきましょう。
ポイント2:発電機は回転を電気に変える
次は発電機です。
発電所で電気をつくっているのも、自転車のライトを光らせているのも、仕組みは同じ発電機です。
発電機は、回転する動きを電気のエネルギーに変える装置で、そのしくみが電磁誘導です。
発電機は回転を電気に変えるポイントを紹介します
磁石を動かすとコイルに電流が生まれる
コイルの近くで磁石を動かすと、コイルに電圧が生まれて電流が流れます。
この現象を電磁誘導といい、そのとき流れる電流を誘導電流といいます。
コイルに検流計をつないで磁石を出し入れすると、動かしている間だけ針が振れます。
磁石を止めると、針はゼロに戻ります。
この実験は、理科でも出てくる有名なものです。
磁石の極を逆にすると、針の振れる向きも逆になります。
結果を表にまとめて読み取る練習もしておきましょう。
つまり、コイルの中の磁界が変化しているときだけ、電流が生まれるということです。
ここで間違えやすいのが、磁石が強ければ止まっていても電流が流れ続ける、という思いこみです。
電磁誘導は「変化」で起こる現象なので、磁石を止めた瞬間に電流はゼロになります。
磁石を入れるときと抜くときでは、電流の向きも逆になります。
実験の結果を読み取る問題では、この二点がよく問われますよ。
誘導電流を大きくする3つの方法
誘導電流を大きくする方法は、全部で三つあります。
一つ目は、強い磁石を使うこと。二つ目は、コイルの巻き数を増やすこと。三つ目は、磁石をすばやく動かすことです。
どれも「コイルの中の磁界の変化を大きくする」という同じ考え方で説明できます。
テストでは、この三つの中から選ぶ形式がとても多いので、セットで声に出して覚えておきましょう。
ゆっくり動かすと電流は小さくなる、という逆の言い方も押さえておくと安心です。
三つとも、理由まで言えるようにしておくと記述問題でも得点できます。
- 強い磁石:磁界が強いほど、コイルに生まれる電圧が大きくなります。
- 巻き数を増やす:コイルの巻き数が多いほど、電圧が大きくなります。
- すばやく動かす:磁界の変化が速いほど、誘導電流が大きくなります。
発電所の発電機は、とても強い磁石と巻き数の多いコイルを使い、軸を高速で回し続けています。
三つの方法をすべて大きく使っているから、街じゅうの電気をまかなえる電力が生まれるんです。
身近な例と結びつけると、暗記が理解に変わりますよ。
発電機の中のつくりと回す力
発電機の中には、磁石とコイルが入っています。
どちらかを回すと、コイルの中の磁界が変わり続けて、電気が生まれ続けます。
回る部分をロータ、動かない部分をステータといいます。
発電所の発電機では、大きなロータがとても速く回り続けています。
ロータが回るたびにコイルの磁界が変わり、電流が生まれるわけです。
では、軸を回す力はどこから来るのでしょうか。
水の流れを使えば水力発電、燃料で湯をわかして蒸気を使えば火力発電、風を使えば風力発電になります。
方法は違っても、最後に発電機を回す点は同じです。
発電方法の名前が変わるのは、「軸を回す力」の出どころが違うだけです。
発電機そのもののしくみは、どの発電所でも電磁誘導で共通しています。
テストで「発電のしくみ」を聞かれたら、まず発電機が回って電磁誘導が起きる、という流れを思い出してください。
そこから、水・蒸気・風と当てはめていけば、迷いません。
ポイント3:二つは逆向きの関係
いよいよ、モータと発電機をつなげて考えます。
どちらも「磁石とコイル」でできていて、電気と回転をやりとりする装置です。
電気を入れて回せばモータ、軸を回して電気を取り出せば発電機。これがこの単元の中心です。
二つは逆向きの関係であるポイントを紹介します
モータの軸を回すと発電する
小さなモータにLEDや豆電球をつなぎ、軸を手ですばやく回してみましょう。
うまくいくと、LEDがぱっと光ります。
電気で回るはずのモータが、回されることで電気をつくる発電機として働いたんです。
回すのをやめれば、LEDはすぐに消えます。
発電は軸が回っているあいだだけ続くからで、速く回すほど明るくなります。
この点も、電磁誘導の「変化」の考え方とつながっています。
これが「モータと発電機は逆向きの関係」と言われる理由です。
磁石とコイルの組み合わせは同じなので、電気を入れれば回り、回せば電気が出ます。
実験で光りにくいときは、軸をもっとすばやく回すか、豆電球より小さい電流で光るLEDを使ってみてください。
これは先ほどの「すばやく動かすと誘導電流が大きくなる」という考え方そのものです。
ただし、実際の機器は役目に合わせて作られているので、どんなモータでも同じように発電できるわけではありません。
ここは「原理は同じ」という言い方で押さえておきましょう。
回生ブレーキは「モータが発電機に」
電車や電気自動車で使われる回生ブレーキは、逆向きの関係をうまく活用した例です。
加速するときはモータとして電気で車輪を回し、ブレーキをかけるときは車輪の勢いでモータの軸を回して発電します。
ふだんは熱として捨てていた運動エネルギーを、電気にして電池へ戻せるんです。
そのぶん電気の無駄づかいが減り、省エネにつながります。
電車が駅に近づいて減速するときにも、よく使われています。
テストでは「ブレーキのとき、モータは何として働くか」という聞き方がされるので、発電機と答えましょう。
ポイントは、ブレーキをかけるときに「車の運動エネルギーが減って、そのぶん電気エネルギーが増える」という流れです。
エネルギーが消えるのではなく、形を変えて移っています。
これはエネルギー保存の考え方とも結びつく大切な見方ですよ。
電気自動車の細かいしくみは別の回で扱うので、ここでは回生ブレーキだけを押さえておけば十分です。
エネルギーの流れで整理する
最後に、エネルギーの流れで整理しましょう。
モータは電気エネルギーから運動エネルギーへ、発電機は運動エネルギーから電気エネルギーへ変わります。
風力発電なら、風の運動エネルギーが羽根の回転になり、発電機で電気エネルギーに変わる、という二段階の流れです。
エネルギーは形を変えても、全体の量は変わりません。
これはエネルギー保存の考え方で、理科でも出てきます。
矢印を書いて「何から何へ」と整理するだけで、迷いがぐっと減ります。
記述問題でも、この矢印の形で答えれば伝わりやすくなりますよ。
- モータ:電気エネルギーから、運動エネルギーへ変えます。
- 発電機:運動エネルギーから、電気エネルギーへ変えます。
- 回生ブレーキ:ブレーキのとき、モータが発電機として働きます。
身近な機器を、この矢印で分けてみるのもおすすめです。
扇風機や掃除機はモータ、自転車のダイナモは発電機、電車の回生ブレーキは両方の役目をこなします。
自分で例を三つ挙げられれば、テストの記述問題にも強くなれますよ。
テスト前の確認リスト
ここまでの内容を、テスト前に見直せる形にまとめます。
ひとつずつ声に出して言えるか、確かめてみてください。
言葉で説明できるところは、問題が少し変わっても対応できます。
あやしいところがあれば、該当するポイントの解説にもどって読み直しましょう。
全部の項目に自信が持てたら、この単元の準備はばっちりです。
- モータは電気エネルギーを運動エネルギーに、発電機は運動エネルギーを電気エネルギーに変える、と言える。
- モータが回るのは、磁界の中のコイルに電流を流すと力を受けるからだと説明できる。
- 電磁誘導とは、コイルの中の磁界が変化して電流が生まれる現象だと言える。
- 誘導電流を大きくする方法を、強い磁石・巻き数を増やす・すばやく動かすの三つで答えられる。
- 回生ブレーキでは、モータが発電機として働くと答えられる。
よくある質問
モータと発電機は、完全に同じものですか?
結論から言うと、原理は同じですが、実際の機器は完全に同じではありません。
どちらも磁石とコイルでできていて、電気を入れれば回り、回せば電気が出るという性質は共通しています。
ただ、実際の機器は、役目に合わせて大きさや巻き数、回転速度などが工夫されています。
そのため、小さなモータで実験するとLEDが光る程度でも、発電所の発電機のような大きな電力は取り出せません。
テストでは「原理は同じで、使い方が逆」と答えるのが基本ですよ。
このちがいを一言で言えるようにしておくと安心です。
磁石を止めたままなら、電流は流れ続けますか?
いいえ、流れません。
電磁誘導は、コイルの中の磁界が変化しているときだけ起こる現象です。
磁石が強くても、コイルの中で止まっていれば、変化がないので電流はゼロになります。
実験で検流計の針が、磁石を動かしている間だけ振れて、止めると戻るのはこのためです。
検流計の針は、磁石の動きが速いほど大きく振れます。
コイルの巻き数を増やすと、針の振れも大きくなります。
グラフや表で出る問題も多いので、結果の読み取りに慣れておきましょう。
また、磁石を入れるときと抜くときでは、電流の向きが逆になることも、あわせて覚えておくと得点につながります。
発電機を回す力は、どれも同じ方法ですか?
発電方法によって、軸を回す力の出どころが違います。
水力発電は落ちる水の流れ、火力発電は燃料で沸かした湯の蒸気、風力発電は風の力で、発電機の軸を回しています。
名前は違っても、最後に発電機が回って電磁誘導で電気が生まれる点は、どれも共通です。
ほかにも、地熱やバイオマスなど、蒸気で回す方法がたくさんあります。どれも考え方は同じです。
「何で軸を回すか」と「発電機そのものの働き」を分けて考えると、整理しやすくなります。
それぞれの発電方法の特徴は、別の記事や動画でくわしく扱っています。
おわりに
発電機とモータの関係を、まとめて振り返りましょう。
モータは電気を回転に、発電機は回転を電気に変える装置で、二つは逆向きの関係です。
発電のしくみは電磁誘導で、強い磁石・多い巻き数・すばやい動きで大きくなります。
回生ブレーキのように、逆向きの関係を活かした技術も身近にありました。
「何を入れて、何が出てくるか」を意識すれば、テストでも落ち着いて答えられます。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。
テストで間違えやすいポイントを整理しよう
モータと発電機の基本がわかっても、テストでは「向き」や「大きさ」を問う問題でつまずきやすくなります。ここでは、よくある間違いを三つに分けて確認します。
- ポイント1:向きの関係:電流の向きを変えると、回転の向きも逆になる。
- ポイント2:電圧の条件:磁石を速く動かすほど、生まれる電圧は大きくなる。
- ポイント3:エネルギー:発電には、回すための別のエネルギーが必ず必要。

間違えやすいポイントを紹介します
電流の向きを変えると回転も逆になる
モータでは、電池のつなぎ方を逆にすると、回る向きも逆になります。テストでは「電池を逆向きにつなぐとどうなるか」と問われやすいところです。電流の向き、磁界の向き、力の向きという三つの関係で決まっている、と覚えておくと迷いません。反対に、発電機では軸を回す向きを逆にすると、流れる電流の向きも逆になります。向きの話が出たら、「何を変えたから何が変わったのか」を一文で言えるように練習しておきましょう。
電圧の大きさを決める三つの条件
発電機で生まれる電圧は、磁石を動かす速さ、磁石の強さ、コイルの巻き数で決まります。たとえば手回し発電機をゆっくり回すと豆電球は暗く、速く回すと明るくなります。これは磁界の変化が速いほど、大きな電圧が生まれるためです。テストで「電圧を大きくするには」と聞かれたら、この三つのうちどれを変えるかを答えれば得点につながります。条件を一つずつ指で数えて覚えるのがおすすめです。
発電は無からエネルギーを生まない
「発電機を回せば電気が増える」と考える生徒が時々います。しかし発電機は、回転のエネルギーを電気のエネルギーに変えているだけです。手回し発電機が重く感じるのは、電気を取り出すぶん、回す力が必要になるからです。エネルギーは形を変えるだけで、勝手に増えたり消えたりしません。この考え方は、エネルギー変換の分野全体で使えるので、ここで一緒に確認しておきましょう。
身のまわりの例で理解を深めよう
しくみを教科書の図だけで覚えると、時間がたつと忘れてしまいます。日常で見かける機器と結びつけておくと、記憶に残りやすくなります。
自転車のライトとダイナモ
自転車のダイナモ式ライトは、タイヤの回転で小さな発電機を回し、その電気でライトを光らせています。速く走るほど明るくなり、止まると消えるのは、磁石の動きが止まると電流が生まれなくなるからです。最近はハブダイナモという、車輪の中心に発電機を内蔵したタイプもあります。仕組みはどれも同じなので、図を見たときは「何が回っているのか」に注目すると整理できます。
電車の回生ブレーキ
電車がブレーキをかけるとき、モータを発電機として使い、車輪の回転から電気を生む方式があります。これが回生ブレーキです。つくった電気は架線に戻して、ほかの電車が使うこともできます。モータと発電機が逆向きの関係だからこそできる工夫で、運動のエネルギーを捨てずに電気として再利用できる点がポイントです。「ブレーキは熱として捨てるだけ」ではないことを押さえましょう。
扇風機を手で回すとどうなるか
電源を切った扇風機の羽根を手で回すと、中のモータが発電機として働き、わずかに電気が生まれます。ただし安全のため、実際の確認は先生の指示のもとで行い、むやみに分解したり、コンセントにつないだまま触ったりしてはいけません。教室では、小型モータにLEDをつないだ実験で同じことを確かめられます。身近な家電にもモータが入っていると知ると、学習がぐっと身近になります。











