三者面談の準備と話し方3つ|中学校の担任が面談前にやる事前連絡・アンケート

はじめに

三者面談の日程表が配られると、なんだか胸のあたりが重くなる。
何を話せばいいのか、保護者にどう思われるのか、考え始めると止まらなくなる。
そんな経験は、ありませんか。

実は私にも、面談のたびに胃が痛くなる時期がありました。
若いころ、面談の最初に成績表を広げて点数の説明から入ったところ、保護者の表情がみるみるかたくなり、最後まで話がかみ合わなかったことがあります。
あとから振り返ると、原因は私の話し方だけではありませんでした。保護者が「今日は何を言われるのだろう」と身構えたまま、席についていたことでした。

三者面談は、当日の話し方よりも、始まる前の二週間の準備で半分決まります。
この記事では、中学校の担任が面談の前にやっておきたい三つの準備を、そのまま使える言い回しつきでお伝えします。
特別な資料も、話術もいりません。今日から少しずつ始められることばかりです。

この記事で分かること
  • 面談の二週間前に、保護者へ何をどう連絡しておけばよいか
  • 事前アンケートで、保護者の心配ごとを先に聞く方法
  • 最初の3分の座り方・第一声・話す順番の決め方

三者面談の前にやる3つの準備

準備は三つです。
一つ目は、面談の前に保護者と一度つながっておくこと。二つ目は、保護者の心配ごとを先に聞いておくこと。三つ目は、最初の三分を決めておくことです。
どれも面談の日より前に、先生の手で用意できることばかりで、当日の話術に自信がなくても使えます。
一つずつ、具体的な場面と言い回しを交えて見ていきましょう。

3つのポイント
  • ポイント1:事前に一度つながる:悪い知らせではない連絡を、面談の2週間前に一本。
  • ポイント2:心配ごとを先に聞く:3つの質問だけの小さな用紙で、本音を集める。
  • ポイント3:最初の3分を決める:座り方・第一声・話す順番を前日に用意する。

ポイント1:三者面談の前に、事前連絡で保護者と一度つながる

一つ目は、面談の前に、保護者と一度つながっておくことです。
面談を「初めての会話」にせず、「二回目の会話」にしておく。
これだけで、当日の席の空気が変わります。

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事前に一度つながるポイントを紹介します

なぜ面談の前に連絡を入れておくのか

保護者にとって、学校からの連絡は「何かあったのかな」と身構えるものになりがちです。
連絡が来るのは、欠席や忘れ物、トラブルのときが多いからです。
この印象を抱えたまま三者面談の席につくと、先生が何を話しても、どこかで叱られる準備をしながら聞くことになります。
だからこそ、面談の二週間ほど前に、悪い知らせではない連絡を一本入れておきます。
それだけで、当日の席に座る保護者の肩の力は、ずいぶん違ってきます。
学校からの連絡には良いものもあると知ってもらう、最初の一歩になります。

やりがちなのが「良いことも、面談で初めて話そう」と考えてしまうことです。
でも保護者は、当日まで「今日は悪い話だろう」と思って来ています。良い話は、当日より前に届けておくほうが、ずっと効きます。

伝えるのは、子どもの具体的な場面を一つだけ

連絡の中身は、子どもの具体的な場面を一つだけにします。
「よく頑張っています」のような全体への評価ではなく、「先日、配り物を黙って手伝ってくれて助かりました」のように、見たままを短く伝えます。
具体的な場面は、先生がその子をきちんと見ている証拠として、保護者に伝わります。
電話でも連絡帳でも構いません。大げさな言葉も、長い文章もいりません。ほんの二、三文で足ります。
その子の名前を出して一場面を伝えると、保護者は自分の子が教室でたしかに見てもらえていると実感できます。

机に向かって保護者への連絡内容を考える先生

書きながら、頼みごとや心配ごとを混ぜないのがコツです。
「〜もしてほしいのですが」と添えたくなる気持ちはよく分かりますが、それは面談で伝えれば間に合います。
最後は「面談でお会いできるのを楽しみにしています」と添える。それだけで、良い連絡として受け取ってもらえます。

全員は無理でも、身構えていそうな家庭から

クラス全員に連絡するのは、時間的に難しいですよね。
無理をすると続かないので、一日二本までと決めておきます。二週間あれば、平日だけでも二十本近く届きます。
順番は、少し身構えていそうなご家庭から。欠席が続いた子、最近トラブルがあった子、提出物が遅れがちな子の家庭などです。
こうしたご家庭ほど、学校からの連絡に緊張しやすいからです。先に温めておく順番を、あらかじめ決めておきましょう。
連絡の順番を決めておけば、毎日の迷いも減って、気持ちにも余裕が生まれます。続けやすい形が、いちばんのコツです。

連絡した内容は、名簿に一言だけメモしておきます。
「9/28 電話・配り物の手伝い」くらいで構いません。面談の冒頭で「先日お電話したとおり…」と話し始められるので、会話がつながりやすくなります。
連絡の抜けも防げるので、記録は面談当日の自分を助けてくれます。

面談前の連絡、3つの約束
  • 一本=一場面:子どもの具体的な場面を、見たままひとつだけ伝える。
  • 悪い知らせは混ぜない:頼みごとや心配は、面談の席まで取っておく。
  • 記録は一言:名簿に日付と内容をメモして、当日の冒頭で使う。

面談前の連絡は、二週間かけてゆっくり進めるもの。
完璧に全員へ届けることより、「学校からの連絡には良いものもある」と感じてもらえるご家庭を、一つずつ増やしていくことを目標にしてみてください。

ポイント2:面談前アンケートで、保護者の心配ごとを先に聞く

二つ目は、保護者の心配ごとを、面談の前に聞いておくことです。
先生が話す時間より、保護者が話せる時間を先に確保する。
そのための道具が、小さな一枚の用紙です。

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心配ごとを先に聞くポイントを紹介します

保護者の心配ごとは、当日より前に聞いておく

保護者は、家で気になっていることや、学校に聞いておきたいことを、それぞれ抱えて面談に来ます。
それなのに、先生が用意した話だけが進んでいくと、保護者は肝心なことを聞けないまま、時間切れになってしまいます。
逆に、当日の冒頭で「何か聞きたいことはありますか」と初めて尋ねても、急には言葉が出てきません。
心配ごとは、事前に書いてもらうほうが、本音に近いことが出てきます。先生にとっても、当日話す順番を前もって考えておけます。
お互いに準備ができた状態で席につけるのが、いちばんの利点です。

面談が終わったあとに、保護者から「実は、聞きたかったことがあって」と言われた経験はありませんか。
あれは保護者が遠慮したのではなく、聞くための入り口が用意されていなかっただけです。
事前の一枚は、その入り口の役割を果たしてくれます。

質問は3つだけ、書くのは一言でいい

事前アンケートは、B5の半分ほどの小さな用紙で足ります。
質問は三つだけにします。一つ目は「家での様子で、気になっていること」、二つ目は「学校に聞いておきたいこと」、三つ目は「お子さんのよいところ」です。
三つ目を入れるだけで、書く保護者の気持ちがやわらぎます。悩みを書かされる用紙ではなく、わが子を語る用紙になるからです。
記入は一言で構いません。空欄でも責めないことを、最初に伝えておきます。
書くのが負担にならないよう、〇をつけるだけの欄を一つ添えても構いません。

保護者の話に耳を傾けながら相談する先生

三つ目の「よいところ」は、面談の冒頭でそのまま使える材料になります。
「ご家庭で書いてくださった『困っている子をほうっておけない』という姿、教室でも同じ場面を見ましたよ」と返すだけで、保護者は「ちゃんと見てもらえている」と感じます。
ほめる材料を、保護者自身に教えてもらう。これは私が何度も助けられた方法です。

返ってきた用紙は、読んで終わりにしない

用紙が返ってきたら、読んで終わりにせず、気になる点に印をつけておきます。
そのうえで、その一言に対する最初の返事を、面談の前に考えておきましょう。「心配されている点は、私も同じところを見ていました」のように、共感から入る一文があるだけで、場の空気が整います。
すべての答えを用意する必要はありません。答えが出ない話は「一緒に考えさせてください」で構いません。先生が一人で抱えない姿勢も、保護者には伝わります。
面談の前に返事の出だしだけ決めておくと、当日あわてずに済みます。

空欄のまま出したご家庭や、提出がなかったご家庭もあります。
それは、話したいことがないのではなく、書きにくかっただけかもしれません。当日は、先生のほうから「ご家庭ではいかがですか」と、ゆっくり聞いてみてください。
書けなかった理由を聞き出そうとせず、話せる入り口を作ることを優先します。

事前アンケートの3つの質問
  • 家での様子:気になっていることを、ひとことだけ書いてもらう。
  • 学校に聞きたいこと:当日に聞きそびれないよう、先に書いてもらう。
  • お子さんのよいところ:面談の冒頭で、そのまま使える材料にする。

アンケートは、保護者を調べるためのものではなく、保護者と話す準備のためのものです。
その気持ちで用紙を配ると、言葉づかいも自然にやわらかくなり、返ってくる内容も変わります。

ポイント3:三者面談の最初の3分と、話す順番を決めておく

三つ目は、最初の三分を決めておくことです。
面談は、はじめの三分で場の空気がほぼ決まります。
ここを当日のアドリブにしないだけで、先生の気持ちがぐっと楽になります。

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最初の3分を決めておくポイントを紹介します

最初の3分が、面談全体の空気を決める

面談は、はじめの三分で場の空気がほぼ決まります。
ここで保護者が「今日は受け入れてもらえる」と感じれば、そのあとの難しい話も、きちんと聞いてもらえます。反対に、最初の三分で身構えさせてしまうと、あとから取り戻すのはなかなか大変です。
この三分を当日のアドリブにしないことが、先生にとってのいちばんの安心になります。
決めておくのは、座り方、第一声、話す順番の三つ。前日に五分あれば用意できます。
準備の量は少なくても、あるとないとでは、当日の落ち着きがまったく違います。

私が失敗したのは、成績表を最初に広げたときでした。
資料は、机の上に出した瞬間から「評価される」という空気をつくります。最初は何も広げず、まず顔を見て話す。資料は、途中で必要になったときに出せば間に合います。

座り方と第一声で、安心をつくる

座り方は、保護者と向かい合わず、机の角をはさんで斜めに座ります。
正面から向き合うと、どうしても「面接」のような空気になるからです。椅子の向きを少しずらすだけで、同じ側から子どもを見ている「チーム」の距離感になります。
第一声は、お礼から始めます。「お忙しい中、来てくださってありがとうございます」。その次に、その子のよいところを一つ。点数や課題の話は、そのあとです。
この順番を守るだけで、保護者は「まず、うちの子を見てくれている」と受け取ってくれます。笑顔は無理につくらず、落ち着いた声を心がけましょう。

面談の前日に、話す順番を書き出して準備する先生

緊張して声が上ずる日もあります。
そんなときは、最初の一文だけを丸ごと覚えておくと、そこから自然に会話に入れます。
完璧な話し方は必要ありません。保護者が最初に確かめたいのは、先生の話のうまさではなく「うちの子は、ここで受け入れられているか」ということです。

話す順番は「よさ・様子・これから」で固定する

話す順番は、一に、よいところ。二に、今の様子と課題。三に、これから一緒にできること、と固定しておきます。
課題だけで話を終えてしまうと、保護者は不安を抱えたまま帰ることになります。必ず「これから」で締めて、前向きな気持ちで席を立ってもらいます。
順番が決まっていれば、話が長くなったり、途中で何を話しているのか分からなくなったりすることも減ります。先生自身の気持ちも、ぐっと落ち着きます。
迷ったら「よさ・様子・これから」と、三つの言葉だけをメモに書いて持っていきましょう。

終わりには、家でも学校でも試せる小さな約束を、一つだけ決めます。
「まずは朝、提出物のかごに出すところから」のように、小さくて、すぐできることがいいです。
そして面談の翌日に、お礼の連絡を一本。ここまでで、一つの面談がきれいに完成します。

最初の3分で決めておく3つ
  • 座り方:机の角をはさんで斜めに座り、同じ側から子どもを見る。
  • 第一声:お礼から始めて、その子のよいところを最初に一つ話す。
  • 順番:よいところ、今の様子と課題、これから、の順で固定する。

準備は、前日の五分で足ります。
座る位置を決め、第一声を声に出して一度言ってみて、話す順番をメモに三行書く。それだけで、当日の朝の気持ちがずいぶん違います。

明日の確認リスト

ここまで読んで、「全部やらなければ」と思う必要はありません。
面談までまだ日があるなら、明日の教室で、次のことだけ確かめてみてください。
どれも、その日のうちに一つずつ確かめられることばかりです。
一つ動かすだけで、面談に向かう気持ちは、少し軽くなります。

明日、教室でここだけ見る
  • 日程表:面談の日程から二週間さかのぼり、連絡を始める日を手帳に書く。
  • 連絡先:今日、教室で「よい場面」を見た子を一人思い出し、名簿に印をつける。
  • 用紙:3つの質問だけの小さな用紙を、白紙で一枚作ってみる。
  • 第一声:「来てくださってありがとうございます」を、声に出して一度言ってみる。
明日の一歩を、もう少し楽にする

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よくある質問

事前連絡は、全員にしないと不公平になりませんか

全員に同じ回数でなくても、大丈夫です。
事前連絡の目的は、保護者を平等に扱うことよりも、面談の席で身構えてしまいそうなご家庭の緊張を、先にほぐしておくことにあります。そのため、一日二本までと決めて、優先順位をつけて進めて構いません。
ほかのご家庭にも、面談の冒頭で「いつもお世話になっています」と、良い場面の話から入れば十分届きます。全員にできなかったと落ち込むより、できた家庭が増えたことを大切にしてください。
一人ひとりに丁寧に向き合おうとする姿勢は、きちんと伝わります。

事前アンケートを出してくれない家庭には、どうすればいいですか

催促はせず、そのまま面談に進んで大丈夫です。
出さなかったのは、関心がないからではなく、忙しかったり、何を書けばいいのか迷ったりしただけのことが多いからです。
当日は、先生のほうから「ご家庭では、いかがですか」と、ゆっくり尋ねてみてください。一言でも話してくれたら、そこから会話が広がります。
無理に聞き出そうとせず、待つ時間も大切にしてください。書かなかったことを責めない先生の姿は、保護者の印象にも残ります。
出す出さないを評価の材料にしないことが、保護者との関係を守るいちばんの近道です。

成績が心配な子の保護者には、最初からその話をするべきですか

最初からは、おすすめしません。
まずは、その子のよいところを一つ話し、そのあとに課題を具体的に伝える順番にします。先に課題から入ると、保護者は身構えたまま、そのあとの話が頭に入らなくなるからです。
課題は避けずに、事実を短く、必ず伝えます。ただし、伝えたあとは「これから一緒にできること」を一つだけ添えて締めます。課題と、次の一歩を、必ずセットで話すことが大切です。
面談の終わりに保護者が「聞いてもらえた」と感じられるかどうかは、この順番で大きく変わります。まずは一つだけ、試してみてください。

おわりに

三者面談は、先生が評価を伝える時間ではなく、保護者と先生が、子どもを一緒に支えるチームになる時間です。
そのための準備は、面談の前に一度つながる、心配ごとを先に聞く、最初の三分を決めておく、の三つでした。
どれも小さなことですが、積み重ねると、保護者は「身構える人」から「一緒に考える人」に変わっていきます。
三つ全部を完璧にやろうとしなくて大丈夫です。まずは、よい場面を見つけた子のご家庭に、連絡を一本だけ入れてみてください。

三者面談の前にやる3つの準備のまとめ図

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

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