
はじめに
木工の授業で「この板はスギです」「こっちはナラです」と言われても、何がどうちがうのかピンとこないことはありませんか。
実は木材は、大きく針葉樹と広葉樹の二つに分けられます。
このちがいがわかるだけで、材料選びがぐっと楽になりますよ。
この記事では、中学技術の木材の単元で必ず出てくる針葉樹と広葉樹について、分け方、特徴、使い道、選び方をやさしく整理します。
重さを求める例題や、定期テストで問われやすいポイントもまとめました。
動画の内容をもとに、読んで確かめられる形にしています。
- 分け方:木材が葉の形で二つに分かれる理由と、代表的な木の名前。
- 特徴と重さ:軽さ、かたさのちがいと、密度を使った重さの計算。
- 使い分け:作る物から木を選ぶ手順と、テストに出やすい例外。
木材は葉の形で2つに分かれる
木材は、もとになった木の葉の形で針葉樹と広葉樹に分けられます。
針葉樹は軽くて加工しやすく、広葉樹は重くて丈夫、というのが大まかな傾向です。
分け方の基準はかたさではなく葉の形。ここが、この単元でいちばん大切な出発点になります。
この記事では、その傾向を三つのポイントで順番に確かめていきます。
- ポイント1:葉の形で分け、針葉樹と広葉樹それぞれの特徴をつかむ。
- ポイント2:密度で重さを比べ、使い道のちがいを確かめる。
- ポイント3:作る物から木を選び、加工のコツと例外も押さえる。
ポイント1:分け方と代表の木で特徴をつかむ
まずは、針葉樹と広葉樹の分け方と、代表的な木の特徴をつかみます。
ここが土台になるので、先に整理しておきましょう。
分け方と代表の木のポイントを紹介します
葉の形で分ける針葉樹と広葉樹の見分け方
木材は、もとになった木の葉の形で二つに分けられます。
葉が針のように細くとがっている木が針葉樹、葉が平たく広がっている木が広葉樹です。
ここで気をつけたいのは、分ける基準がかたさや重さではなく、あくまで葉の形だということです。
かたさや重さは、分けたあとに見えてくる傾向にすぎません。
身近な例でいえば、山にずらりと並ぶスギの林が針葉樹、公園で見かけるサクラの木が広葉樹です。
この順番を頭に入れておくと、あとで出てくる例外も落ち着いて理解できますよ。
手元に板があって葉が見えないときは、名前から考えるのが近道です。
スギ、ヒノキ、マツは針葉樹、ケヤキ、サクラ、ナラは広葉樹と、代表の六つを覚えておけば十分に戦えます。
中学校の木工室にある材料の札を、授業のたびに見る習慣をつけてみてください。
針葉樹の特徴は軽くてやわらかいこと
針葉樹の特徴は、全体として軽くてやわらかいことです。
のこぎりで切りやすく、かんなもかかりやすく、釘も入りやすいので、初めて木工をする人にも扱いやすい材料です。
幹がまっすぐ高く育つため、長くて大きな材がとれることも強みです。
しかも成長が早いので、植えて育てる植林に向いていて、日本の人工林にはスギとヒノキが多く使われています。
代表はスギ、ヒノキ、マツで、ヒノキは香りがよく狂いが少ないこと、マツはねばり強いことが持ち味です。
ただし、やわらかいということは、傷やへこみがつきやすいということでもあります。
机の天板のように、毎日ものを置いたり書いたりする場所には、少し心もとない場合があります。
長所と短所が表裏一体になっている、と覚えておくと、使い分けの話がすっと入ってきます。
広葉樹の特徴は重くてかたいこと
広葉樹の特徴は、全体として重くてかたい木が多いことです。
傷やへこみに強く、すり減りにくいので、長く使う家具や床、階段によく選ばれます。
木目がはっきりしていて見た目が美しいことも魅力で、ケヤキ、サクラ、ナラなどが代表です。
そのかわり、切ったり削ったりするには力と切れる刃が必要で、育つのにも時間がかかるため、値段は高めになりやすい傾向があります。
ずっしりとした安定感と丈夫さが、広葉樹のいちばんの持ち味です。
ホームセンターで広葉樹の板を持ち上げると、同じ大きさの針葉樹の板より、手にずしりとくるのがわかります。
この重さの差は、あとで数字でも確かめます。
感覚と数字の両方で押さえておくと、テストでも現場でも迷いにくくなります。
- 分け方は葉の形:針のように細い葉が針葉樹、平たく広い葉が広葉樹です。
- 針葉樹は軽い:やわらかく加工しやすい。スギ、ヒノキ、マツが代表です。
- 広葉樹は重い:かたくて丈夫。ケヤキ、サクラ、ナラが代表です。
ポイント2:重さと使い道のちがいを数字で比べる
ここからは、重さと使い道のちがいを、数字と身近な例で確かめます。
重さは、体積かける密度で求められます。
重さと使い道のちがいのポイントを紹介します
密度で重さを比べる考え方
木の重さを比べるときは、密度という数字を使います。
密度とは、一立方センチメートルあたりの重さのことで、単位はグラムです。
目安として、スギやヒノキはおよそ0.4グラム、ケヤキやナラはおよそ0.7グラムとされています。
数字が大きいほど、同じ大きさでも重い木だということです。
木材は育った環境や乾き具合で多少ばらつくので、あくまで目安として覚えておきましょう。
それでも、針葉樹が軽く広葉樹が重いという傾向は、数字ではっきり見えてきます。
密度の考え方は、鉄とアルミを比べるときにも使えます。
体積が同じなら、密度が大きいほうが重い、というシンプルなルールです。
ここを押さえておけば、次の計算問題もこわくありません。
スギとケヤキの重さを求める例題
例題です。計算は難しくないので、落ち着いて一つずつ進めましょう。
縦30センチ、横10センチ、厚さ2センチの板があります。
まず体積を求めます。30かける10かける2で、600立方センチメートルです。
重さは、体積かける密度で求められます。
スギなら600かける0.4で240グラム、ケヤキなら600かける0.7で420グラムです。
同じ大きさの板なのに、その差は180グラムにもなります。
手に持ったときに感じる重さのちがいは、こうして数字で説明できるんですよ。
計算で迷いやすいのは、単位をそろえる場面です。
長さがミリメートルで書かれているときは、10で割ってセンチメートルに直してから体積を出します。
たとえば、厚さが20ミリなら2センチです。
このひと手間を忘れないことが、正解への近道になります。
- 体積を出す:縦、横、厚さをかけ算して、立方センチメートルで表します。
- 密度をかける:スギは約0.4、ケヤキは約0.7を体積にかけます。
- 単位をそろえる:ミリメートルのときは、センチメートルに直してから計算します。
針葉樹と広葉樹の使い道
使い道も、特徴にそってはっきり分かれます。
針葉樹は、軽くてまっすぐな材がとれるので、家の柱や梁、床板などの建築材料に多く使われます。
中学校の木工でも、道具箱や本立てなどによく登場します。
広葉樹は、かたくてすり減りにくいので、机、いす、床、階段、バットのように力のかかる場所や道具に向いています。
楽器の材料としても使われ、木目の美しさが生かされます。
つまり、軽さと加工のしやすさなら針葉樹、丈夫さと見た目なら広葉樹、という分担です。
ほかにも、針葉樹は紙の原料のパルプとしても活用されます。
テストでは、特徴と使い道をセットで答えさせる問題が多いので、軽い、やわらかい、建築と、重い、かたい、家具という対を覚えておくと安心です。
ポイント3:作る物から木を選ぶ使い分け
最後は、実際に作る物から木を選ぶ手順です。
特徴を知っているだけでなく、理由をつけて選べるようになることが、この単元のゴールです。
作る物から木を選ぶ使い分けのポイントを紹介します
作る物から木を選ぶ3つの手順
木を選ぶ手順は、三つに分けると迷いません。
まず、何を作るのかを決めます。
次に、その作品に必要な性質を考えます。
軽さなのか、かたさなのか、見た目なのかを書き出してみましょう。
最後に、その性質に合う木を、針葉樹と広葉樹の特徴から選びます。
たとえば、持ち運ぶ道具箱なら軽くて加工しやすいスギやヒノキ、毎日体重がかかるいすの脚ならナラやケヤキが向いています。
この順番で考えれば、理由をつけて材料を説明できるようになります。
実習の設計では、材料を選んだ理由を書く場面がよくあります。
そのときは、必要な性質、選んだ木の名前、特徴の順に書くと、説得力のある説明になります。
見た目だけで選ばず、性質から選ぶことが、技術の考え方のひとつです。
加工のしやすさと釘を打つときの下穴
加工のしやすさも、材料選びの大切な条件です。
針葉樹はやわらかいので、のこぎりもかんなも軽く動き、釘もすっと入ります。
広葉樹はかたいぶん、よく切れる刃と少しの力が必要で、釘をそのまま打つと曲がったり、木が割れたりしやすくなります。
そこで、広葉樹に釘やねじを入れるときは、先に下穴をあけておきます。
下穴をあけてから打つと、割れずにまっすぐ入り、仕上がりもきれいになります。
材料の性質に合わせて作業の進め方を変えることが、失敗を減らすコツです。
ただし、針葉樹でも板の端に近い位置へ釘を打つときは、割れることがあります。
端から少し離して打つ、細めの釘を使うといった工夫もあわせて覚えておきましょう。
けがを防ぐために、材料はクランプなどでしっかり固定してから作業することも忘れずに。
広葉樹なのに軽いキリと見分けるコツ
分け方は葉の形で決まるので、例外もあります。
その代表がキリです。
キリは広葉樹ですが、とても軽くてやわらかく、湿気の影響を受けにくいので、たんすなどに使われてきました。
このため、広葉樹はすべてかたいと決めつけず、だいたいの傾向として覚えるのがコツです。
板になると葉は見えませんから、同じ大きさの板を持ち比べて重さを確かめたり、爪で軽く押して跡がつくかを見たりします。
いちばん確実なのは、材料に付いている札や表示で名前を確かめることです。
テストでキリが出たときは、広葉樹の例外で、軽くてやわらかい木だと答えられれば十分です。
例外を知っていることは、決めつけずに考えられている証拠でもあります。
特徴はあくまで傾向、という言い方を覚えておくと、記述問題でも使いやすくなります。
- 作る物から考える:必要な性質を先に決めてから、木の種類を選びます。
- 広葉樹には下穴:釘やねじを入れる前に下穴をあけると、割れにくくなります。
- 例外はキリ:広葉樹でも軽い木がある。特徴は傾向として覚えます。
テスト前の確認リスト
ここまでの内容を、テスト前に見返せる形でまとめます。
全部を暗記しようとせず、対になっている言葉をセットで確かめるのがコツです。
まずは声に出して、次に何も見ずに書いて、最後に例題の計算までやってみましょう。
一つずつチェックがつけば、この単元の基本は身についています。
- 分け方:木材は葉の形で、針のように細い針葉樹と、平たい広葉樹に分かれる。
- 針葉樹:軽くてやわらかく加工しやすい。スギ、ヒノキ、マツが代表で、建築に多く使う。
- 広葉樹:重くてかたく丈夫。ケヤキ、サクラ、ナラが代表で、家具や床に使う。
- 重さの計算:重さは体積かける密度。スギは約0.4グラム、ケヤキは約0.7グラム。
- 例外と注意:キリは軽い広葉樹。分けるのは葉の形で、かたさではない。
よくある質問
針葉樹と広葉樹は、どちらがかたいのですか
広葉樹のほうが、全体としてはかたくて重い傾向があります。
針葉樹は軽くてやわらかい傾向です。
ただし、これはあくまで傾向で、分け方の基準は葉の形です。
密度で比べると、スギやヒノキが約0.4グラム、ケヤキやナラが約0.7グラムです。
テストでは、傾向であることと、数字の目安をあわせて答えると確実です。
実物で確かめたいときは、同じ大きさの板を持ち比べるのが近道です。
覚えるときは、広葉樹は重くてかたく、針葉樹は軽くてやわらかい、と対にして口に出してみてください。
広葉樹なのに軽い木があるのはなぜですか
分け方が、かたさではなく葉の形で決まっているからです。
キリは葉が広い広葉樹ですが、材は軽くてやわらかい木です。
このように、分類の基準と、材の性質は別の話になります。
葉の形で分けるという約束があるので、軽い広葉樹も広葉樹の仲間に入ります。
バルサも広葉樹ですが、非常に軽い木として知られています。
だから、広葉樹はかたいと決めつけず、だいたいの傾向として覚えます。
テストでキリが出たら、広葉樹の例外で軽くてやわらかい、とひと言そえれば十分です。
身近な例外を一つ知っているだけで、理解の深さが伝わります。
テストで特徴を書くときのコツはありますか
コツは、特徴と使い道をセットで書くことです。
たとえば、針葉樹は軽くてやわらかいので建築材に使う、広葉樹は重くてかたいので家具に使う、と理由と用途をつなげます。
つなげて書くと、ただの暗記ではなく、理解していると伝わります。
「軽い」だけで終わらず、「軽いので持ち運ぶ道具箱に向く」と書くと、採点する側にも意図が伝わりやすくなります。
数字を問われたときは、重さは体積かける密度の式を先に書き、単位をそろえて計算します。
計算の途中も書いておくと、答えが少しずれても点がもらえることがあります。
おわりに
針葉樹と広葉樹のちがいは、葉の形で分けるところから始まり、特徴、重さ、使い道へとつながっていました。
軽くてやわらかい針葉樹と、重くてかたい広葉樹。その傾向を知っていれば、作る物に合う材料を、理由をつけて選べます。
次の木工の授業では、ぜひ材料に付いている札を見て、これはどちらかな、と考えてみてください。
知識が手の感覚とつながったとき、技術の学びはぐっとおもしろくなります。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。








