掃除から身につける自立とは

はじめに

私の学級の生徒が、下校前に、学校を自ら掃除しました。

中学校の目標は、生徒たちを自立・自律させることです。
一つひとつの行為の価値を教え、自ら人のためになる行動ができる生徒を育てることです。
だから、自立・自律について以下のような話をしました。
もしよければ参考にしてください。

自立・自律の語り

中学生の目標として、自立・自律があります。
誰かに認められることを目的とはせず、正しいことを正しく行動できる心を育てることです。
「どうしてその行為をした方がよいのだろうか」と、行為の価値について、きっと理解しているから、自分が正しいと考える行動を貫き通すことができるのだと思います。
「掃除は正しい行為だ」っていうのは誰しもがわかっています。しかし、手を抜いてしまう人もいます。

人が動く原動力として、内発的動機付けと外発的動機付けがあります。
内発的動機付けとは、行為の価値を感じ、自分から動きたいと思うことです。
それに対し、外発的動機付けとは、認められたり、褒められたりと、周りからの影響を受けて頑張りたいと思うことです。

自立ができている人は、きっと内発的動機付けができていることでしょう。

人が見ているときだけよいかっこうをして、周りがいなくなったら手を抜く。
そんな人は、外発的動機付けによって、モチベーションが高まっているということです。

どちらが成長していくか。どちらが成功していくかは簡単に分かりますよね。

そして、内発的動機付けによって、自分を動かしていくためには、「憧れ」や「理想」などの願いが必要です。
また、一つひとつの行為の価値を自分で見つけていかなければなりません。

掃除というささいな行為ひとつ取り上げても、価値はたくさんでてきます。
ひとつの行為にひとつの価値しかないというわけではありません。
掃除の価値。

例えば、

・15分間集中する時間をつくることができる
・学校をきれいにし、環境を整える
・継続する習慣が身につく
・心を律することができる

などが挙げられます。
掃除は、人のためでもあるし、周りのためでもあります。
そして、上記以外にも掃除の価値はまだあります。
そのたくさんある価値の中から、一人ひとりが納得のいくものを取り入れていったらよいのです。

しかしそうは言っても、人はらくをしたい生き物です。
やらない理由ならたくさんでてきます。
だからこそ、一つひとつの行為の価値に目を向け、自分で頑張る理由を真剣に見つけていかなければならないのです。
それが、自律であり、自立です。

自立ができてしまえば、人生がさらに楽しくなります。
自分でそれぞれの行為の価値について考え、自ら動き出すことができるように、自分自身とたくさん対話をしていけるとよいですね。

と、生徒たちに話しました。

おわりに

自分や人のためになる行動をどんどん行っていくことができる生徒に育っていってくれるとうれしいなって思っています。

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