合唱コンクール当日の学級通信

はじめに

合唱コンクールは、中学校生活の中で生徒たちが共に目標を目指す、かけがえのない行事です。
しかし「心を一つにする」ことは簡単ではありません。
練習を重ねる中でぶつかり合いや葛藤があり、仲間の気持ちを受け入れることの難しさに直面した生徒も多くいました。
けれども、その困難を乗り越えた先にある絆や達成感は、何ものにも代えがたい経験です。

この記事では、合唱コンクールを通して生徒たちが学んだ「本当の意味で心を一つにすること」の大切さを振り返り、どのようにして目標に向かって全員が一丸となることができたのか、そのプロセスをご紹介します。
本番に向けての最後のメッセージや、コンクールに向けた生徒たちの成長を感じられるエピソードもお届けします。
この記事を通じて、読者の皆さんにも合唱コンクールの意義や、仲間と目標を共有する大切さが伝わることを願っています。

合唱コンクールに向けて意識するべき大切なこと

1. 「心を一つにする」ことの意味を理解する

合唱コンクールで求められる「心を一つにする」ということは、全員が同じ意見を持ったり、感情を共有することではありません。
本当の意味で「心を一つにする」ためには、お互いの意見や気持ちの違いを認め合うことが不可欠です。
それぞれが持つ気持ちや考えを理解し、受け入れた上で共通の目標に向かっていくことこそが、真の一体感につながります。

2. 仲間との絆を大切にする

練習を通じて仲間と一緒に壁を乗り越える経験は、合唱コンクールを成功させるだけでなく、これからの人間関係にも大きく役立ちます。
クラス全員が「仲間を信じる」「仲間と協力する」という姿勢を持つことが、合唱の質を高める鍵です。
大切なのは、どれだけの歌唱力があるかだけではなく、どれだけ仲間と一緒に歩むことができるかという点です。

3. 自分と向き合うことの大切さ

合唱練習で心の葛藤や不安と向き合い、自分の弱さを認めて乗り越える姿勢は、生徒たちにとって重要な学びです。
自分ができることや苦手なことを受け入れ、改善しようとする気持ちが、最終的に合唱の完成度やクラス全体の雰囲気に影響を与えます。
自分と向き合う勇気を持つことで、より自信を持って本番に臨むことができます。


合唱コンクール当日に書くべき内容

当日に書くメッセージとしては、生徒たちがこれまで取り組んできた努力や成長を振り返り、彼らの「心を一つにする」姿勢を称えることが大切です。
また、以下のポイントを押さえてまとめると、当日の生徒たちの心に響く文章になります。

  1. これまでの努力を称える
    練習に励み、苦労を乗り越えてきたことに感謝し、全員の努力が本番に結びついていることを強調します。

  2. 仲間との一体感を確認する
    仲間との絆がどれだけ強くなったかを認め、共に目標を目指してきたことに誇りを感じるような言葉を伝えます。

  3. 「無敵である」という自信を与える
    仲間と共に目標に向かってきた彼らには「敵がいない」ことを強調し、自信を持って舞台に立つよう励まします。
    仲間がいることで彼らは無敵であり、その力を発揮する準備が整っていることを伝えます。

  4. 感動する合唱が期待されていることを伝える
    これまでの絆や努力がしっかりと合唱に反映されることを期待していると述べ、安心して舞台に上がり、心を込めて歌うように背中を押します。

当日の学級通信

いよいよ今日が合唱コンクール本番。
昨日の練習を見ていると、やっぱりこの学級っていいな。
担任として幸せだな。
この学級が目標を達成してほしいな。と思える時間でした。

昨日の3時間目終わりに木工室から戻り、教室へ向かいました。
いつものように合唱練習をしているあなたたちの姿がありました。
パート練習をしていましたね。
リーダーが指示を出し、バスパートは練習をしていました。
そして、歌い終わるとリーダーはある人に「よくなったよ」と声をかけました。
すると、ある人はバスパートのメンバーでつくった輪の回りを飛び跳ねながら喜んでいました。
その姿が微笑ましく思えました。
5時間目の練習。
表情や歌声、とてもすばらしかったです。
しかし、最優秀賞を取りたいと意気込んだ合唱コンクールでしたが、ここまでくるまでには長い道のりでした。
仲間の声に気づいていないふりをし、傷ついたり傷つけられたり・・・一人一人の思いがばらばらでした。

間違っているとわかっていながら、雰囲気を壊したくなくて何も言えないあなたがいました。
状況を変えたいにもかかわらず、嫌われたくないと何もできないあなたがいました。
言うことを恐れ、言っても聞いてくれないと言い分けをして逃げているあなたがいました。
仲間の頑張りに気づいていながら、俺には関係ないと見て見ぬふりをしているあなたがいました。
変なプライドを捨てられず、あえて仲間の声に耳を傾けないあなたがいました。
変わらなくては!と思っていながら、そんなキャラではないと一歩踏み出せないあなたがいました。

でも、諦めなかった。諦め切れなかった。
自分の弱さと向き合い、仲間との隔たり向き合い、壁を乗り越えようとするあなたがいました。
自分や仲間を傷つけてでも、自分の思いを仲間にぶつけ歩みよろうとしました。
自分や仲間と向き合うのはつらかった。
本当は逃げたかった。

しかし、あなたたちが発したどの言葉にも、
仲間に変わってもらいたい。
仲間を信じたい。
仲間と共に目標を目指したい。

この仲間が好きだから この仲間が大切だから

という思いがありました。

「心を一つに」と、口では簡単に言えます。
でも、本当の意味で、「心を一つに」できている人たちは何人いるのだろう。
人間誰しもが、同じように考え、同じような気持ちになることはけっしてありえません。
口では簡単に「心を一つに」と言えますが、「心を一つに」ってとっても難しいんです。

「心を一つに」っていう意味は、全員の考えや気持ちを一つにすることではありません。
全員が全員の思いを受け止め認め、わかり合うことです。
そして、共通の目標に向かって真っ直ぐ共に歩いて行くことです。

自分や仲間と真剣に向き合ってきたあなたは強い。
あなたたちと一緒に練習できなかった仲間もあなたたちを見ています。
今日あなたたちの合唱を聴いています。

無敵とは敵がいない

ことです。

合唱をすばらしいものにしようと、仲間と向き合ってきたあなたたちに敵はいません。
あなたと共に、あなたの思いを応援してくれる仲間がいます。
あなたたちは今日、すばらしい合唱を全校やこの学級の仲間に伝えるだけです。

あなたたちには、それぞれ違う思いを認めてくれる仲間がいます。
自分の思いをきっとわかってくれると、安心できる仲間がいます。
あなたと一緒に歌えなくても、あなたと同じ思いをもった仲間がいます。
間違いなく、今日は感動ある合唱になるはずです。
あとは、本番を迎えるのみですね!!

大好きなあなたたちに感動を!


おわりに

合唱コンクールは、クラス一丸となって取り組む経験を通じて生徒たちが大きく成長する場です。
教師として当日にできることは、彼らが自信を持って本番に臨むための温かい言葉をかけ、仲間と共に目標に向かっていることに感謝を伝えることです。
この経験が彼らの中に深く刻まれ、今後の学校生活や人生の糧となるよう、最後の後押しをしてあげましょう。

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