中学技術【支柱の立て方と誘引】倒さない・折らないコツをわかりやすく解説

はじめに

技術科の生物育成の授業で、トマトやキュウリを育てていると、気づいたときには茎が倒れていたり、実の重みで折れてしまっていたりすることがありますよね。
支柱をどう立てればいいのか、誘引はどのタイミングでどう結べばいいのか、意外と迷う先生も多いポイントです。
この記事では、支柱の立て方と誘引のやり方を、中学生にもそのまま説明できる形で整理しました。

支柱を立てる基本の手順から、麻ひもを使った八の字結びのコツ、そしてよくある失敗とその対処法まで、実習でそのまま使える内容をまとめています。
この記事を読めば、倒れず折れないじょうぶな作物づくりを、自信を持って生徒に伝えられるようになりますよ。

支柱を立てる・誘引の全体像

支柱の立て方と誘引は、大きく3つの手順で進みます。
まず支柱をまっすぐに立てること、次に麻ひもで茎を結ぶ誘引を行うこと、そして倒れたり折れたりしたときの対処を知っておくことです。
この3つの手順を順番に押さえれば、実習でも迷わず指導できますよ。

支柱と誘引の3つの手順
  • 支柱を立てる:定植と同時に、深さ15センチから20センチでまっすぐさし込みます。
  • 誘引する:麻ひもの八の字結びで、ゆとりを持たせて茎を支えます。
  • 見直す:1週間に1回を目安に、結び直して倒れを防ぎます。

ポイント1:支柱を立てる

支柱を立てる作業は、誘引よりも前に行う、いちばん最初の工程です。
ここでの立て方が甘いと、あとでどれだけ丁寧に誘引しても、株ごと倒れてしまうことがあります。
支柱は「深さ」「位置」「向き」の3つを意識して立てることが、いちばんのポイントです。

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支柱を立てるポイントを紹介します

なぜ支柱が必要になるのか

トマトやキュウリのように、生長すると背が高くなる作物は、実がついて重くなると、自分の茎だけでは体を支えきれなくなってしまいます。
支えがないまま育てていると、実の重みで茎がしなったり、強い風にあおられて根元がぐらついたりして、株全体が倒れてしまうことがあるんです。
倒れた株は葉やつるが重なって日光が当たりにくくなるだけでなく、実に土や泥がついて病気の原因になることもあります。
だからこそ、支柱を使って早めにしっかり支えておくことが、じょうぶな株を育てるうえで欠かせないんですよ。

特に授業でよく聞かれるのが、支柱を立てるタイミングです。
大きくなってから慌てて支柱を立てようとすると、根の近くに支柱をさし込むことになり、根を切ってしまうことがあります。
定植と同時に支柱を立てておけば、根を傷めずに、生長に合わせて誘引していくことができますよ。

支柱を立てるときの3つの基本

支柱を立てるときに意識したいのは、深さ・位置・向きの3つです。
深さは地面から15センチから20センチほどしっかりさし込むことで、風が吹いてもぐらつかない安定した土台をつくることができます。
位置は株のすぐわきではなく、少しはなして立てることがポイントです。株の近すぎる位置に支柱を立ててしまうと、地中に広がっている根を傷めてしまうからです。
向きはまっすぐ垂直に。ななめに立ててしまうと、生長するにつれて重さのバランスが崩れやすくなります。

この3つを守るだけで、支柱はぐっと安定します。
特に深さは、ついつい浅くなりがちなので、さし込んだあとに軽く支柱をゆすってみて、ぐらつかないか確認する習慣をつけるとよいですよ。
実習では、生徒に実際にゆすってもらって「ぐらつかない」を体感させると、理解が深まります。

支柱の本数を計算してみよう

支柱は何本用意すればよいか、実は簡単な計算で求めることができます。
うねの長さを支柱の間隔で割って、両はしの分として1を足すのが基本の考え方です。
たとえばうねの長さが150センチで、支柱の間隔を30センチにするなら、150割る30で5、そこに1を足して6本の支柱が必要になると分かります。
この計算のしかたを覚えておけば、間隔を変えるだけでどんなうねの長さにもそのまま応用できて、材料の準備で困ることが減りますよ。
実際の現場ではうねのはしに支柱を立てにくいこともあるので、少し内側にずらして調整することもあります。

この計算は、材料の準備段階でとても役立ちます。
本数が足りずに実習の途中で買い足す、というようなことを防げますし、生徒にとっても算数の考え方が技術科の実習に活きる、よい体験になりますよ。

うねに立てられた支柱と誘引された茎の列

支柱を立てる作業は、どんな支柱をいくつ用意するかまで栽培計画の段階で決めておくと、実習当日にあわてずに済みます。

ポイント2:誘引のやり方

支柱が立ったら、次は茎を支柱に結びつける誘引です。
誘引は一度やって終わりではなく、生長に合わせて何度も結び直していく作業になります。
結び方とタイミングを覚えれば、誘引はそれほど難しい作業ではありません。

HeatKeep

誘引のやり方のポイントを紹介します

誘引とはどんな作業か

誘引というのは、伸びてきた茎を、ひもを使って支柱にやさしく結びつけていく作業のことです。
植物は支柱を立てただけでは自分からくっついてくれないので、人の手でそっと寄せて結んであげる必要があります。
特に実が重くなる前の早い段階で、倒れやすい方向をあらかじめ支えておくと、風や実の重みに負けにくい、じょうぶな株に育っていきます。
誘引をきちんと行うかどうかで、その後の生長の安定感が大きく変わってくるんですよ。特にトマトのような実の重い野菜では、この誘引がなければ収穫まで持たずに倒れてしまうことも珍しくありません。

誘引をしないままにしておくと、茎が自分の重みで倒れて、地面に近い部分から折れてしまうことがあります。
だからこそ、支柱を立てたらできるだけ早いタイミングで、最初の誘引をしておくことが大切なんですよ。

麻ひもと八の字結びの基本

誘引に使うひもは、使い終わったあとに土にかえる麻ひもを使うのが基本です。
結び方は、支柱と茎の間に8の字を描くように結ぶ「八の字結び」がよく使われます。
茎と支柱を同じ輪でひとまとめに縛ってしまうと、茎が生長したときにしめつけてしまうため、8の字にすることで支柱側と茎側にそれぞれゆとりのある輪をつくることができるんです。
このひと工夫だけで、茎を傷めてしまうリスクをぐっと減らすことができますよ。麻ひも以外にビニールタイを使う方法もありますが、実習で扱いやすく環境にもやさしいのは麻ひものほうです。

結ぶ位置は、茎の節のすぐ下あたりが目安です。
節の部分は強度があるので、そこを支点にすると、風が吹いても茎がずれにくくなります。
初めて結ぶときは、生徒同士でゆるみ具合を確認し合うと、感覚がつかみやすいですよ。

誘引の頻度と気をつけたいこと

誘引は、一度結んだら終わりではなく、伸びる速さに合わせてこまめに行うのがコツです。
目安として、1週間に1回ほど様子を見て、必要があれば結び直すとよいでしょう。
いちばん気をつけたいのは、ひもをきつく結びすぎないことです。
茎はこれからもどんどん太くなっていくので、生長するぶんのゆとりを残しておかないと、ひもが茎に食い込んで、生育を妨げてしまうことがあるんですよ。見回りを後回しにしてしまうと、気づいたときには茎がずいぶん伸びていて、結び直す作業がかえって大変になってしまいます。

逆に、ゆるすぎても茎がずれて支柱からはずれてしまいます。
「軽く指が1本入るくらいのゆとり」を目安にすると、生徒にも伝えやすい感覚になりますよ。

麻ひもで茎を八の字に結んで誘引する教師の手元

誘引は地味な作業に見えますが、ここでの丁寧さが、そのあとの収穫の見極めにも影響してきます。
倒れずまっすぐ育った株ほど、実の状態を観察しやすくなるからです。

ポイント3:よくある失敗と対処

支柱と誘引の基本が分かっていても、実習では失敗がつきものです。
ここでは、よくある失敗のパターンと、そのときの対処法を紹介します。
失敗しても対処法を知っていれば、あわてずに立て直すことができます。

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よくある失敗と対処のポイントを紹介します

誘引をサボるとどうなるか

誘引をサボってしまうと、茎が自分の重みに耐えられず倒れて、地面についてしまうことがあります。
地面に近づいた実は、土や泥がつきやすくなり、病気の原因になることも少なくありません。
さらに倒れたまま放置してしまうと、茎が折れ曲がった部分から水分や養分の流れが悪くなり、株全体が弱って、最悪の場合は枯れてしまうこともあるんです。
早めの誘引が、いちばんの予防になりますよ。特に梅雨や台風の時期は、この傾向がいっそう強くなるので、天気予報を見ながらの見回りが欠かせません。

「まだ大丈夫」と思って先延ばしにするほど、立て直すのが大変になっていきます。
気づいたときにすぐ結び直す、この習慣が何よりの予防になりますよ。

折れた茎はどう手当てすればよいか

茎が完全に折れていなければ、あわてずにテープや添え木で固定してみましょう。
折れかけた部分をそっと元の位置に戻し、園芸用のテープでやさしく巻いて固定すると、そのまま生長を続けられることがあります。
添え木を使うときは、折れた部分をはさむように短い棒を当てて、上からひもでゆるく留めるのがコツです。
応急処置がうまくいけば、茎はまた自分の力で育っていきますよ。見た目にはつながっていても内部の組織が傷んでいることもあるので、数日は無理をさせずに様子を見守りましょう。

折れた直後は株が弱っているので、水やりは控えめにして負担をかけないようにするのもコツです。
数日ようすを見て、しおれが進むようなら、無理に生かそうとせず新しい苗に切り替える判断も必要になります。

強風や整枝とのつながり

強い風が来る前には、支柱の結び目がゆるんでいないか、必ずチェックしておきましょう。
ぐらつく支柱は深くさし直し、背の高い株は早めに誘引しておくと安心です。
あわせて、わき芽をかいて形を整える「整枝」を誘引とセットで行うと、主枝が1本にしぼられて誘引する茎の数も減るため、日々の管理がぐっとらくになります。
強風の予報が出たら、前日のうちに見回っておくとよいですよ。特に実がつき始めてから背が伸びる時期は株全体が重くなるため、風への備えをふだん以上に意識しておきたいところです。

整枝と誘引を同じタイミングで見回る習慣をつけておくと、株の様子にも早く気づけるようになります。
倒れる・折れるの多くは、この見回りのひと手間で防げるものなんですよ。

摘芯とわき芽かきで整枝している様子

じょうぶに育った株は、収穫の時期を見極めるときにも観察しやすくなります。

テスト前の確認リスト

支柱と誘引は、数字と結び方の名前がテストで問われやすい単元です。
ここまでの内容を、テスト前にさっと見直せる形でリストにしました。
言葉だけでなく、なぜその数字・その結び方になるのかもあわせて確認しておくと、応用問題にも対応しやすくなりますよ。

  • 支柱をさし込む深さは15センチから20センチ。
  • 誘引に使うひもは、土にかえる麻ひも。
  • 誘引の結び方は「八の字結び」で、茎と支柱の両方にゆとりを持たせる。
  • 誘引を見直す頻度の目安は1週間に1回。
  • わき芽をかいて形を整える作業を「整枝」という。

よくある質問

支柱はどのタイミングで立てればいいですか

結論から言うと、苗を植える定植と同時に立てるのが基本です。
大きくなってから支柱を立てようとすると、地面の中で広がった根の近くに支柱をさし込むことになり、根を切ってしまうおそれがあります。
定植のタイミングで一緒に立てておけば、根を傷めずに、その後の生長に合わせて誘引を進めていくことができます。
準備の段階から必要な支柱の本数を数えて用意しておくと、実習当日の作業もスムーズに進みますよ。この考え方は、他の作物の支柱を立てるときにも共通して使えるので、あわせて覚えておくと役立ちます。

誘引と整枝はどうちがいますか

結論から言うと、誘引は「支柱に結んで支える作業」、整枝は「わき芽をかいて形を整える作業」で、目的がちがいます。
誘引は株が倒れないように支える役目を持ち、整枝は栄養を主枝に集中させて実つきをよくする役目を持っています。
この2つはセットで行われることが多く、主枝を1本にしぼって整枝しておくと、誘引する茎の本数も減って、日々の管理がしやすくなります。
どちらも生長のペースに合わせて、こまめに行うのがポイントです。実習の計画を立てるときも、誘引と整枝は同じ日にまとめて行うと効率よく作業を進められます。

ひもをきつく結んでしまったらどうなりますか

結論から言うと、茎が太くなったときにひもが食い込んでしまい、その部分から水分や養分の流れが悪くなってしまいます。
気づいたら、すぐにひもをほどいて、ゆとりを持たせてやさしく結び直しましょう。
食い込みがひどい場合は、その部分がへこんだり変色したりすることもあるので、誘引のたびに結び目をやさしく指で確認する習慣をつけておくと安心です。
「軽く指が1本入るくらいのゆとり」を、毎回の結ぶときの目安にしてくださいね。特に生長が早い時期は数日でひもが食い込み始めることもあるため、こまめな見回りがなにより大切です。

おわりに

支柱の立て方と誘引は、地味に見えて、その後の生長を大きく左右する作業です。
深さ・位置・向きを守って支柱を立て、麻ひもの八の字結びでゆとりを持たせて誘引し、1週間に1回のペースで見直していく。
この3つの手順さえ押さえておけば、倒れず折れない、じょうぶな作物づくりにつながっていきますよ。

支柱の立て方と誘引3つのポイントのまとめ図

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

中学技術【支柱の立て方と誘引】倒さない・折らないコツをわかりやすく解説

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