中学技術【テスタの使い方】電圧・抵抗・導通の測り方とレンジの選び方をわかりやすく解説

はじめに

技術室の引き出しから、テスタを一台わたされる。
つまみを回すと、数字と記号がぐるりと並んでいる。
どこに合わせればいいのか分からず、手が止まってしまった。
そんな経験はありませんか。

テスタは、電気の実習でいちばん出番の多い道具です。
それなのに、使い方を教わる時間はあまり長くありません。
気がつくと、となりの人の見よう見まねで測っていた、ということも多いですよね。
でも、テスタでつまずくところは、実はそれほど多くないんです。
測る前にレンジを選ぶこと、電圧と抵抗で測り方がちがうこと。
この二つをおさえるだけで、ぐっと使えるようになりますよ。

この記事では、まずテスタのしくみと、測る前の準備を整理します。
次に、直流電圧の測り方と抵抗の測り方を、はっきり分けて見ていきます。
最後に、導通チェックを使って、光らない基板の原因を探す手順を確かめます。
途中には例題を二つ置きました。
レンジを選ぶ問題と、光らないLEDを調べる問題です。
どちらも実習でそのまま出てくる場面なので、ぜひ手を止めて、ノートに書きながら読んでみてくださいね。
授業を休んでしまった人も、この記事だけで追いつけるように書きました。

テスタの使い方を3つの手順で整理する

この単元は、「準備」「測る」「調べる」の3つに分けると、一気に見通しがよくなります。
一つ目は準備。
テスタで何ができるかを知り、テスト棒を正しく差し、レンジを選ぶところまでです。
二つ目は測ること。
直流電圧と抵抗では、つなぎ方も、電源を入れるかどうかもちがいます。
三つ目は調べること。
導通チェックを使えば、目で追いにくい不良も音で見つけられます。
この順番で追いかけると、実習で手が止まらなくなりますよ。

今日おさえる3つのこと
  • ポイント1:しくみと測る前の準備:測れるのは主に電圧・抵抗・導通の3つ。レンジ選びが最初の山です。
  • ポイント2:直流電圧と抵抗の測り方:電圧は回路をつないだまま、抵抗は電源を切ってから測ります。
  • ポイント3:導通チェックで不良を見つける:つながっていれば音が鳴る。不良の場所がはっきりします。

ポイント1:テスタのしくみと測る前の準備

まずは、テスタがどんな道具なのかをつかむところから始めましょう。
ここを飛ばして測り始めると、数値が読めても意味が分からなくなってしまいます。
テスタは、目に見えない電気のようすを数値に変えて見せてくれる道具です。

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テスタのしくみと測る前の準備のポイントを紹介します

テスタで測れるのは主に3つ

テスタは、正式には回路計といいます。
電圧や抵抗など、何種類もの測定を一台でこなせる道具です。
電気は目に見えませんよね。
そのようすを数値に変えて見せてくれるのが、テスタの役目なんですよ。
中学の実習で使うのは、主に三つです。
電池や回路にかかっている直流電圧、部品がもっている抵抗の大きさ、そして電気の通り道がつながっているかを調べる導通チェック。
電流も測れますが、つなぎ方がまったく別で危険もあるので、まずはこの三つを確実にできるようにしましょう。
テスタが読めるようになると、回路の中で起きていることを、自分の目で確かめられるようになりますよ。

はんだごてやニッパーなど、電気の実習で使う工具を並べた作業台

アナログ式とデジタル式、テスト棒の差し方

テスタには、針が振れるアナログ式と、数字が出るデジタル式があります。
数値を読むだけならデジタル式がかんたんです。
でも、じわじわ変わっていくようすは、針のほうが見やすいんですよ。
どちらを使うときも、本体の真ん中にある切りかえつまみが出発点になります。
何を測るかと、どのくらいの範囲で測るかを、ここで決めるからです。
テスト棒は、黒をコムと書かれた穴に、赤をその隣の穴に差します。
この差しかたは、電圧を測るときも抵抗を測るときも変わりません。
まず差し場所を確かめる。
それが、測り始める前の第一歩になります。

レンジは測りたい数値より一つ上を選ぶ

レンジというのは、測れる範囲のことです。
ここがテスタでいちばんつまずくところですね。
選び方の基本は、これから測る数値の見当をつけて、その数値より一つ上の範囲に合わせることです。
乾電池を一本測るなら、電圧はおよそ1.5ボルトですから、10ボルトの範囲がぴったり収まります。
では、見当がつかないときはどうするか。
いちばん大きいレンジから始めて、数値が小さすぎたら一段ずつ下げていきましょう。
小さいレンジでいきなり大きな電圧を測ると、テスタをこわしてしまうことがあるからです。
迷ったら大きい方から。
この順番だけは、必ず守ってくださいね。

測る前におさえること
  • 測れるのは主に3つ:直流電圧、抵抗、導通チェック。電流はつなぎ方が別なので、ここでは扱いません。
  • テスト棒の差し場所:黒はコムと書かれた穴、赤はその隣の穴。測るものが変わっても同じです。
  • レンジは一つ上から:見当をつけて一つ上の範囲へ。分からなければ最大から一段ずつ下げます。

ポイント2:直流電圧と抵抗の測り方

ここからが本番です。
電圧と抵抗は、同じテスタで測るのに、やり方がまるでちがいます。
電圧は電源を入れたまま、抵抗は電源を切ってから。ここを取りちがえないことが何より大切です。

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直流電圧と抵抗の測り方のポイントを紹介します

電圧は回路をつないだまま両はしに当てる

直流電圧を測るときは、切りかえつまみを直流電圧に合わせます。
そのうえで、測りたい部分の両はしに、外からそっとテスト棒を当てます。
これが並列につなぐということですね。
回路はつないだまま、電池や豆電球の両はしに当てるだけでよいんです。
回路を切ったり、線を外したりする必要はありません。
もう一つ、直流には向きがあります。
赤の棒をプラス側、黒の棒をマイナス側に当てるのが基本です。
逆に当てると、数値の前にマイナスがついて表示されます。
こわれたわけではないので、落ち着いて当てなおせば大丈夫ですよ。

抵抗は電源を切ってから測る

抵抗を測るときは、まず電源を切ります。
電池を使っているなら、電池そのものを外してください。
ここが電圧のときと決定的にちがうところです。
なぜなら、テスタは自分から小さな電流を流して、その流れにくさから抵抗を調べているからです。
回路の電池が生きていると、外からの電流が混ざってしまい、正しい数値になりません。
アナログ式のテスタでは、測る前に赤と黒の先どうしを当てて、針をゼロに合わせます。
これをゼロオーム調整といいます。
ここをそろえておかないと、読み取った数値がまるごとずれてしまうので、ひと手間かけておきましょう。

基板に差しこまれたカラーコード付きの抵抗器

抵抗測定でよくある二つの失敗

抵抗の測定には、よくある失敗が二つあります。
一つ目は、部品を回路につないだまま測ってしまうこと。
こうすると、電流がほかの部品を通る道もできてしまい、本当の数値より小さく出てしまいます。
片側の足を外してから測るのが基本です。
二つ目は、部品の両はしを指でつまんでしまうこと。
人の体にもわずかに電流が流れるので、これも数値をずらす原因になります。
部品はテスト棒で押さえるか、クリップではさんで持ちましょう。
読み取った数値は、抵抗器のカラーコードと見くらべてみてください。
合っていれば、測り方も正しかったという確かめになりますよ。

電圧と抵抗のちがい
  • 電圧は通電したまま:回路はつないだままで、測りたい部分の両はしに外から当てます。赤がプラス側です。
  • 抵抗は電源を切ってから:テスタが自分で電流を流すため、回路の電池が生きていると正しく測れません。
  • 抵抗は片側を外す:つないだままだとほかの道を電流が通り、本当より小さい数値が出てしまいます。

ポイント3:導通チェックで不良を見つける

最後は、実習でいちばん助けられる使い方です。
組み立てたのに動かないとき、テスタは原因を探す相棒になってくれます。
導通チェックを覚えると、「どこが悪いのか分からない」がなくなります。

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導通チェックで不良を見つけるのポイントを紹介します

つながっているかを音で確かめる

導通チェックは、電気の通り道がつながっているかどうかを調べる使い方です。
切りかえつまみを導通のしるしに合わせ、調べたい部分の両はしにテスト棒を当てます。
つながっていればブザーが鳴り、切れていれば鳴りません。
音で分かるので、手元から目を離さずに調べられるのがよいところです。
抵抗を測るときと同じで、必ず電源を切ってから使ってください。
はんだ付けした所は、見た目では判断しにくいですよね。
つやがあって形が整っていても、中でくっついていないことがあります。
そこを音で確かめられるのが、この使い方のいちばんの強みなんですよ。

部品をはんだ付けした基板の裏面。接合部が並んでいる

光らない基板を調べる手順

組み立てたのにLEDが光らない。
実習でいちばんよく起こる場面ですね。
そんなときは、まず電源を切ります。
そして導通チェックに合わせ、はんだ付けしたつなぎ目を一か所ずつ当てて回っていきます。
鳴らない所が見つかったら、そこが切れているか、はんだが届いていない所です。
直す場所がはっきりしますね。
全部鳴るのに光らないときは、電源を入れて直流電圧を測ってみましょう。
部品まで電圧が来ているかどうかで、原因を絞りこめます。
LEDの向きがちがっているだけ、ということも意外と多いんですよ。

使い終わりの後始末まで

測り終わったら、後始末まででひとそろいです。
切りかえつまみは、電源を切る位置か、直流電圧のいちばん大きいレンジに戻しておきます。
抵抗のレンジのまま棚に戻すと、次に使う人がそのまま電圧を測ってしまうことがあるからです。
テスト棒は、先を曲げないようにまとめて片づけます。
細い線が中で切れると、鳴るはずの所で鳴らなくなり、原因を探す手がかりが減ってしまいます。
長い休みの前など、しばらく使わないときは電池を出しておきましょう。
道具を大切にあつかうことが、正しく測る力につながっていきますよ。

導通チェックでおさえること
  • 音でつながりを見る:電源を切って両はしに当て、鳴れば通っている、鳴らなければ切れています。
  • つなぎ目を一周する:はんだ付けした所を一か所ずつ当てて回れば、直す場所がはっきりします。
  • 後始末までが実習:つまみは電源オフか電圧の最大へ。テスト棒は先を曲げずに片づけます。

おわりに

今日たどってきたのは、測る前の準備、電圧と抵抗の測り方、そして導通チェックの3つでした。
いちばんの山だったレンジは、測る数値より一つ上を選ぶ、迷ったら大きい方から。
電圧は回路をつないだまま両はしに当て、抵抗は電源を切って片側を外してから測る。
導通チェックは、音で不良の場所を教えてくれる。
この順番さえ思い出せれば、テスタの前で手が止まることはなくなりますよ。

最後に一つだけお願いです。
記事の中に出てきた例題を、もう一度ノートで確かめてみてください。
乾電池を一本測るとき、10ボルトと1000ボルトのどちらを選ぶでしょうか。
光らないLEDの基板は、電源を切るところから、どんな順番で調べるでしょうか。
読んで分かった気になるのと、自分の手で測れるのとでは、実習での手ごたえがまるで変わりますよ。

テスタで測れる3つ、レンジの選び方、電圧と抵抗の測り方のちがい、導通チェックと後始末をまとめた図

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

中学技術【テスタの使い方】電圧・抵抗・導通の測り方とレンジの選び方をわかりやすく解説

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