中学技術【のみの使い方】ほぞ穴のほり方と刃裏・両手の構えをわかりやすく解説

はじめに

木工の実習で、こんな場面はありませんか。
ほぞ穴をほったのに、線の外までえぐれてしまった。
ほぞを差しこんだら、ぐらぐらで止まらない。
のこぎりやげんのうは練習するのに、のみだけは「なんとなく」で使っている人が、じつはとても多いんです。

のみには、はっきりしたこつがあります。
それは、刃裏という平らな面をどちらに向けるか、ただそれだけなんですよ。
向きを一つ変えるだけで、同じ人が同じ力でほっても、仕上がりがまるで変わります。

この記事では、まずのみという道具の構造を確かめます。
次に、ほぞ穴をほる六つの手順を順番にたどります。
最後に、安全な構えと、失敗したときの直し方、片づけまで進みます。
途中には例題を二つ置きました。
のみの幅を決める問題と、けがき線の位置を出す問題です。
どちらも定期テストで問われやすい形なので、手を止めてノートに書きながら読んでみてくださいね。
授業を休んでしまった人も、この記事だけで追いつけるように書いています。

のみの使い方を3つの順で整理する

この単元は、「知る」「ほる」「守る」の三つに分けると、一気に見通しがよくなります。
一つ目は、知る。
のみの各部の名前と、いちばん大事な刃裏のはたらきです。
二つ目は、ほる。
けがきから、固定、ほり進め、合わせまでの六つの手順を順番に踏みます。
三つ目は、守る。
両手の構え、失敗したときの直し方、そして片づけまでです。
この順で追いかけると、力まかせだった作業が、理由のある手順に変わっていきますよ。

今日おさえる3つのこと
  • ポイント1:のみは「刃裏」で決まる:平らな刃裏を、仕上げたい面に向けて当てます。
  • ポイント2:ほぞ穴をほる6つの手順:けがき、固定、刃の向き、たたく、さらう、合わせる。
  • ポイント3:安全な構えと直し方:刃の進む先に手を置かない。削りすぎは戻せません。

ポイント1:のみは「刃裏」で決まる

まずは、のみという道具そのものをつかみましょう。
ここが分かると、あとの六つの手順が、すべてこの上に乗ってきます。
のみでいちばん大事なのは、刃先ではなく刃裏です。

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のみは「刃裏」で決まるのポイントを紹介します

のみは、何をする道具か

のこぎりは切る道具、げんのうは打つ道具です。
では、のみは何をする道具でしょうか。
答えは、ほる道具です。
木をほって穴をあけたり、角をけずってさらったり、面を平らに整えたりします。
木工室の工具の中で、これだけが「取り去って形を作る」役目を持っているんですよ。
とくに出番が多いのが、ほぞ穴をあける場面です。
ドリルであけた丸い穴を、四角く整えるのものみの仕事になります。
作品がぴったり組み上がるかどうかは、ここでの正確さで決まるといってもいいくらいなんです。
刃物としては小さいのに、仕上がりへの影響はいちばん大きい道具なんですよ。

ほり上げた四角いほぞ穴と、そのそばに置かれたのみが並び、のみが何をする道具かが分かる図

各部の名前と、刃裏の役割

名前を先に覚えてしまいましょう。
刃のついた金属の部分を穂、その穂から細くのびて柄に差しこまれている部分をこみといいます。
柄の頭にはまっている金属の輪は、かつらです。
げんのうでたたいたときに、柄が割れて広がるのを防いでくれています。
そして本題が刃裏です。
刃の裏側にある、平らにみがかれた面のことなんですよ。
のみの刃は、片側だけが斜めにけずられた形をしています。
だから斜めの面を材料に向けると、その傾きに押されて刃が横へ逃げていきます。
反対に、平らな刃裏を材料に向けると、その面が定規のはたらきをして、まっすぐ平らに進んでくれるんです。

たたきのみと突きのみの使い分け

学校の木工室でよく見るのみは、大きく二つに分かれます。
一つ目が、たたきのみです。
柄が太くて短く、頭にかつらがついていて、げんのうで打って使います。
深いほぞ穴を一気にほり進めるのは、こちらの役目ですね。
二つ目が、突きのみです。
柄が細長く、たたかずに手で押して、うすくけずります。
仕上げに向いていて、底や側面を平らに整えるときに使いますよ。
つまり、荒くほるのはたたきのみ、最後の一皮を整えるのは突きのみ、という分担なんです。
同じ穴でも、途中で持ちかえるのが上級者の使い方なんですよ。

のみの構造でおさえること
  • のみは「ほる」道具:穴をあけ、角をさらい、面を整えます。接合部の精度を決める道具です。
  • 刃裏が定規になる:平らな面を材料に向けるとまっすぐ進み、斜めの面を向けると横へ逃げます。
  • たたきのみと突きのみ:荒くほるのは打って使う方、仕上げは手で押す方。途中で持ちかえます。

ポイント2:ほぞ穴をほる6つの手順

ここからが本題です。
ほぞ穴づくりは、勘や力の世界ではありません。
けがき、固定、刃の向き、たたく、さらう、合わせる。この六つを順番に踏むだけです。

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ほぞ穴をほる6つの手順のポイントを紹介します

例題1:のみの幅を決める

最初に決めるのは、どののみを使うかです。
ほぞの厚さには目安があって、材の厚さのおよそ三分の一とされています。
細すぎると折れ、太すぎると相手の材が割れてしまうからですね。
では例題です。
厚さ三十ミリメートルの角材にほぞ穴をあけます。
何ミリメートル幅ののみを選べばよいでしょうか。
ノートに書いてみてください。
答えは、三十わる三で十ミリメートルですね。
ここで大切なのは、ほぞ穴の幅と、のみの幅をそろえることです。
細いのみで何度もずらしてほると、そのたびに向きが少しずつ変わり、穴の幅がふぞろいになってしまうんですよ。

けがきと固定と、例題2:中心の出し方

次はけがきです。
さしがねと小刀で、仕上がりの線を細く一本だけ引きます。
線が太いと、どこまでほるのか迷ってしまうからですね。
ここで二つ目の例題です。
厚さ三十ミリメートルの材の中心に、幅十ミリメートルのほぞ穴をあけます。
木口の端から何ミリメートルの位置に線を引くでしょうか。
三十から十を引いて二十、それを二で割って、答えは十ミリメートルですね。
けがきが終わったら固定です。
万力やクランプでしっかり止め、下に当て木を敷きます。
材料が動くと、線からずれるだけでなく、刃がすべって危ないんですよ。

材料を作業台に固定し、けがきを終えて道具をそろえた実習前の準備の場面の図

刃の向き、たたき方、そして深さの確かめ方

いよいよほり始めます。
まず刃の向きです。
平らな刃裏を、残したい側、つまり仕上がりの面へ向けて、刃を垂直に立てて当てます。
逆に向けると、斜めの面に押されて、線の外までえぐれてしまうんですよ。
失敗がいちばん多いのが、ここです。
次にたたき方です。
いきなり深くほらず、真ん中あたりから二、三ミリメートルずつ、げんのうで軽く小刻みに打ちます。
強く打つと、刃が食いこみすぎて木が割れてしまいます。
ある程度ほれたら、削りくずをかき出します。
くずが残ると、深さも底の様子も分からないからです。
深さはさしがねを差しこんで測り、最後に突きのみで底と側面を平らに整えます。

6つの手順でおさえること
  • 幅と位置は計算で出す:ほぞの厚さは材の厚さの1/3。30mmの材なら10mm幅ののみを選びます。
  • けがきは細く、固定はしっかり:線は一本だけ。万力やクランプで止め、下に当て木を敷きます。
  • 刃裏を残す側へ、2〜3mmずつ:軽く小刻みに打ち、くずをさらって深さをさしがねで測ります。

ポイント3:安全な構えと、失敗したときの直し方

最後は、体の使い方と後始末の話です。
のみは小さくても、よく切れる刃物ですからね。
約束はたった一つ、刃の進む先に手を置かないこと。これだけ守れば、けがはほとんど防げます。

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安全な構えと、失敗したときの直し方のポイントを紹介します

両手の構えと、体の向き

構えから確かめましょう。
たたきのみでほるときは、利き手にげんのうを持ち、もう一方の手で柄を上から握ります。
握った手の役目は、刃を垂直に保つことです。
突きのみで仕上げるときは、利き手で柄の後ろを押し、もう一方の手を穂の横に軽く添えて向きを導きます。
どちらの場合も、添える手は刃の進む先ではなく、必ず横に置いてください。
体は材料の正面に立ち、まっすぐのぞきこめる高さにします。
横からのぞくと、刃が垂直かどうかを見あやまるからですね。
けがが起きるのは、たいてい刃がすべった瞬間です。
そのとき切るのは、動かしている手ではなく、支えている側の手なんですよ。

たたきのみの柄を片手で上から握り、もう一方の手のげんのうで打っている手元の図

よくある失敗と、その直し方

起きやすい失敗を三つ挙げます。
一つ目は、線の外までえぐれてしまうこと。
原因はほとんどが刃裏の向きです。
次からは向きを直し、えぐれた所は、ほぞ側を少し太めに作って合わせます。
二つ目は、材が割れてしまうこと。
げんのうを強く打ちすぎたか、木目に逆らって進めた場合が多いです。
打つ力を半分にして、少しずつ進めてみてください。
三つ目は、ほぞがぐらつくこと。
穴をほりすぎた状態ですね。
うすい木の板をはさんで調整します。
そして大原則が一つ。
けずりすぎた分は、元に戻せません。
だから、かたいかなと思うくらいで一度止めて、合わせながら少しずつ進めるのが確実なんです。

手入れと片づけまでが「使い方」

使い終わったら、そこで終わりではありません。
まず、刃についた木くずややにを、乾いた布でふき取ります。
ぬれたまま置くと、次の時間にはさびが出てしまうからです。
さびた刃は切れないだけでなく、余計な力が必要になって、かえって危ないんですよ。
次に、刃カバーをつけます。
むき出しのまま引き出しに入れると、刃先が欠けますし、取り出すときに手を切ります。
そして、決められた収納ラックの、決められた場所へ返しましょう。
次に使う人が、どののみがどこにあるかをすぐ分かる状態にしておく。
ここまで含めて、のみの使い方なんです。

安全と片づけでおさえること
  • 刃の進む先に手を置かない:打つ手と柄を持つ手を分け、添える手は刃の横へ。体は材料の正面に置きます。
  • 削りすぎは元に戻せない:かたいかなと思うくらいで止め、合わせながら少しずつ削ります。
  • ふいて、カバーして、返す:木くずとやにをふき取り、刃カバーをつけて決めた場所へ戻します。

おわりに

今日たどってきたのは、のみの構造と刃裏、ほぞ穴をほる六つの手順、そして安全な構えと片づけの三つでした。
平らな刃裏を仕上げたい面に向ける。
けがきをして、固定して、少しずつほる。
そして、刃の進む先に手を置かない。
この三つを覚えておけば、のみはこわい道具ではなく、いちばん頼りになる道具に変わりますよ。

最後に一つだけお願いです。
記事の中に出てきた例題を、もう一度自分の言葉で確かめてみてください。
厚さ三十ミリメートルの角材には、何ミリメートル幅ののみを選ぶのでしたか。
その穴を中心にあけるとき、端から何ミリメートルの位置にけがくのでしたか。
読んで分かった気になるのと、自分で説明できるのとでは、テストでの手ごたえがまるで変わりますよ。

のみの各部と刃裏の役割、幅と位置の決め方、ほる6つの手順、安全な構えと片づけをまとめた図

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

中学技術【のみの使い方】ほぞ穴のほり方と刃裏・両手の構えをわかりやすく解説

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