中学技術【収穫の見極め】早すぎ・遅すぎを防ぐ収穫時期の見分け方をわかりやすく解説

はじめに

栽培の授業で、こんな声を聞いたことはありませんか。
「先生、これ、もうとっていいですか」。
毎年かならず出てくる質問ですよね。
水やりや世話のしかたは習っても、いつとるのかを教わる機会は、意外と少ないんです。

じつは、収穫にはちょうどよい時期があります。
これを収穫適期といいます。
そして、この時期は思っているよりずっと短いんですよ。
早すぎても、遅すぎても、せっかく育てた野菜の質は落ちてしまいます。

この記事では、まず収穫の時期がずれると何が起きるのかを確かめます。
次に、見分けるための三つのものさしをそろえます。
最後に、とり方と、記録の残し方まで進みます。
途中には例題を二つ置きました。
たねをまいた日から収穫予定日を出す問題と、収穫量を見積もる問題です。
どちらも定期テストで問われやすい形なので、手を止めてノートに書きながら読んでみてくださいね。
授業を休んでしまった人も、この記事だけで追いつけるように書いています。

収穫の見極めを3つの順で整理する

この単元は、「知る」「測る」「残す」の三つに分けると、一気に見通しがよくなります。
一つ目は、知る。
収穫適期という考え方と、そこからずれたときに起きる変化です。
二つ目は、測る。
日数、大きさ、見た目のサインという三つのものさしで判断します。
三つ目は、残す。
とり方をそろえ、記録を次の栽培へ引きわたす話です。
この順で追いかけると、勘に頼っていた収穫が、理由のある判断に変わっていきますよ。

今日おさえる3つのこと
  • ポイント1:収穫適期は思ったより短い:早すぎても遅すぎても、味と量の両方が落ちます。
  • ポイント2:見分ける3つのものさし:日数で数え、大きさを測り、見た目のサインを読みます。
  • ポイント3:とり方と、次に生かす記録:朝のうちにはさみでとり、日付と量を残します。

ポイント1:収穫適期は思ったより短い

まずは、収穫適期という考え方をつかみましょう。
ここが分かると、あとの三つのものさしが、すべてこの上に乗ってきます。
食べられることと、いちばんおいしいことは、同じではありません。

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収穫適期は思ったより短いのポイントを紹介します

収穫適期とは、どんな時期か

収穫適期というのは、その野菜の味や大きさ、品質がいちばんよくなる時期のことです。
育てているあいだは、大きくなったらとろう、と考えがちですよね。
ところが、このちょうどよい状態は、思っているよりずっと短いんですよ。
作物によっては、数日で過ぎてしまいます。
ここで大事なのは、食べられることと、いちばんおいしいことはちがう、という点です。
まだ食べられる、もう食べられる、という線引きで決めるのではありません。
いちばんよい数日をねらってとる。
それが、収穫の見極めなんです。

同じ房のミニトマトに赤い実・オレンジの実・緑の実が並び、色づきの進み方のちがいが分かる図

早すぎるとどうなるか

まずは、早すぎた場合から見ていきましょう。
いちばん分かりやすいのは、量が減ることです。
実がまだ大きくなりきっていないので、同じ株から本当はもっととれたはずなのに、少ないところで打ち切ってしまうことになります。
味の面でも、待ったほうがよかった、ということが起きます。
実が熟していく最後の数日で、あまみや香りは一気にのってくるからです。
色づきの浅いミニトマトを食べて、すっぱいと感じたことはありませんか。
あれは味が悪いのではなく、まだ育っている途中なんですよ。

遅すぎるとどうなるか

反対に、遅すぎた場合はどうでしょうか。
変化は作物ごとにちがいますが、共通しているのは、かたくなることです。
オクラやキュウリは筋が目立ち、ダイコンやカブは中にすきまができます。
これを、すが入る、と言いますね。
トマトやダイコンは割れることもあります。
葉物は花のくきがのびて、とうが立った状態になり、葉がかたく苦くなってしまいます。
さらに見落としやすいのが、株への影響です。
とり遅れた実は、そのあとも株の力を使い続けます。
だから、次の実がつきにくくなるんですよ。

収穫適期でおさえること
  • 適期は数日しかない:味・大きさ・品質がそろう時期は短く、作物によっては数日で過ぎます。
  • 早すぎ=量も味も足りない:最後の数日であまみと香りがのるので、待つ価値があります。
  • 遅すぎ=質が落ち、株も疲れる:かたくなる、すが入る、割れる、とうが立つ。次の実もつきません。

ポイント2:見分ける3つのものさし

ここからが本題です。
収穫の見極めは、経験や勘だけの世界ではありません。
日数・大きさ・見た目のサイン。この三つを重ねると、判断が確かになります。

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見分ける3つのものさしのポイントを紹介します

ものさし1:たねまきからの日数で数える

一つ目は、日数です。
たね袋の裏を見てください。
たねまきや植えつけから収穫までに、どれくらいかかるかが書いてあります。
これを生育日数といいます。
だからこそ、まいた日を記録しておくことが大切なんですよ。
ここで例題です。
八月二十六日にコマツナのたねをまきました。
生育日数が三十日から三十五日なら、収穫はいつごろになるでしょうか。
ノートに書いてみてください。
答えは、九月二十五日から三十日ごろですね。
ただし気温で前後するので、あくまで目安として使います。

ものさし2:大きさをものさしで測る

二つ目は、大きさです。
実を食べる野菜は、長さや直径で適期が決まるものが多いんですよ。
目安を挙げてみましょう。
キュウリは長さ二十センチメートル前後、ナスは十二から十五センチメートル、オクラは七から八センチメートルです。
オクラはとくに進みが早く、二日から三日で行き過ぎてかたくなります。
慣れるまでは、目分量ではなく、ものさしを当てて測ってみてください。
毎日見ていると、少しずつ大きくなる変化に気づきにくくなるからです。
数字にしてしまえば、迷いようがありませんよね。
大きいほどよい、ではないところが、この単元のおもしろさなんです。

株のそばに棒を当てて草丈を測り、目分量ではなく測って確かめている場面の図

ものさし3:見た目のサインを読む

三つ目は、見た目のサインです。
ミニトマトなら、へたの近くまで赤く色づいたころが食べごろですね。
むずかしいのは、土の中で育つ野菜です。
中が見えないので、地上に出ている部分から読み取ります。
タマネギは葉が倒れたころ、ジャガイモは葉が黄色く枯れたころが合図ですよ。
ダイコンは、土から出た部分の直径が六から七センチメートルになったころです。
葉物は草丈で、コマツナなら二十から二十五センチメートルが目安になります。
どれも、株のほうから出してくれている合図なんですよ。
実だけを見るのではなく、株全体をながめるくせをつけておきましょう。

3つのものさしでおさえること
  • 日数:たね袋の裏の生育日数を使います。まいた日を記録し、気温で前後する目安として見ます。
  • 大きさ:キュウリは20cm前後、ナスは12〜15cm、オクラは7〜8cm。目分量でなく測ります。
  • 見た目のサイン:タマネギは葉が倒れる、ジャガイモは葉が枯れる。株全体が合図を出しています。

ポイント3:とり方と、次に生かす記録

最後は、実際にとる場面の話です。
適期を見分けられても、とり方をまちがえると、株を傷めてしまいます。
収穫は朝のうちに、はさみで。そして、とったら必ず記録に残します。

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とり方と、次に生かす記録のポイントを紹介します

朝のうちに、道具を使ってとる

とる時間帯にも、こつがあります。
おすすめは、気温が上がる前の朝のうちです。
朝の野菜は水分をたっぷり含んでいて、しゃきっとしているんですよ。
暑い時間にとると、しおれや傷みが早く出てしまいます。
とり方も大切です。
実を手で引っぱると、枝が折れたり、株がぐらついたりします。
根が動いてしまうと、そのあとの育ちまで悪くなるんですよ。
収穫ばさみを使い、へたを少し残して切りましょう。
切り口が小さいほど、株の傷みも少なくてすみます。
株を傷つけないことが、そのまま次の実を育てることにつながるんです。

はさみでトマトの実を切りとり、収穫した野菜をかごに集めている場面の図

例題2:収穫量を見積もってみよう

二つ目の例題です。
ミニトマトを十株育てているとします。
一株から、一週間に八個とれるとしましょう。
三週間では、全部で何個とれるでしょうか。
ここでも一度止めて、計算してみてくださいね。
八かける十かける三で、二百四十個になります。
では、学級の三十五人で分けるとどうなるでしょう。
一人六個ずつ配って、まだ少し残る見当がつきますね。
実際には、天気や気温で数は上下します。
それでも、だいたいの見当をつけておくことに意味があるんですよ。
こうして先に数を出しておくと、いつ、だれと、どう使うかまで計画できます。
調理実習に回すのか、家に持ち帰るのかも、ここで決められますね。

とったあとの扱いと、記録を次に生かす

とったあとの扱いで、鮮度は大きく変わります。
畑や花だんに置きっぱなしにせず、日かげに移して、できるだけ早く冷やしましょう。
鮮度は、とった直後から落ちはじめるからです。
そして最後にお願いしたいのが、記録です。
とった日付、個数、重さ。
この三つを書いておくだけでいいんですよ。
次の年に同じ野菜を育てるとき、この記録が、いつまいて、いつとれるのかを教えてくれます。
たね袋に書かれた日数よりも、自分の畑で確かめた日数のほうが、ずっと当てになりますよね。
収穫は、栽培の終わりではありません。
次の栽培の、はじまりなんです。

とり方と記録でおさえること
  • 朝のうちにとる:気温が上がる前の野菜は水分が多く、しゃきっとしています。暑い時間はさけます。
  • 引っぱらず、はさみで切る:へたを少し残して切り、株と枝を傷つけません。次の実につながります。
  • 日付・個数・重さを残す:日かげですぐ冷やし、記録を次の栽培計画の手がかりにします。

おわりに

今日たどってきたのは、収穫適期という考え方、見分ける三つのものさし、そしてとり方と記録の三つでした。
適期は思ったより短く、早すぎても遅すぎても質が落ちる。
日数で数え、大きさを測り、見た目のサインを読む。
そして、とった記録を次の栽培へ引きわたす。
「もうとっていいですか」という問いに、自分の言葉で答えられるようになったなら、もうこの単元は自分のものですよ。

最後に一つだけお願いです。
記事の中に出てきた例題を、もう一度自分の言葉で確かめてみてください。
八月二十六日にまいたコマツナは、いつごろとれるのでしたか。
十株のミニトマトからは、三週間で何個とれるのでしたか。
読んで分かった気になるのと、自分で説明できるのとでは、テストでの手ごたえがまるで変わりますよ。

収穫適期の考え方、日数・大きさ・見た目の3つのものさし、とり方と記録の残し方をまとめた図

ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。

中学技術【収穫の見極め】早すぎ・遅すぎを防ぐ収穫時期の見分け方をわかりやすく解説

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