学級経営で挑戦するクラスを作る方法

はじめに

学級経営は、生徒の成長と学習環境の向上において極めて重要な役割を果たします。
しかし、現代の教室では、生徒のモチベーションを維持し、高い目標に向かって挑戦する意欲を引き出すことが一層難しくなっています。
この記事では、学級経営の中で「挑戦するクラス」を作るための具体的な方法について探ります。

こんな生徒に

今日、国語の授業で3回発言をすることができました。
もともと私は発言するのがとても苦手で小学校のときなんか、ほとんど手を挙げないで、本当にごくたまにだけ手を挙げているという感じでした。
ですが、中学校に入ってからは、手を挙げる回数が増えました。今では、ほとんどの授業で発言をすることができます。
そういう面では自分も少し成長したかなと思います。
しかも、最初のころは成績を上げるためだけでやっていましたが、今では、その他にも発言をするのが楽しいからというものもあります。
誰も手を挙げていないときや、手を挙げる人が少ないときにテンションが上がります。
それで、先生に当てられないと悲しくなりますが、当てられるとものすごくうれしいです。
これから先、また手を挙げられるようにしっかり勉強についていきたいと思います。
そして、これから先、今まで以上にたくさん手を挙げて発言をすることができるようにしていきたいと思います。
何よりも、今の「発言が楽しい」という考えを忘れないようにしていきたいと思います。

生徒の日記

年度末に書かれた生徒の日記です。
一年間の成長をうかがい知ることができるでしょう。

何度も「挑戦」について語り合った結果です。

日常の小さなことでも、教師がその価値を認め、挑戦した勇気をたたえ続けていきたいですね。

生徒への語り

怯えや不安に打ち勝つために

挑戦と感性が心に深みをつくる

自信をつけさせるために伝えたい言葉

若いうちに多くの挑戦をして経験を積んでおこう

成功するか失敗するか分からないが挑戦は成長を手に入れる

不幸があるから幸せになれる

行動や挑戦で得られるメリット

若い頃にやっておいた方がよいこと

かっこよくて魅力的な人の特徴

チャレンジするために背中を押す話

挑戦できる失敗についての考え方

挑戦したくても一歩踏みとどまってしまうあなたへ

建設的なフィードバックの提供

ポジティブなフィードバック

フィードバックは生徒の成長にとって欠かせない要素です。
特に、ポジティブなフィードバックは生徒の自信を高め、モチベーションを維持するのに役立ちます。
生徒が努力をしたときや進歩を見せたときには、その努力を認め、称賛することが重要です。

具体的なフィードバックの方法

例えば、「今回のテストで前回よりも5点上がったね。
特に、算数の問題に対する取り組みが素晴らしかったです」といった具体的なフィードバックを提供することで、生徒は自分の努力がどのように評価されているかを理解しやすくなります。

協力的な学習環境の構築

グループ活動の導入

協力的な学習環境を作るためには、グループ活動やプロジェクトベースの学習を導入することが有効です。
これにより、生徒同士のコミュニケーションや協力が促進され、互いに助け合いながら学ぶ環境が整います。

成功事例の共有

例えば、あるクラスではグループごとに課題を設定し、その達成状況をクラス全体で共有することで、成功体験を他の生徒と共有し、互いに刺激を受けることができます。

成功体験を積ませるためには、生徒の成長が必要不可欠です。
以下は、合唱コンクールに向けて書いた生徒の日記です。

これまであまり深く考えたことはなかったけれど、今回自分なりに「楽しい」について考えてみました。
私が思う「楽しい」は、一つの形だけではないように思います。

たとえば、友達と話したり遊んだりして感じる楽しさ。
自分の好きなことをしているときの楽しさ。
部活や勉強で苦手なことが少しずつできるようになっていく喜び。
そして、自分の限界を超えられるかもしれないという挑戦の楽しさ。
こうしたさまざまな「楽しい」があると思います。
「楽しい」と一言で言っても、その意味や感じ方は人それぞれです。

今回、合唱コンクールに向けてみんなと一緒に取り組む楽しさについて考えてみました。
私にとっての楽しさは、一つの目標に向かってみんなで力を合わせ、協力しながら頑張ることで生まれるものだと思います。
特に、最優秀賞を目指して努力している過程で自然と湧き上がってくる「楽しい」という気持ちです。

ただ、「最優秀賞を獲ることより、楽しいが一番」という考え方もあるようで、そこに少し疑問を感じています。
なぜ最優秀賞を取ることを優先しないのか、なぜ目標に向かって全力を尽くす楽しさを感じないのか、私にはその理由がまだよく分かりません。

だからこそ、今日の話し合いでは、自分が抱いている疑問を率直に聞いてみたいと思います。
そして、自分の意見もしっかり伝えて、みんなが同じ目標に向かって一緒に頑張れるようにしたいです。

最終的には、合唱コンクールの練習を通じて「本当に頑張ったな」「一緒にやれて楽しかったな」と思えるような、そんな充実したコンクールにしたいです。

生徒の日記

合唱コンクールの指導については、以下の投稿をご覧ください。

生徒の自己効力感を高める方法

小さな成功体験の積み重ね

自己効力感を高めるためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
生徒が達成可能な小さな目標を設定し、それを達成することで自己効力感を高めます。

以下のような生徒の日記を学級通信に掲載することも効果的です。

1組は、いろいろな先生方から「よく発言するクラスだね」と言われます。
もちろん、それぞれの生徒が個人で意識している部分もありますが、特に毎回手を挙げて発言しているのが◯〇くんと〇〇くんです。
二人の意見にはいつも感心させられることが多く、その発言をきっかけに話題が広がったり、彼らの姿に影響されて他の生徒も手を挙げようと頑張ったりしています。
こうした1組の良さは、普段の授業の中でよく見られます。

特に、どのクラスよりも発言回数が多いのは、クラスを引っ張ってくれる人がいるおかげだと思います。
こうした姿勢がクラス全体を良い方向に導いているのはとても素晴らしいことです。

また、4時間目の授業では、授業終了が少し遅れ、給食の準備開始が3、4分遅れてしまいました。
それでも、みんな一人ひとりが時計を見て、急がなければならないという意識を持っている様子が伝わってきました。
その中で、特に〇〇くんと〇〇くんが声を出して、クラス全体を動かしてくれました。
そして、その声に応じて5、6人がさらに周りに声をかけ、クラス全体で協力して行動することができました。

結果的に、最初に遅れてしまったにもかかわらず、昨日よりも3分早く給食の準備を終えることができました。
これは、給食委員と〇〇くん、〇〇くんのおかげだと思います。
それでも、まだ先生から注意されることがあるのは事実です。
しかし、それは決して〇〇くん一人のせいではありません。

明日からは、私ももっと声を出して、みんなで協力して完璧な準備を目指したいと思います。

生徒の日記

自己評価の導入

また、生徒自身が自己評価を行うことで、自分の成長を実感しやすくなります。
自己評価シートを使って、学習の振り返りを行うことで、生徒は自分の強みや課題を把握し、次に向けての意欲を高めることができます。

おわりに

学級経営において、生徒が挑戦する意欲を引き出すことは教員にとって大きな課題です。
しかし、効果的な目標設定、建設的なフィードバックの提供、協力的な学習環境の構築、生徒の自己効力感を高める方法を実践することで、生徒の学習意欲を向上させ、クラス全体の学力向上を実現することができます。
この記事で紹介した方法を取り入れて、挑戦するクラスを作り上げてください。

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