2年生になると、後輩ができます。
そして、部活動では、夏が終わると3年生が引退し、2年生が主力となります。
1年生の頃は、準備や片づけ、プレー面など、何をやったらよいか分からなかったことが多かったと思います。
しかし、先輩方に教えてもらって、少しずつできることが増えてきました。
今度は、2年生という立場になったあなたたちが、後輩に伝える番です。
しかし、教え方にも工夫が必要です。
初めは1から全部教える必要はあると思いますが、ていねいに教えすぎると、自分で考えることのできる後輩を育てることはできません。
では、どうしたら自分で考えられる後輩を育てられるのでしょうか。
それは、考えるときに自分自身に投げかける言葉を、そのまま相手に投げかけるのです。
例えば、部活動では、練習する時間が限られています。
なるべく、効率の良い練習をした方が、上達するスピードは上がることでしょう。
だから、後輩には、素早く動いてもらわなくてはなりません。
あなたは、どういった言葉を後輩に投げかけるでしょうか。
1つ目は、「速く動いてね」と、指示を出す方法があります。
2つ目は、「効率よく練習したいから、速く動いてね」と、趣意を説明してから、指示を出す方法があります。
どちらの方が、後輩は動いてくれるようになるか、わかりますか。
もちろん、2つ目の趣意を説明してから、指示を出す方法ですね。
しかし、2つ目の方法ばかりしていても、自分で考え、動くことができる後輩を育てることはできません。
自分で考え、動くことができる後輩を育てるためには、3つ目の方法が必要です。
それが、考えるときに自分自身に投げかける言葉を、そのまま相手に投げかける方法です。
例えば、効率のよい練習を考えるときは、「どうしたら効率のよい練習になるかな」と、自分自身に投げかけますよね。
その言葉をそのまま相手に投げかけるのです。
そして、質問の質により、後輩が考える質が変わります。
なるべく、上質な質問を考え言葉にしていくのです。
それが、できるようになれば、後輩が育ち、あなたに尊敬のまなざしを向けることでしょう。
そして、後輩が、先輩になったときに、次の後輩へつなげ、あなたの言葉が代々受け継がれることでしょう。
もちろん、3つ目の方法だけ、使えばよいという訳ではありません。
ときに、1つ目の方法を用いたり、2つ目の方法を使ったりと、その場に合った言葉を使っていく必要があります。
そのため、あなたの引き出しを増やしていきましょう。