リーダーを育てる学級経営の秘訣

はじめに

学級運営において、リーダーを育てるためには、リーダーシップを発揮する生徒だけでなく、そのリーダーを支える仲間の存在も非常に重要です。
しかし、リーダーを支える役割を果たす生徒たちの重要性は、しばしば見落とされがちです。

この記事では、リーダー以外の仲間としての生徒をどのようにサポートし、彼らがリーダーシップを尊重しつつも、自らの役割を理解し、クラス全体の成功に貢献できる環境を作るための具体的な方法を紹介します。
これにより、生徒たちがリーダーを支えながら自らも成長し、健全でバランスの取れた学級づくりを目指すことができます。

リーダーを選出するときにする語り

リーダーに立候補するには、大きな勇気が必要です。
自ら困難な道に進む覚悟が求められます。

そのため、教師が事前に生徒に働きかけないと、リーダーに立候補する人が限られてしまうかもしれません。
最悪の場合、誰もリーダーに立候補しないという状況も考えられます。

では、リーダーを選ぶ前に、生徒たちにどのようなことを伝えるべきでしょうか。

リーダーを決める前に語りたいポイント

担任が全力でサポートすること
学級リーダーの指示は、担任の指示であるということ

の2点です。

リーダーへ立候補する生徒へのアプローチと、フォロワーとなる学級全体へのアプローチが必要になります。

また、前日に挑戦することのメリットを伝えておくと、生徒たちも心構えを持った状態でリーダー決めの当日を迎えることができるでしょう。

チームとしての協力を促進する

リーダーをサポートする仲間たちは、リーダーシップに対して協力的な姿勢を持つことが求められます。
しかし、ただ指示を受けるだけではなく、自分たちの役割を理解し、積極的にリーダーを補完する力が必要です。
教師としては、以下のような方法で、リーダーシップと協力のバランスを学級全体に浸透させることが大切です。

役割分担を明確にする

リーダーシップを持つ生徒だけでなく、クラス全員がそれぞれの役割を与えましょう。
各生徒に責任ある役割を与え、それがチーム全体にどのように貢献するかを理解させることで、生徒たちは自分の存在意義を感じることができます。
役割分担をはっきりさせることで、クラス内での協力関係が強化され、リーダーに過度な負担がかかることも防げます。

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委員会で行っている活動を、各学級の係として落とし込むことで、クラス全員に役割を与えることができますよ

コミュニケーションスキルの向上

リーダーを支えるためには、効果的なコミュニケーションが欠かせません。
生徒たちが自分の意見を尊重しつつも、リーダーの指示を理解し、建設的な返答をしていくことが大切です。

リーダーを補完する役割を育てる

リーダーがクラスを率いるとき、その周囲にいる生徒たちがリーダーをどのように支えるかが、学級全体の成功に大きく影響します。
リーダー以外の仲間としての役割を果たすことが、単なるサポート役にとどまらず、積極的な貢献者であることを生徒に教える必要があります。

多様な役割を認める

リーダーシップが目立つ役割であっても、それ以外の役割も学級の運営において同じくらい重要です。
教師は、リーダー以外の生徒が担う役割を認識し、その重要性を生徒全体に理解させることが必要です。

サポート役のリーダーシップを強化する

リーダーシップは必ずしも表に立つ役割だけではありません。
サポート役にもリーダーシップが求められる場面が多々あります。
たとえば、意見が対立した際に仲裁役として動く、リーダーが見逃した部分を補完するなど、クラス全体の調和を保つための「裏方」のリーダーシップが必要です。
教師は、リーダーをサポートする生徒たちに対してもリーダーシップを発揮できる場面を与えることで、彼らの成長を促します。

生徒同士の信頼関係を築く

クラス全体がリーダーシップに協力的であるためには、生徒同士が強い信頼関係を築いていることが不可欠です。信頼がなければ、リーダーとそれを支える仲間たちの関係は表面的なものになり、協力的な学級運営が困難になります。

グループ活動の導入

生徒同士の信頼を深めるために、定期的なグループ活動を取り入れることが効果的です。
たとえば、グループでの共同作業やゲームを通じて、自然とお互いを理解し、尊重し合う機会を増やすことができます。
これにより、生徒たちはリーダーだけでなく、仲間同士でも支え合う意識が育まれます。

互いの強みを尊重する文化の醸成

リーダーを支える生徒たちが意識すべきは、互いの強みを尊重し合うことです。
教師は生徒一人ひとりの特性を把握し、彼らが自分の強みを発揮できるようサポートすることが求められます。
リーダーシップを発揮する者がいる一方で、他の生徒が持つコミュニケーション力や問題解決力がチームにとって重要な役割を果たすことを理解させましょう。
これにより、生徒同士の尊重と協力が深まります。

リーダーシップとフォロワーシップのバランス

リーダーが指導者として活躍する一方で、リーダーを支える生徒たちが効果的にフォロワーシップ(リーダーを支える力)を発揮することも重要です。
教師としては、このリーダーシップとフォロワーシップのバランスを意識させることで、学級全体の調和を図ることができます。

フォロワーシップの価値を教える

フォロワーシップとは、リーダーの指示にただ従うことではなく、リーダーをサポートし、必要に応じてリーダーに提案やアドバイスを行う役割です。
生徒たちにこのフォロワーシップの重要性を理解させ、リーダーが成功するためにはフォロワーの支援が不可欠であることを教えることが大切です。
これにより、生徒たちはリーダーに依存せず、自分たちの役割を果たす意識が育ちます。

リーダーシップとフォロワーシップの循環を促す

すべての生徒が常にフォロワーでいるわけではなく、場面によってはリーダーシップを発揮することもあります。
教師は、このリーダーシップとフォロワーシップの役割が流動的であることを生徒に理解させ、状況に応じて役割を切り替えることができる柔軟性を養うべきです。
これにより、クラス全体が協力的に動き、生徒たちは状況に応じて自分の役割を果たすことができるようになります。

感謝を伝える会

リーダーに対して感謝を伝える会を実施することで、リーダー自身に達成感を感じてもらうことができます。
また、このような場を通じて、他のメンバーにも「私もリーダーに挑戦してみたい」という前向きな気持ちを高める効果が期待できます。
リーダーシップの重要性を学びながら、次の世代のリーダーが育っていく機会になるでしょう。

感謝を伝える会準備

リーダーの任期が終了する際に、リーダーへ感謝の気持ちを伝える会を開催します。
もし初めて行う場合は、教師が生徒に対してアイデアを投げかけ、感謝の会を企画するよう働きかけてもよいでしょう。
特に、リーダー以外の生徒に準備を依頼することがポイントです。

一度このような感謝の会を開催することができれば、次回からは生徒たち自身が「感謝を伝える会を開きたい」と自主的に申し出てくることが期待されます。

振り返り

感謝を伝える会を実施した後は、リーダーからの感想を学級全体に共有しましょう。
リーダーがどのように感じたかをクラスメートに伝えることで、仲間同士の絆が深まり、今後の活動にも良い影響を与えるはずです。

前期が終わりました。本当にあっという間の半年でした。
私にとって半年間で大きかったことはやっぱり級長をやったことです。どうしたら1-1がよりよくなるかなど、自分たちで考えて動いたので、前よりも周りが見えるようになりました。
4月に想像していたよりも、この仕事は大変でした。
でも、それ以上に達成感も味わえる楽しい仕事です。級長やっと終わったなっていう気持ちもあるけど、もう終わっちゃった…寂しいという気持ちの方が大きいです。
この1-1のメンバーだったから、大変なこともこんな風に楽しめました。
今日みんなからもらった色紙も本当に嬉しかったです。
忙しかったはずなのに、最後まで楽しませてくれて、ついてきてくれて、この仲間でよかったと思います。
ありがとう。
後期では、みんなに支えられたぶん、それ以上にみんなを支えていって、もっと成長していきたいです。
半年間、協力してくれて本当にありがとうございました。
そして、あと半年、1-1の一員として、そして、学校のために動いていくのでよろしくお願いします。

リーダーの感想

おわりに

リーダーを支える仲間の存在は、学級運営において極めて重要です。
リーダーだけでなく、リーダー以外の生徒も自分たちの役割をしっかりと認識し、協力し合うことで、クラス全体が一つのチームとして機能することができます。
この記事で紹介した方法を活用することで、教師はリーダー以外の生徒たちにも自信を持たせ、クラス全体が一丸となって成長できる学級運営を実現できるでしょう。

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