はじめに
依存行動は、成長期の生徒が抱えるストレスや不安から生じる行動です。ゲームやスマートフォン、特定のものにのめり込む背景には、現実のつらさから逃れたい心理があり、依存が長期化すると他の問題行動にもつながりかねません。この記事では、依存行動が起こる原因と、それを改善するための具体的なかかわり方を解説します。
原因
依存行動には、自己抑制力の弱さや、目の前の現実から逃避したい気持ちが関係しています。
例:孤立感や疎外感を埋めるための依存
生徒が「自分には友達がいない」「誰も自分を理解してくれない」と感じると、孤立感や不安感を抱え、それを埋めるために依存行動に走ることがあります。スマートフォンやゲームの世界で過ごすことで現実を忘れられるため、どんどんのめり込み、抜け出せなくなります。
かかわりかた
小さな約束を通じて自己管理力を高める
依存行動から抜け出すためには、「できること」から始める小さな約束を交わし、それを守る体験を積み重ねることが大切です。
-
具体例①:スマートフォン使用時間の制限
いきなり厳しい制限をかけるのではなく、「今日は20分だけ短くしよう」など小さな目標から始めます。そして、「約束守れてすごいね、頑張れたね」とその都度褒め、できた喜びを一緒に感じます。成功体験が積み重なることで、生徒は自信を持ちやすくなります。 -
具体例②:依存から離れる時間を増やす
依存対象から一時的に距離を取れる時間を少しずつ増やしていきます。「今日は夕飯の後にゲームをする」など時間を決め、夕飯中には家族と話す時間を持たせるなど、依存行動以外の行動を少しずつ取り入れます。
孤立感を和らげるコミュニケーション
依存行動の原因には、孤独感が関係しているため、周囲が積極的にコミュニケーションを取り、孤独感を和らげることが重要です。
-
具体例①:定期的な声かけ
たとえば、「最近どう?」と気軽に声をかける習慣をつけ、日常的な話題でコミュニケーションを取ります。最初は反応が薄くても、日々続けることで「いつでも話しかけてくれる人がいる」という安心感が生徒に伝わります。 -
具体例②:一緒に活動する機会をつくる
家庭では、簡単な手伝いを一緒にしてみるのも良いでしょう。たとえば、「料理の盛り付けを手伝ってくれる?」と軽く頼み、一緒に家事をする時間を通じて、生徒が「自分も必要とされている」と感じるきっかけを与えます。
おわりに
依存行動を改善するには、急激な制限を設けるのではなく、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。日常のコミュニケーションを通じて孤立感を減らし、依存に頼らなくても大丈夫という安心感を持てるよう支援していきましょう。焦らず、一緒に前進する姿勢が鍵となります。