ひと皮むける合唱コンクールに

はじめに

合唱コンクールは、生徒一人ひとりが力を合わせ、共に成長する場です。
実際、合唱の完成度は学級の日常生活の質と密接に関係しています。
仲間と信頼し合い、日頃から一緒に努力している学級は、目標達成に向けた練習の質も高くなり、素晴らしい合唱を作り上げることができます。
一方で、普段から信頼や協力が欠けている学級では、練習の密度も低くなりがちです。
そのため、合唱コンクールの成功の鍵は、まず日常生活の質を高めることにあるのです。

日常生活の積み重ねが合唱の質を左右する

合唱は「練習をすればするほど上達する」という単純な原則に基づいていますが、質の高い練習が行えるかどうかは、学級内の信頼関係や日頃の生活態度にかかっています。
たとえば、学級で共通の目標に向かって努力する経験を積んでいないと、合唱の練習もすぐにモチベーションが低下し、練習自体も形だけになりがちです。
普段から給食の準備や掃除、忘れ物防止といったことに一致団結して取り組んできた学級は、目標達成に対する粘り強さや連帯感が養われているため、合唱練習においても真剣に取り組みやすくなります。

信頼関係が築かれた学級が成長する理由

合唱コンクールの練習では、「あの子は練習しないかも…」という不安がなく、仲間全員を信頼できる状態が理想です。
信頼がある学級では、たとえ「家で練習をしてきて」と声をかけても仲間がやってこないのではと疑うこともなく、学級全体で前向きな雰囲気が育ちます。
しかし、日常生活で信頼が築けていない場合には、言うだけで行動に移せない学級になりがちです。
この状態では、どれほど目標を掲げても練習の質が上がることは難しいでしょう。

学級の中で「表面だけの関係」が続くと、大きな目標が現れたときに仲間の力を発揮できなくなり、合唱の練習も一時的で浅いものになってしまいます。
だからこそ、合唱の成功のためには、まず仲間との信頼関係を深め、日常生活から協力して取り組む習慣を身につけることが大切です。

学級でリーダーシップを発揮するための勇気

合唱コンクールでは、周りをリードする存在も重要です。
自分を守るだけでなく、「正しい」と感じることを行動に移し、必要であれば本音をぶつけられる「嫌われる勇気」を持ったリーダーシップこそ、学級全体を成長させる原動力となります。
本音を言うことは簡単ではありませんが、学級全体がまとまるために必要な要素であり、それがあるからこそ、困難に対しても乗り越えていけるのです。

生徒へ伝えた言葉

合唱コンクール。
学級の力が試される行事です。
仲間を信頼していたり、日常の質を高めていたりする学級がよりよい合唱をつくりあげます。
以前も伝えましたが、合唱がうまいかへたかは練習量の違いです。
合唱は練習をすればするほど上達します。
密度の濃い練習ができるかが合唱の質を決めるのです。
力のない学級は、「目標達成」を貫き通すことができません。
「家で練習をしてきてよ」と学級に投げかけても、あの子は練習しないだろうなと、仲間に対する信頼感がないことが原因です。
信頼関係がさらに崩れてくると、「練習してきてね」と伝えたとしてもどうせやってこないだろうなと、仲間に大切なことを伝えることすらだんだんしなくなります。
そして、信頼関係がない関係のことを表面だけの関係と言います。
表面だけの関係は、壁がないところでは仲良くしているように見えますが、大きな壁が表れたときに簡単に崩れさります。
信頼関係を築くことができない学級の練習の質は低いものです。
だから、信頼関係を築くことができない表面だけの学級は質の高い合唱をつくりあげることはできません。

また、仲間と共に努力する経験が少なかった学級は、質の高い練習は長続きしません。
2,3日経てばレベルの低い状態にすぐに戻されてしまいます。

給食の準備を早くしようと学級で一致団結して頑張ってきた学級は強いです。

掃除を一生懸命頑張ろうと仲間と一緒に取り組んできた学級は強いです。

忘れ物をしないようにと仲間に呼びかけたり、仲間の思いに応えたりしてきた学級は強いです。

仲間と共通の目標に向かって努力してきた学級の努力は長続きするものです。

口だけかっこいいことを言って、行動に移してこなかった学級は簡単に練習のレベルを下げます。
気分に流され目標達成ができるときもあればできなかったときがある学級は、合唱コンクールの練習もいい加減なものとなります。
だから、日常の質が高さによって合唱の質は決まるのです。

行事はあなたたちを成長させるためにあります。
もしかしたら上記のことは、一人ひとりの捉え方によって様々でしょう。
理想が高い心ある人は、全くできていなかった思うのかもしれません・・・
しかし、例え上記のことができていなかったと思ったとしても、この機会に成長すればよいのです。
それが、合唱コンクールです。
さらに一皮むける合唱コンクールにしてくださいね。

生徒のコメント

最近、1組では少し忘れ物が多いように感じます。
私も時々忘れ物をしてしまうので、強く言える立場ではないのですが、特に同じ人が何度も忘れ物をしているのが目立っていると思いました。
日常のこういった面は、〇〇さんも言っていましたが、合唱コンクールにもつながってくると思います。

〇〇さんが帰りの会で話してくれたように、給食の準備が遅れているのは、「言うだけで、行動に移せていない人がいるから」という意見に、私も本当にその通りだと感じました。
私自身も、行動に移せていないところがあるし、〇〇さんのようにみんなに本音をぶつけることができていないと反省しています。

先生が学級通信に書いてくれていましたが、周りの様子をうかがって自分を守るリーダーでは、クラスを引っ張ることはできないと思います。
自分が「正しい」と思うことをしっかりと行動に移し、本音をぶつけられること、そして「嫌われる勇気」を持っている人こそ、良いリーダーだと感じます。

私はまだ自分の殻を破れていませんが、憧れているリーダーは〇〇くんや〇〇さん、そして〇〇さんです。彼らのように、みんなが「ついていきたい」と思えるリーダーになれるよう、これから頑張っていきたいです。

生徒の日記

今日、先生のお話を聞いて、いろいろなことを考えました。
私たちの練習は、以前より良くなっていると思います。
でも、先生が言っていたように「最優秀賞を取るための練習」とはまだ違うと感じました。
給食の準備についても、もっと速くできると思います。
2年1組なら、さらに頑張れるはずです!
そう信じています。
合唱コンクールで良い結果を出すためには、こういった日常の行動がとても大切です。

「1組はもっと練習を頑張らないといけない」と感じている人は多いと思います。私もその一人です。
これから、さらに良いクラスにしていけるように、みんなで力を合わせて頑張っていきたいです。

生徒の日記

おわりに

合唱コンクールは、生徒一人ひとりの成長の場でもあります。
普段から仲間と共に目標を達成しようと努力し続けることが、合唱での成功につながります。
日々の小さな努力や挑戦が、クラスの一体感を生み出し、ひと皮むけた合唱コンクールへとつながっていくのです。
この機会に、日常生活やクラスメートとの関わり方を見直し、仲間と共に成長する合唱コンクールを目指しましょう。

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