
はじめに
中学技術の電気の学習で、スイッチとリレーは、定期テストにも実習にも出てくる大切な部品です。
スイッチは何となく分かるけれど、リレーになると急に分かりにくくなる、という声をよく聞きます。
それは、リレーが「電気で動くスイッチ」という、少しふしぎな性格を持っているからなんです。
この記事では、まずスイッチの種類と中のしくみをおさらいします。
そのうえで、なぜスイッチだけでは足りない場面があるのか、リレーがそれをどう助けているのかを、順番に整理していきます。
難しい式はほとんど使いません。
図を頭に思い浮かべながら、ゆっくり読み進めてくださいね。
記事の最後には、テスト前に見返せる確認リストと、生徒さんからよく出る質問への答えも用意しました。
動画で解説した内容を、文章でじっくり読み直したいときにも使えます。
それでは、一緒に見ていきましょう。
- スイッチの正体:接点が触れたり離れたりして、電気の通り道を開け閉めする部品です。
- リレーのしくみ:コイルが電磁石になって接点を動かす、電気で動くスイッチです。
- 二つの回路の分け方:小さな電流の制御回路で、大きな電流の負荷回路を入れ切りします。
スイッチとリレーの全体像
今回の学習は、大きく三つの段階に分かれています。
最初は、人が手で動かすスイッチの基本です。
次に、そのスイッチを二つ組み合わせたときの動きを読み取ります。
最後に、スイッチだけでは足りない場面で活躍するリレーを学びます。
スイッチからリレーへ、一本の流れで理解すると、テストでも迷いにくくなります。
- ポイント1 スイッチの基本:役割・種類・接点・常開と常閉をおさえます。
- ポイント2 組み合わせと限界:直列と並列の読み方と、スイッチだけでは足りない場面を学びます。
- ポイント3 リレーのしくみ:中身・動き方・二つの回路・定格を整理します。
ポイント1:スイッチの役割と接点のしくみ
最初のポイントは、スイッチそのものの理解です。
スイッチは電気の通り道を開け閉めする部品で、その正体は「接点」という金属の板でした。
ここをしっかり押さえておくと、あとで学ぶリレーも、同じ考え方で読み解けます。
スイッチの役割と接点のしくみのポイントを紹介します
スイッチは電気の通り道を開け閉めする部品
スイッチは、電気の通り道をつないだり切ったりする部品です。
電気は、電池から出て部品を通り、また電池に戻る輪の形になっているときだけ流れます。
スイッチは、その輪の一か所を、人の手で開けたり閉じたりする入り口の役目をしています。
種類はいろいろあり、押している間だけ入る押しボタン、レバーを倒して切りかえるトグル、つまみを動かすスライド、シーソーのように押すロッカーなどが代表です。
どれも動かし方が違うだけで、中で起きていることは同じなんです。
まずは、スイッチは輪を開け閉めする部品、という一点を押さえましょう。
身近な例で確かめてみましょう。
教室の照明のスイッチは、押すたびに入りと切りが入れかわるタイプです。
ゲーム機のボタンは、押している間だけ反応する押しボタンの仲間です。
テストでは、「押している間だけ入る」「押すたびに切りかわる」といった特徴と、名前を結びつける問題が出ることがあります。
名前だけで覚えるより、家にあるスイッチを思い出しながら覚えるほうが、ずっと忘れにくくなりますよ。
接点が触れて離れるだけで電気は流れて止まる
スイッチの中をのぞくと、金属の板が二枚、向かい合っています。
この触れ合う部分を、接点と呼びます。
接点がくっつくと電気の輪がつながって電流が流れ、離れると輪が切れて電流が止まります。
つまり、スイッチの正体は、接点をくっつけたり離したりする仕組みなんです。
回路の言葉では、接点がくっついた状態を「閉じる」、離れた状態を「開く」といいます。
スイッチを入れる、つまりオンにすることが「閉じる」で、切るオフが「開く」にあたります。
ここは、言葉の向きを間違えやすいところです。
「開く」と聞くと、何となく電気が流れそうな気がしませんか。
でも実際は逆で、接点が開くと道が途切れて、電流は流れません。
跳ね橋が上がって道が開くと、車が渡れなくなるのと同じだと考えると、イメージしやすくなります。
テストの穴埋めで迷ったら、「閉じたら流れる、開いたら止まる」と声に出して確認してみましょう。
常開のa接点と常閉のb接点を見分けるコツ
接点は、何も操作していないときの状態で二つに分けられます。
ふだんは開いていて、押すと閉じるものが常開接点で、a接点とも呼びます。
反対に、ふだんは閉じていて、押すと開くものが常閉接点で、b接点といいます。
押しボタンを押したとき、a接点は電気が流れ始め、b接点は電気が止まります。
動きが正反対になるので、どちらのタイプかを区別することが大切です。
迷ったときは、a接点は押すと「始まる」、b接点は押すと「止まる」と覚えておくと、すぐに判断できます。
b接点は、安全のために使われることが多いタイプです。
たとえば機械の非常停止ボタンは、押すと回路が切れて機械が止まります。
ふだんは閉じて電気を流しておき、いざというときに開いて止める、という使い方です。
こうした使い道とセットで覚えておくと、a接点とb接点の違いが、ただの暗記ではなく、理由のある知識として頭に残ります。
- a接点(常開):ふだんは開いていて、押すと閉じて電流が流れ始めます。
- b接点(常閉):ふだんは閉じていて、押すと開いて電流が止まります。
- 閉じる・開く:閉じたら流れる、開いたら止まる。言葉の向きを確かめましょう。
ポイント2:スイッチの組み合わせと、スイッチだけでは足りない場面
二つ目のポイントは、スイッチを複数つなぐときの読み方です。
つなぎ方が変わると、同じスイッチでも動きが大きく変わります。
そして最後に、スイッチ単独では対応しきれない場面があることを確かめて、リレーへの橋渡しにします。
スイッチの組み合わせと限界のポイントを紹介します
直列は「かつ」、並列は「または」と読む
スイッチを二つ使うときは、つなぎ方で動きが変わります。
直列は、電気の通り道が一本につながっているので、二つとも入れないと電気が流れません。
並列は、通り道が二本に分かれているので、どちらか一つを入れれば電気が流れます。
これを言葉で言いかえると、直列は「Aかつ B」、並列は「Aまたは B」になります。
「かつ」は両方そろったとき、「または」はどちらかがそろったときです。
この言いかえを覚えておくと、回路図を見た瞬間に、動きが予想できるようになりますよ。
身近な例にあてはめてみましょう。
直列の例は、ドアが閉まっていて、しかもボタンを押したときだけ動く機械です。
安全のために、二つの条件を同時に満たさないと動かないようにしてあるんです。
並列の例は、玄関の呼び鈴です。
門の前のボタンでも、玄関のボタンでも、どちらを押しても鳴ります。
このように、目的に合わせてつなぎ方を選ぶのが、設計の考え方です。
例題:スイッチを片方だけ入れるとどうなる
例題で確かめてみましょう。
スイッチが二つ直列につながったランプの回路で、片方だけを入れると、ランプはどうなるでしょうか。
答えは、点きません。
直列は電気の通り道が一本なので、一か所でも開いていると、輪が切れて全体が止まってしまいます。
では、スイッチが二つ並列の回路で、片方だけを入れたらどうでしょう。
こちらは、入れたほうの通り道が使えるので、ランプは点きます。
「輪が切れているかどうか」を目で追うのが、解き方のコツです。
答えだけでなく、理由まで言えるようにしておきましょう。
この種類の問題は、回路図が複雑になっても、考え方は変わりません。
電池のプラスから出発して、指でたどりながら、マイナスまで戻る道が一本でもつながっているかを調べます。
つながる道があればランプは点き、一本も無ければ点きません。
テスト本番でも、まず指でたどってみることを習慣にしておくと、ケアレスミスが大きく減ります。
- 直列は「かつ」:二つとも入れて、はじめて電流が流れます。
- 並列は「または」:どちらか一つを入れれば、電流が流れます。
- 指でたどる:プラスからマイナスまで、切れ目なくつながる道があるかを調べます。
スイッチだけでは足りない三つの場面
ここまでのスイッチは、人が手で入れ切りするものでした。
でも、世の中には、それだけでは足りない場面があります。
一つ目は、モータなど大きな電流を使う機器です。
小さなスイッチで直接入れ切りすると、接点が熱を持って傷んでしまいます。
二つ目は、遠く離れた場所から操作したいときで、長い配線をスイッチの近くまで引くのは大変です。
三つ目は、コンピュータの小さな信号で機器を動かしたいときで、人の手は使えません。
どの場面も、「小さな力で大きな電気を扱いたい」という願いが根っこにあります。
この三つの困りごとを、まとめて解決してくれるのがリレーです。
リレーは、小さな電気の信号を受け取って、大きな電気の流れを入れ切りしてくれます。
人の手のかわりに、電気の信号がスイッチを押してくれる、と考えるとイメージしやすいでしょう。
次のポイントでは、その中身がどうなっているのかを、順番に見ていきます。
スイッチの接点の話が、ここでもう一度出てくるので、復習した内容がそのまま役に立ちますよ。
ポイント3:リレーのしくみと使うときの注意
三つ目のポイントは、今回の主役であるリレーです。
中身は、電磁石と接点という、これまでに学んだ要素の組み合わせでできています。
さらに、二つの回路の分け方と、使うときに確かめる定格まで、一気に整理していきます。
リレーのしくみと使うときの注意のポイントを紹介します
リレーは電磁石の力で接点を動かす部品
リレーの中には、導線を巻いたコイルと、鉄の板、接点、そしてばねが入っています。
コイルに電流を流すと電磁石になって、鉄の板を引き寄せます。
その動きで接点が閉じて、大きな電流の流れる道がつながるんです。
電流を止めると磁力が消え、ばねの力で鉄の板が元の位置に戻り、接点も開きます。
この「流すと動く、止めると戻る」という繰り返しが、リレーの基本の動きです。
つまり、リレーは電気の信号で動くスイッチです。
人の手のかわりに、電磁石が接点を動かしてくれていると考えると分かりやすいですよ。
リレーを動かしたときに聞こえる「カチッ」という小さな音は、鉄の板が引き寄せられて接点が動いた音です。
実習で、リレーを使った回路を動かすと、この音が確かに聞こえます。
音がしたら、リレーが正しく働いている合図になります。
反対に、音がしないときは、コイルに電流が届いていない可能性があるので、配線を順に確かめてみましょう。
音という手がかりがあるのは、リレーの使いやすい点の一つです。
制御回路と負荷回路は電気的に別の回路
リレーを使うと、回路が二つに分かれます。
コイル側の、小さな電流が流れる回路を「制御回路」といいます。
モータなどを動かす、大きな電流が流れる回路を「負荷回路」といいます。
この二つは、リレーの中でつながっているように見えますが、電気的には別々の回路で、電流が行き来することはありません。
弱い信号の側を、強い電気から守れるのも、リレーの大きなメリットです。
テストでは、どちらが制御で、どちらが負荷かを問う形でよく出ます。
見分けるコツは、「何を動かしたいのか」に注目することです。
動かしたい相手、たとえばモータやファンやランプが入っているほうが、負荷回路です。
その相手を動かす合図を送る側、つまりコイルとスイッチが入っているほうが、制御回路です。
負荷という言葉は難しく感じますが、「仕事をさせる相手」という意味だと考えると、すんなり頭に入ります。
- 制御回路:コイルに流す小さな電流の回路で、合図を送る側です。
- 負荷回路:モータやランプなど、大きな電流が流れる、仕事をさせる側です。
- 電気的に別:二つの回路の間を、電流が行き来することはありません。
定格を確かめてから使う|例題と身近なリレー
リレーを選ぶときは、定格を確かめます。
確かめるのは、コイルを動かすための電圧と、接点に流してよい電流の上限の二つです。
電流が接点の定格を超えると、接点が熱で焼けて、くっついたり、動かなくなったりします。
例題です。接点の定格が2アンペアのリレーで、1.5アンペア流れるモータを動かせるでしょうか。
答えは、使えます。流れる電流が定格より小さいからです。
モータが2.5アンペアなら定格を超えるので、使えません。
もう一つ覚えておきたいのは、コイルは電流を切った瞬間に、高い電圧を出すことがあるという点です。
この電圧で周りの部品が壊れないように、ダイオードをつないで守る回路もあります。
リレーは、自動車のライトやホーン、エアコンのような大きな電流の機器の中で、実際に使われています。
実習では、マイコンの小さな信号でファンを動かす場面で活躍します。
定格にゆとりのある部品を選ぶことが、長く安全に使うコツです。
テスト前の確認リスト
ここまでの内容を、テスト前に見返せる形でまとめました。
一つずつ、声に出して言えるかどうかを確かめてみてください。
言葉にできないところが見つかったら、その項目の説明まで戻って読み直しましょう。
全部にチェックがつけば、スイッチとリレーの単元は、ほぼ大丈夫です。
あとは、回路図を見て、指でたどる練習を一度やっておくと、さらに安心できますよ。
- スイッチの正体は、接点が触れたり離れたりして電気の通り道を開け閉めする仕組みだと説明できる。
- 接点が「閉じる」と電流が流れ、「開く」と止まることを、言葉の向きまで正しく言える。
- a接点(常開)とb接点(常閉)の違いを、押したときの動きで説明できる。
- 直列は「かつ」、並列は「または」と言いかえて、回路を読み取れる。
- リレーは電磁石で接点を動かし、制御回路で負荷回路を入れ切りする部品だと説明できる。
よくある質問
リレーとスイッチは何がちがうのですか
違いは、接点を動かす力が手か電気か、という点です。
スイッチは、人の手で接点を動かして回路を開け閉めします。
リレーは、コイルに流した電流が電磁石になり、その力で接点を動かします。
どちらも最後は接点で電気を入れ切りしているので、基本の考え方は同じです。
リレーの強みは、小さな電流の信号で、大きな電流の回路を操作できることと、遠くやコンピュータからでも動かせることです。
「電気で動くスイッチ」と覚えておけば、まず困りません。
a接点とb接点はテストでどう出ますか
多くの場合、「ふだんの状態」と「押したときの動き」の組み合わせを問われます。
ふだんは開いていて、押すと閉じるのがa接点で、常開ともいいます。
ふだんは閉じていて、押すと開くのがb接点で、常閉ともいいます。
名前の漢字とあわせて覚えると、穴埋め問題で迷いません。
また、非常停止ボタンのように、押すと止まる用途にはb接点が使われる、という使い道もセットで覚えておくと、記述問題にも対応できます。
押したら「始まる」のがa、「止まる」のがb、が目印です。
リレーの定格を超えるとどうなりますか
接点が熱を持って傷み、最悪の場合は、くっついたまま離れなくなったり、焼けて壊れたりします。
定格とは、安全に使える電圧や電流の上限のことで、リレーの側面などに数字で書かれています。
モータなどは、動き始めの瞬間に、ふだんより大きな電流が流れることもあります。
そのため、実際に流れる電流より、少し余裕のある定格のリレーを選ぶのが基本です。
実習で部品を選ぶときも、必ず先に定格の数字を見て、確かめてから回路に組み込みましょう。
おわりに
今回は、スイッチとリレーのしくみを整理しました。
スイッチは、接点をくっつけたり離したりして、回路を開け閉めする部品でした。
リレーは、電磁石で接点を動かす部品で、小さな電流の制御回路で、大きな電流の負荷回路を入れ切りします。
この流れがつかめれば、テストでも実習でも、落ち着いて対応できます。
分からなくなったときは、「輪がつながっているか」「どちらが制御で、どちらが負荷か」の二つに戻ってみてください。
一つずつ確かめていけば、必ず答えにたどり着けます。
テスト勉強、応援しています。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。








