【中学技術】金属の性質 展性・延性・弾性・塑性の違い4つ|テスト前の例題つき

はじめに

テスト前になると、「展性と延性、どっちがどっちだっけ」「弾性と塑性って何が違うの」と、金属の性質の用語でつまずく人が増えます。
字だけを見ると似ているので、ごちゃ混ぜになるのは当たり前です。
でも、身近な物に当てはめて覚えると、すっきり区別できるようになりますよ。

この記事では、中学技術で出てくる金属の性質を、共通する性質から順番に整理します。
そのあと、たたく・引っぱる・曲げるときの4つの性質(展性・延性・弾性・塑性)、鉄・アルミニウム・銅の特徴、密度の計算まで進みます。
動画の台本をもとに書いているので、動画と合わせて見ると、さらに定着しやすいです。
テスト前の最終確認にも使えるように、最後に確認リストとよくある質問もつけました。

この記事で分かること
  • 金属の共通点:光沢・電気・熱の3つの性質と、身近な使い道。
  • 4つの変形の性質:展性・延性・弾性・塑性の違いと見分け方。
  • 鉄・アルミニウム・銅:それぞれの特徴と、磁石との関係。
  • 密度の計算:質量=密度×体積で、金属の重さをくらべる方法。

金属の性質の全体像

金属の性質は、大きく3つのまとまりで整理すると覚えやすくなります。
1つ目は、どの金属にも共通している性質です。
2つ目は、たたく・引っぱる・曲げるといった、力を加えたときの変形の性質で、ここに展性・延性・弾性・塑性の4つの言葉が出てきます。
3つ目は、鉄・アルミニウム・銅といった金属ごとの特徴です。
順番に見ていけば、無理なく全体がつながります。

金属の性質の見取り図
  • 共通する性質:みがくと光る、電気をよく通す、熱をよく伝える。
  • たたく・引っぱる:広がるのが展性、伸びるのが延性。
  • 曲げる:力をぬくともどるのが弾性、もどらないのが塑性。
  • 金属ごとの特徴:鉄は強くて磁石につき、アルミニウムは軽く、銅は電気を通す。

ポイント1:金属に共通する性質(金属光沢・電気・熱の伝わりやすさ)

まずは、どの金属にも共通している性質です。
ここがわかると、あとの展性や延性の話もつながりやすくなります。
「光る」「電気を通す」「熱を伝える」の3つを、使い道とセットで覚えましょう。

HeatKeep
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金属に共通する性質のポイントを紹介します

金属光沢|みがくと光るのは金属のしるし

金属をやすりや布でみがくと、表面が鏡のようにぴかっと光ります。
この、金属特有のかがやきを金属光沢といいます。
鉄でもアルミニウムでも銅でも、きれいにみがけば同じように光るので、見た目で金属かどうかを見分けるときの手がかりになります。
実習室で、みがいた板とくもった板を見くらべると、違いがよくわかります。
逆に、木やプラスチックをどれだけみがいても、このような光り方はしません。
金属の板を加工したあと、切り口がきらっと光っていたら、それは金属らしさの表れなんですよ。

鉄・アルミニウム・銅の金属材料を並べて性質をくらべている場面

ただし、光沢は時間がたつと失われていきます。
鉄は空気中の水分と反応して赤茶色のさびに、銅は緑がかった色に変わっていくので、置きっぱなしの金属がくすんで見えるのはそのためです。
光沢が消えたのは金属でなくなったからではなく、表面が変化しただけです。
やすりでみがき直すと、もとの金属の輝きがまた顔を出します。
実習で金属を扱うときは、この「みがくと光る」を思い出してみてください。

電気をよく通す性質|電線に銅が使われる理由

金属は電気をよく通します。
家の中のコードや電線の芯に銅が使われているのは、銅が電気を通しやすく、しかも加工しやすいからです。
細く長くしても切れにくいので、部屋のすみまで配線できるのも強みです。
電気を通しやすい金属は、電気の流れをじゃましにくいので、むだな熱を出さず、効率よく電気を届けられます。
逆に、ゴムやビニールは電気を通しにくいので、電線のまわりを包むカバーに使われています。
通す材料と通さない材料を組み合わせて、安全に電気を使っているんですね。

テストでは「電線の芯に使われる金属は何か」と聞かれることがあります。
答えは銅です。
電気を通す性質があるのは銅だけではなく、鉄やアルミニウムも電気を通します。
ただ、数ある金属の中で、通しやすさと値段、加工のしやすさのバランスがとれているのが銅だと覚えておくと、理由まで答えられます。
「性質」と「使い道」をセットで覚えるのが、金属の単元のコツです。

熱をよく伝える性質|なべの本体と持ち手の工夫

金属は熱もよく伝えます。
お湯を入れたコップに金属のスプーンを入れておくと、持つところまでじわじわ熱くなってくるのは、そのためです。
なべやフライパンの本体に金属が使われているのは、火の熱を早く、むらなく食べ物に伝えたいからなんですよ。
熱がすばやく伝わるおかげで、短い時間で調理ができます。
熱が逃げにくい厚手のなべを選ぶのも、この性質を上手に使うための工夫です。
一方で、熱を伝えやすいことは、使い方によっては「やけどしやすい」という注意点にもなります。

そこで、なべの持ち手には木やプラスチックが使われます。
これらは熱を伝えにくい材料なので、本体が熱くなっても、手で持つところは熱くなりにくいのです。
実習で金属を熱したり、切ったあとの切断面を触ったりするときも、金属は熱を伝えやすいことを忘れないでください。
熱くなった部分を素手で持たないこと、これが金属を扱う安全の基本ですよ。
性質を知っていることが、そのまま安全につながります。

金属に共通する性質のポイント
  • 金属光沢:みがくと特有のかがやきが出る。見分けの手がかりになる。
  • 電気を通す:電線の芯に銅を使い、まわりは電気を通しにくい材料で包む。
  • 熱を伝える:なべの本体は金属、持ち手は熱を伝えにくい材料にする。

ポイント2:展性・延性・弾性・塑性の違いを見分けるコツ

ここが、テストでいちばんよく出るところです。
4つの言葉は、金属に力を加えたときの変化の仕方で分けられます。
「広がる」「伸びる」「もどる」「もどらない」と、動きの言葉で覚えるのがコツです。

HeatKeep
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展性・延性・弾性・塑性のポイントを紹介します

展性と延性|広がるか伸びるかで見分ける

展性は、たたいたりおしたりしたときに、割れずに薄く広がる性質です。
アルミホイルや、金を薄くのばした金ぱくが身近な例です。
延性は、引っぱったときに、ちぎれずに細く長く伸びる性質で、銅の電線や針金がその例にあたります。
どちらも「形が変わっても壊れない」という点は同じですが、広がるのが展性、伸びるのが延性と分けて覚えます。
テストでは、この2つの言葉を入れかえた選択肢が定番のひっかけになります。
漢字の「展」は広げる、「延」は伸ばすという意味なので、文字が答えのヒントになっているんですよ。

金属をたたいて薄く延ばす加工を実演している手元

この2つの性質があるおかげで、金属は板や線に加工できます。
展性があるから、厚い金属を薄い板にのばせますし、延性があるから、太い棒を細い線に引きのばせます。
電線が長くて細いのも、アルミ缶が薄くて軽いのも、この性質を利用しているからです。
テストで「金属の板をつくるのに役立つ性質は」と聞かれたら展性、「線をつくるのに役立つ性質は」なら延性と答えましょう。

弾性と塑性|力をぬいたあとの様子で見分ける

弾性と塑性は、力を加えたあと、その力をぬいたときの様子で見分けます。
力をぬくと元の形にもどる性質が弾性で、ばねが代表例です。
金属の定規を少し曲げて手を離すと、まっすぐにもどりますよね。
これも弾性です。
いっぽう、力をぬいても元にもどらず、変形したまま残る性質が塑性です。
針金を大きく曲げると、手を離しても曲がったままになるのが、その例です。
「もどる」のが弾性、「もどらない」のが塑性、とセットで覚えましょう。
力をぬいたあとの様子を思い浮かべれば、迷わず答えられますよ。

弾性は「弾む」、塑性は「形が残る」と、言葉のイメージを結びつけるのも手です。
粘土を指で押すとへこんだままになりますが、あれも塑性のイメージに近いです。
金属はふだん、少しの力なら弾性で元にもどり、大きな力が加わると塑性で形が残ります。
同じ金属でも、加える力の大きさで、どちらの性質が現れるかが変わるんですよ。

弾性限度と曲げ加工|どこまでなら元にもどるか

弾性で元にもどれる限界のことを、弾性限度といいます。
ばねを少しだけ引くと元にもどりますが、思いきり引きのばしすぎると、もう元の長さにはもどらなくなります。
これが、弾性限度を超えて塑性の変形になった状態です。
金属板を曲げる加工は、この塑性を利用しています。
弾性限度を超えるまで力を加えるから、曲げた形が残るわけです。
弾性だけの金属なら、曲げても手を離したらまっすぐにもどってしまい、部品の形がつくれません。
塑性があるからこそ、金属は思いどおりの形に仕上げられるんですね。

実習で金属板を曲げるときは、手を離すと少しだけもどることがあります。
これは、曲げた部分の中に弾性の変形が少し混じっているためです。
ねらった角度にするには、少しだけ深めに曲げて、もどる分を見こむのがコツになります。
ただし、曲げすぎや何度も曲げもどす動作は、板を傷めたり折れたりする原因にもなるので、一度で決めるつもりで丁寧に作業しましょう。

4つの変形の性質のポイント
  • 展性:たたくと薄く広がる。例はアルミホイルや金ぱく。
  • 延性:引っぱると細く伸びる。例は銅線や針金。
  • 弾性:力をぬくと元にもどる。例はばねや金属の定規。
  • 塑性:力をぬいてももどらない。曲げ加工はこの性質を使う。

ポイント3:鉄・アルミニウム・銅の特徴と密度の計算

最後は、金属ごとの特徴です。
同じ金属でも、得意なことと苦手なことがはっきり分かれています。
「どの金属が何に使われるか」を、理由つきで言えるようにしましょう。

HeatKeep
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鉄・アルミニウム・銅の特徴のポイントを紹介します

鉄の特徴|強くて安いが、さびやすい

鉄は、強くてじょうぶで、値段も安いので、建物の骨組みから工具、くぎまで、いちばん幅広く使われている金属です。
磁石につくのも鉄の特徴の一つで、実習で磁石を使って材料を見分けるときの手がかりになります。
この「強い」「安い」「磁石につく」の3点が、鉄の基本の特徴です。
教科書の表でも、まず鉄の欄を見る人が多いと思います。
ほかの金属を学ぶときのくらべる相手として、鉄の特徴を先に押さえておくと、理解が進みますよ。
身近な例が多いぶん、使い道も思い出しやすい金属です。

鉄・アルミニウム・銅の板と棒を並べた材料

弱点は、湿った空気の中でさびやすいことです。
鉄がさびると赤茶色のぼろぼろした層ができ、放っておくとどんどん内側に進んでしまいます。
そこで、表面を守るために、ペンキをぬる塗装や、亜鉛などの膜をつくるめっきが行われます。
また、鉄にクロムなどをまぜて、さびにくくしたのがステンレスで、流し台や包丁に使われています。
さびの対策は、テストでもよく問われる大切なポイントです。

アルミニウムと銅の特徴|軽さと電気の通しやすさ

アルミニウムは、同じ大きさの鉄の約3分の1の軽さで、さびにくく、やわらかくて加工もしやすい金属です。
窓のサッシや自転車、アルミ缶などに使われているのは、この軽さとさびにくさのおかげです。
銅は、電気と熱をとてもよく通す金属で、電線やなべ、水道管などに使われています。
赤みがかった色をしているのも、ほかの金属と見分けるポイントです。
この2つは、鉄とくらべて何が得意かを、セットで覚えておきましょう。
理由まで言えると、記述問題でも点が取りやすくなります。

見落としやすいのが、磁石との関係です。
鉄は磁石につきますが、アルミニウムと銅は磁石につきません。
「金属なら磁石につく」と思いこんでいる人は多いのですが、これは間違いです。
テストでは「磁石につく金属はどれか」という形で出ることが多いので、この3つの中では鉄だけ、と答えられるようにしておきます。
また、二種類以上の金属をまぜて性質をよくした合金には、五円玉に使われる黄銅などがあります。

密度の計算|質量=密度×体積で重さをくらべる

金属の重さをくらべるときに使うのが密度です。
密度は、1立方センチメートルあたりの質量のことで、鉄は約7.9グラム、アルミニウムは約2.7グラムです。
質量は、密度×体積で求められます。
体積が10立方センチメートルの鉄なら、7.9×10で79グラム、同じ体積のアルミニウムなら、2.7×10で27グラムになります。
つまり、アルミニウムは鉄の約3分の1の軽さ、ということが、数字でも確かめられるわけです。
軽い金属ほど、持ち運ぶ物や動かす物に向いていると考えられます。

計算するときは、単位をそろえることが大切です。
体積が立方センチメートルなら、密度も1立方センチメートルあたりのグラム、質量はグラムで答えます。
また、10をかけるときは小数点が右に1つ動く、と覚えておくと、速く正確に計算できます。
7.9×10なら79、2.7×10なら27です。
落ち着いて一歩ずつ計算すれば、確実に点が取れる問題ですよ。

3つの金属の特徴のポイント
  • 鉄:強くて安い。磁石につくが、さびやすいので塗装やめっきで守る。
  • アルミニウム:軽くてさびにくい。磁石にはつかない。
  • 銅:電気と熱をよく通す。磁石にはつかない。

テスト前の確認リスト

ここまでの内容を、テスト前の最終確認として5つにまとめました。
どれも「覚えること」と「理由」をセットで言えるかどうかがポイントです。
声に出して言えるか、ノートに何も見ずに書けるかを試してみてください。
1つでも詰まったら、その項目のポイントに戻って読み直せば、短い時間で穴をふさげます。
全部すらすら言えたら、金属の性質の単元は、かなり仕上がっています。

これだけ確かめれば大丈夫
  • 共通の性質:金属光沢・電気を通す・熱を伝える、の3つを何も見ずに言える。
  • 展性と延性:広がるのが展性、伸びるのが延性。例を1つずつ言える。
  • 弾性と塑性:もどるのが弾性、もどらないのが塑性。曲げ加工は塑性だと説明できる。
  • 3つの金属:鉄は磁石につく、アルミニウムは軽い、銅は電気を通す、と言える。
  • 密度の計算:質量=密度×体積で、10立方センチの鉄の質量79gを自分で出せる。

よくある質問

展性と延性を、テストで間違えないコツはありますか

漢字の意味で覚えるのが、いちばん間違えにくい方法です。
「展」は広げる、「延」は伸ばすという意味なので、板や薄い膜の話なら展性、線や糸の話なら延性と考えてください。
アルミホイルや金ぱくは展性、銅線や針金は延性です。
問題文に「たたく」「おす」とあれば展性、「引く」「引っぱる」とあれば延性と、動作の言葉に目をつけるのも有効です。
例を1つずつ書いて頭に入れておくと、迷いにくくなります。
広がる動きと伸びる動きを、手でジェスチャーしながら覚えるのもおすすめです。

アルミニウムや銅は磁石につきますか

つきません。
磁石につく金属の代表は鉄で、アルミニウムや銅は金属でも磁石にはつきません。
電気を通すことと、磁石につくことは別の性質なので、混同しないようにしましょう。
たとえば、銅は電気をよく通しますが、磁石にはつきません。
テストでは「磁石につくか」「電気を通すか」「さびやすいか」と、性質を別々に聞いてくることが多いので、金属ごとに表にして整理しておくと安心です。
鉄、アルミニウム、銅の3つを縦に並べ、横に性質を書いていくだけで、ひっかけ問題にも強くなります。

金属は曲げても元にもどったほうがいいのではないですか

どちらがいいかは、使う目的で決まります。
ばねや金属の定規のように、元にもどってほしい物には弾性が役立ち、板を曲げて部品の形をつくる加工には、塑性が役立ちます。
もし塑性がなければ、曲げた金属は手を離すとまっすぐにもどってしまい、形をつくれません。
反対に、弾性がなければ、ばねはつくれません。
2つの性質は、役割がちがう「どちらも大切な性質」だと考えるとすっきりします。
テストでも「目的に合う性質はどれか」と聞かれたら、使い道から逆算して答えましょう。

おわりに

金属の性質は、用語の数が多く見えますが、動きの言葉で整理すると、じつはすっきりしています。
広がるのが展性、伸びるのが延性、もどるのが弾性、もどらないのが塑性です。
そこに、光る・電気を通す・熱を伝えるという共通点と、鉄・アルミニウム・銅の得意なことを加えれば、テストで問われる内容はほぼカバーできます。
身のまわりの金属を見かけたら、「これは何の性質を使っているかな」と考えてみてください。

展性・延性・弾性・塑性の違いをまとめた図解

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

次回以降も、中学技術の単元をテスト対策つきで解説します。よければチャンネル登録をお願いします。

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