
はじめに
二学期の最後の学級活動、どう過ごすか決まっていますか。
通知表を渡す日は、手続きや連絡が多くて、気づけば時間がなくなりますよね。
かといって、ただ配って終わりにすると、なんだか寂しい終わり方になってしまいます。
実は、最後の学級活動で子どもたちに残る印象は、そのまま三学期のスタートに引き継がれます。
楽しく終われたクラスは、冬休み明けも笑顔で戻ってきます。
逆に、反省ばかりで終わったクラスは、どこか重い空気を持ち越してしまうんです。
私自身、若いころに失敗しています。
二学期のうまくいかなかった点を、教卓の前で十分近く話してしまいました。
子どもたちの顔が曇ったまま冬休みに入り、三学期の始業式でも、その空気が残っていたのを覚えています。
この記事では、終業式の前日や当日に使える九つのメニューを、「ふり返る」「ねぎらう」「送り出す」の三つの流れに分けてまとめました。
全部やる必要はありません。
五十分の中で、各流れから一つずつ選ぶだけで、二学期をきれいに閉じられます。
- 終業式前日の学活に使える、準備の少ない9つのメニュー
- 五十分を「ふり返る・ねぎらう・送り出す」で組み立てる流れ
- 反省会にせず、笑顔で冬休みへ送り出す担任の語り方
閉じる学活 三つの流れ
二学期最後の学級活動は、盛り上げる時間ではなく、二学期をきれいに閉じる時間と考えます。
そのために使うのが、「ふり返る」「ねぎらう」「送り出す」の三つの流れです。
それぞれに三つずつメニューを用意したので、合わせて九つ。
五十分の学級活動なら、各流れから一つずつ選べば十分に組み立てられます。
通知表や連絡で時間が削られる日でも、選び方しだいで無理なく実施できますよ。
- ①ふり返る:ベスト3・行事の年表・自己評価で「増えたこと」を探す。
- ②ねぎらう:ありがとうカード・かかりのねぎらい・ミニレクで笑って終える。
- ③送り出す:冬休みの約束・持ち帰りの確認・先生の語りで背中を押す。
ポイント1:二学期をふり返る3つのメニュー
二学期の最後に必要なのは、反省ではなく「確かめること」です。
二学期の自分たちに何が増えたのかを、本人の言葉で確かめる。
この考え方で組むと、三つのメニューが自然につながります。
ここでは、付箋、年表、自己評価の三つを順番に紹介しますね。
二学期をふり返る3つのメニューのポイントを紹介します
ベスト3を付箋に書かせる
二学期のふり返りは、ベスト3から始めます。
配るのは付箋一枚だけです。
「楽しかったこと」「頑張ったこと」「うれしかったこと」の中から、ひとつを選んで書かせます。
三つ全部は書かせません。
ひとつに絞るほうが、本人にとって本当に大切な場面が浮かびやすいからです。
付箋を三色用意して、色ごとにジャンルを分けるのもおすすめです。
迷っている子には「最近思い出して笑ったことでもいいよ」と声をかけると、手が止まらずに書き始められます。
書けたら黒板に貼り出し、全員で眺めます。
読み上げは不要で、所要時間は五分ほどです。
黒板いっぱいに付箋が並ぶと、子どもたちは自然と近づいて読み始めます。
「これ、私も同じ」「そんなことあったね」と声が出てくれば成功です。
先生が読み上げたくなりますが、そこはぐっとこらえて、眺める時間を取ってください。
貼られた付箋は、そのまま写真に残しておくと、三学期の学級開きで「二学期のクラス」を語る材料になります。
行事の年表を黒板につくる
年表づくりは、黒板をそのまま使います。
左から右へ矢印を引き、体育祭、合唱コンクール、定期テストなど、二学期の行事を先生が書き込みます。
そのあと、子どもたちに「この行事で思い出に残っていること」をチョークで書き足してもらいます。
書く場所は、行事の下ならどこでも構いません。
全員が前に出る時間はないので、各列から二、三人に絞ってもかまいません。
五分ほどで、クラスの二学期の物語が黒板に現れます。
先生が前もって行事の日付だけを書いておくと、子どもたちが迷わず書き足せますよ。
年表をつくると、忘れていた小さな出来事が必ず出てきます。
たとえば、合唱の練習で声がそろわなかった日、そこから立て直した朝のことなど、行事そのものより「間の出来事」が書かれやすいんです。
先生は書かれた言葉を消さず、「いいね」とうなずくだけで構いません。
文章にまとめさせたい日は、作文の書き出しを渡すと進めやすくなります。
自己評価は◎○△で言葉にさせる
自己評価は、頑張り、友だち、生活の三項目を◎○△でつけさせます。
用紙はメモ用紙で十分です。
大切なのは点数ではなく、そのあとに一行、理由を書かせること。
「◎友だち:班の人に自分から声をかけられた」のように、自分の言葉にすることで、二学期の成長が本人の中に残ります。
△をつけた項目があっても、それは三学期の伸びしろです。
用紙は集めずに持ち帰らせると、本音が書きやすくなります。
書く時間は三分ほどで、書けない子には友だちの欄から先に書かせても大丈夫です。
△が多い子には、あとで先生が一言添えます。
「ここまで正直に書けたのはすごいことだよ」と伝えるだけで、評価が前向きな材料に変わります。
反対に、◎ばかりの子には「どこが◎なの?」と聞いてみると、本人の強みを言葉にする機会になります。
- 反省会にする:できなかった点を挙げさせると、顔が曇ったまま終わる。
- 全員に発表させる:時間が足りず、後半の子が焦るので読み上げは不要。
- △を放置する:△の子には、あとで一言添えて前向きに変える。
ここまでの三つは、全部「増えたこと」を探す作業です。
どれも五分前後でできるので、時間が足りない日は、ベスト3だけでも構いません。
反省は三学期に回して、二学期の最後は、増えたものを見つけて終わりにしましょう。
ポイント2:お互いをねぎらう3つのメニュー
ふり返りで気持ちが整ったら、次はお互いへの感謝を形にします。
先生が子どもをほめるだけでなく、子ども同士が認め合う場をつくる。
これが、三学期も落ち着いたクラスを保つ土台になります。
カード、かかりのねぎらい、ミニレクの三つを紹介しますね。
お互いをねぎらう3つのメニューのポイントを紹介します
ありがとうカードを渡し合う
ねぎらいの定番が、ありがとうカードです。
名刺サイズの紙を二、三枚配り、隣や班の人に向けて、名前と理由をつけて一言書かせます。
ポイントは「具体的に書く」こと。
「プリントを配ってくれてありがとう」「班で意見を聞いてくれてうれしかった」のように、小さな行動を書いてもらいます。
書き終えたら、その場で手渡しします。
所要時間は十分ほどで、全員が必ず一枚は受け取れるよう、先生が組み合わせを調整しておくと安心です。
書いた内容は、先生が事前に目を通す必要はありません。
気をつけたいのは、受け取れない子を出さないことです。
組み合わせは、隣と前後など、先生があらかじめ決めておきます。
それでも書くことが浮かばない子には、「今日、消しゴムを貸してくれたよね」のように、事実をひとつ見つけて例を出します。
先生も、数人分は書いて渡しましょう。
日ごろ目立たない子へのカードが、特に心に残ります。
かかりと当番の仕事をねぎらう
かかりと当番へのねぎらいも、ぜひ入れてほしいメニューです。
黒板消し、プリント配付、窓の開け閉め、花の水やりなど、目立たない仕事をした子の名前を、先生が一人ずつ挙げます。
「この仕事があったから、二学期が回ったよ」と添えて、全員で拍手を送ります。
賞状や景品は要りません。
先生が見ていた事実をひとこと伝えるだけで、本人にとっては十分な報酬になります。
呼ばれた子は、照れながらも背筋が伸びるものです。
人数が多いときは、仕事ごとにまとめて紹介すると時間が短くなります。
所要時間は五分です。
事前に、二学期の間にメモしておくと楽になります。
私は、出席簿の端に「今日気づいたこと」を一行だけ書いていました。
名前が出た子は、三学期もその仕事を続けてくれることが多いです。
反対に、名前が出なかった子がいると、がっかりした顔を見せるので、全員の名前を挙げられるよう、仕事の数を調整しておきましょう。
- かかりへ:「この仕事があったから、二学期が回ったよ」
- 班の仲間へ:「あの場面で声をかけてくれたこと、先生は見ていたよ」
- クラス全体へ:「ありがとうが増えたクラスは、強いね」
十五分のミニレクで笑って終える
ミニレクは、十五分までと決めます。
おすすめは、班で共通点を十個探すゲームや、先生に関するクイズ大会です。
どちらも道具は要らず、全員が参加できます。
共通点さがしは、「靴のサイズ以外で十個」のように条件をつけると、会話が広がります。
先生クイズは、五問だけ出題して、正解数の多い班を拍手でたたえます。
勝ち負けより、笑い声の多さを大切にしてください。
準備は、ストップウォッチと黒板のメモ欄だけで足ります。
班の人数をそろえておくと、進行がぐっと楽になりますよ。
盛り上がったあとが勝負です。
終わりの合図を決めて、全員を席に座らせ、深呼吸を一回。
静かに終えると、次の送り出しの話がすっと入ります。
私は以前、盛り上げたまま語りに入って、誰も聞いてくれなかった失敗があります。
熱を一度冷ますのが、先生の大切な仕事です。
もっと本格的に企画したい日は、こちらの記事も参考にしてください。
ねぎらいの三つに共通するのは、「事実をひとつ見つけて伝える」ことです。
特別な演出は要りません。
見ていたことを言葉にするだけで、教室の空気は温かく変わります。
ポイント3:冬休みへ送り出す3つのメニュー
最後の流れは、冬休みへの送り出しです。
子どもたちが安心して休みに入り、三学期に戻ってこられるよう、行動と気持ちの両方を整える。
約束、持ち帰りの確認、先生の語りの三つを、この順で組み立てます。
冬休みへ送り出す3つのメニューのポイントを紹介します
冬休みの約束を自分で決めさせる
冬休みの約束は、先生が決めるのではなく、子どもたちに決めさせます。
「やることを三つ、やらないことを一つ」と、書く枠を指定します。
やることは、宿題、早起き、家の手伝いなど。
やらないことは、夜ふかしのスマホなど、本人が自覚している誘惑を書かせます。
自分で決めた約束は、人から言われた約束より守りやすいものです。
書いたら隣の人に見せ合うと、気持ちが引き締まります。
用紙は小さなカードにして、冬休み中に目につく場所へ貼らせるのもおすすめです。
書く時間は五分が目安です。
注意点は、約束の数を増やしすぎないことです。
やることが十個も並ぶと、最初の三日で挫折します。
三つに絞るのは、そのためです。
「やらないこと」を一つだけ決めるのは、守れたかどうかを確認しやすくするためでもあります。
三学期の始業式の日に、用紙を見せ合う時間をつくると、自然な振り返りになります。
持ち帰りの最終確認をリスト化する
持ち帰りの確認は、語りの前に済ませます。
黒板にリストを書いて、全員で声をそろえて確認します。
ロッカーを空にする、机の中を空にする、提出物を出す、通知表と宿題を持つ、上履きと体操服を持ち帰る。
この五つが基本です。
リストを黒板に残しておけば、ひとりひとりに声をかけなくても、子どもたちが自分で見て動けます。
終わった子から着席するルールにすると、時間も短縮できます。
通知表を入れる袋や配布物の束も、リストに書き込んでおくと忘れ物がぐっと減ります。
所要時間は五分です。
確認を語りのあとに回すと、余韻が消えてしまいます。
「ありがとうございました」と挨拶した直後に、「あ、ロッカーが」とばたばたする場面を、私は何度も経験しました。
通知表の所見の準備に追われる時期ですが、当日の流れも先に決めておくと、気持ちに余裕が生まれます。
先生の語りは事実を三つだけ話す
最後は、先生の語りで閉じます。
話すのは、二学期に先生が見た子どもたちの事実を三つだけです。
「合唱の朝、頼まれなくても椅子を並べた人がいた」のように、場面がうかぶ事実を選びます。
ほめ言葉を並べるより、見ていた証拠のほうが心に残ります。
三つ話したら、「三学期、また会えるのを楽しみにしているよ」と一言添えて終わります。
長さは三分以内を目安にしてください。
メモを見ながら話しても構いません。
原稿を読み上げるより、子どもの顔を見て話すことを優先しましょう。
語りを準備するコツは、二学期の間に、ふとした場面をメモしておくことです。
準備が間に合わなかった日は、その日のベスト3の付箋から、先生が心に残ったものを三つ選んで紹介する方法もあります。
反省や注意を入れたくなっても、この時間だけは我慢しましょう。
注意は三学期の始業式に回せば間に合います。
- 事実を三つ:場面がうかぶ出来事を、名前を出さずに紹介する。
- 評価は添えるだけ:ほめ言葉は一言にして、証拠を主役にする。
- 最後は三学期:「また会えるのを楽しみにしている」で終える。
送り出しの三つは、順番も大切です。
約束で行動を整え、確認で不安を消し、語りで気持ちを温める。
この順で進めれば、慌ただしい最終日でも、落ち着いた空気のまま終われます。
明日の確認リスト
ここまで九つのメニューを紹介しましたが、全部を試す必要はありません。
今日のうちに確かめておくと当日が楽になる項目を、五つにまとめました。
どれも職員室の机の上で、数分で確認できることばかりです。
終業式までの日程と、学級活動の時間数を見比べながら、先生の学級に合う組み合わせを考えてみてください。
- 時間数:最後の学級活動が何分あるか、時間割で確認する。
- 三つの流れ:ふり返る・ねぎらう・送り出すから、一つずつ選んでメモする。
- 用意する物:付箋、名刺サイズの紙、黒板に書くリストの下書きを揃える。
- 語りの材料:二学期に見た事実を、三つ書き出してみる。
- 通知表との順番:配る時間と語りの時間が重ならないか、段取りを見直す。
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よくある質問
学級活動が三十分しかない日は何を選びますか
三十分なら、各流れから一つずつ選び、それぞれ八分前後で進めるのがおすすめです。
たとえば、ベスト3の付箋、かかりのねぎらい、先生の語りの組み合わせです。
持ち帰りの確認は、前日の帰りの会に回すと余裕が生まれます。
ミニレクやありがとうカードは、時間がかかるので無理に入れません。
短い日は、二つの流れだけでも十分に成り立ちます。
時間配分は、ふり返り八分、ねぎらい八分、語り七分と、最初にメモしておくと迷いません。
短い日は「増やす」より「選ぶ」ほうが、満足度の高い終わり方になりますよ。
通知表を渡す時間とぶつかるときはどうしますか
通知表は、語りの前に渡すのがおすすめです。
理由は、通知表の中身が気になって、先生の話が入らなくなるからです。
配布と確認が終わってから、「通知表の数字より、先生が見てきた二学期の姿を話します」と前置きして語りに入ります。
そうすると、数字で落ち込んだ子にも、事実を三つ伝える時間が安心の材料になります。
配る順番は、出席番号順で構いません。
渡すときは、一人ひとりに「二学期おつかれさま」と一言だけ添えると、手渡しの時間が温かくなります。
盛り上がりすぎて収拾がつかなくなりませんか
収拾がつかなくなる心配があるなら、ミニレクは思いきって省いてかまいません。
ねぎらいは、ありがとうカードとかかりのねぎらいの二つだけでも成り立ちます。
ミニレクを入れる場合は、終わりの合図と深呼吸の時間を、始める前に宣言しておきます。
「合図で必ず座る」と約束させてから始めると、ほとんどの学級は切り替えられます。
切り替えが不安なら、座ったままできる静かなゲームを選びましょう。
それでも落ち着かないときは、途中で切り上げる勇気も大切です。
盛り上がり過ぎたときの合図を、前もって決めておきましょう。
おわりに
二学期最後の学級活動は、盛り上げる時間ではなく、二学期をきれいに閉じる時間です。
ふり返る、ねぎらう、送り出す。この三つの流れで組み立てれば、準備が少なくても、子どもたちの心に残る終わり方になります。
私の失敗のように、反省だけで終わる必要はありません。
増えたものを見つけて、ありがとうを伝え、安心して冬休みへ送り出す。
それだけで、三学期の始業式の空気は、確実に変わります。
ご視聴ありがとうございました。
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