
はじめに
スマート農業。
ニュースでもよく聞く言葉ですよね。
ドローンが畑の上を飛んでいる映像を、見たことがある人も多いと思います。
けれど、あれで何がどう変わるのかと聞かれると、少し答えにくくありませんか。
「機械を使う農業」というイメージだけで止まっている人が、実はとても多いんです。
スマート農業の中身は、順番でつかまえると一気に分かりやすくなります。
まず、畑の様子を数字で測る。
次に、その数字をもとに機械が決める。
そして、決まったとおりに機械が動く。
測る、決める、動かす。
この三つの流れが分かれば、どんな新しい機械が出てきても中身を読み取れますよ。
この記事では、まず畑の様子をどうやって数字にするのかを、土のセンサとドローンの両方から見ていきます。
次に、いちばんイメージしやすい自動かん水のしくみを、部品ごとに分けて確かめます。
最後に、集めたデータをどう育て方に生かすのか、そのときに気をつけることまで見ていきます。
計算の例題も二問入れていますので、定期テスト前の確認にも使えますよ。
授業を休んでしまった人も、この記事だけで追いつけるように書いています。
スマート農業は3つの順で分かる
この単元は、「測る」「決める」「動かす」の三つに分けると、見通しがよくなります。
一つ目は、測ること。
土の水分や気温を数字にして、ドローンで空からも様子を見ます。
二つ目は、決めること。
しきい値という境目の数字を使って、機械が水を出すかどうかを判断します。
三つ目は、動かすこと。
弁が開いて水が流れ、窓が開いて風が入ります。
この流れが分かると、勘や経験にたよっていた農業が、なぜ数字で引きつげるようになったのかまで見えてきますよ。
- ポイント1:畑の様子を数字で測る:土のセンサとドローンで、これまで勘にたよっていた判断を数字にします。
- ポイント2:自動かん水のしくみ:センサ、制御装置、電磁弁の3つ。しきい値が判断の境目になります。
- ポイント3:データで育てる工夫と注意点:必要な所にだけ作業し、記録で経験を引きつぎます。
ポイント1:畑の様子を数字で測る
まずは、測るところから整理しましょう。
スマート農業でいちばん最初に変わったのが、この部分なんです。
これまでベテランの勘にたよっていた判断を、だれでも読める数字に置きかえること。それがスマート農業の出発点です。
畑の様子を数字で測るのポイントを紹介します
土の水分をセンサで測る
スマート農業の出発点は、畑の様子を数字にするところにあります。
その代表が、土にさして使う土壌水分センサなんですよ。
土の中にどれくらい水が残っているかを、数字で読み取ってくれます。
これまでは、土をさわった感じや、葉のしおれ具合で判断していました。
ベテランなら分かりますが、始めたばかりの人にはむずかしいですよね。
数字で見えるようになると、水をやる目安を人に伝えられます。
かれてしまう前に気づけるのも、大きな利点なんです。
土の状態は、日ざしや風で一日のうちにも変わります。
決まった時刻に見に行くだけでは、追いつかないんですね。
空から見ると育ちのむらが分かる
地上のセンサには、弱いところもあります。
置いた場所のことしか分からない、という点です。
広い畑の反対側で何が起きているかまでは、教えてくれません。
そこで使われるのが、空からの目、ドローンなんですよ。
上から写真をとると、葉の色のちがいがはっきり見えてきます。
色がうすい場所は、水や肥料が足りていないのかもしれません。
歩いて回れば半日かかる畑も、飛ばせば数分で見わたせます。
見つけた場所だけを、あとから自分の足で確かめに行けばいいんですね。
広く見る目と、細かく測る目。
この二つを組み合わせるのが、スマート農業の考え方です。
集めた数字をどう読むか
測った数字は、そのままでは役に立ちません。
タブレットやパソコンの画面に、グラフとして表示して使います。
数字が並んでいるだけの表より、変化の向きがひと目で分かりますよね。
見るこつは、二つあります。
一つは、去年の同じ時期と重ねて比べることです。
今年は乾きぎみだ、去年より気温が高いといった判断ができます。
もう一つは、急な変化に目を向けることです。
いつもと同じように上下している数字は、放っておいて大丈夫です。
ふだんと形がちがうときだけ、畑へ確かめに行けばいいんですよ。
全部を見張ろうとしないのが、続けるこつです。
- 土壌水分センサ:土にさしておくと水分の量が数字で分かり、かれる前に気づけます。
- 気温・湿度・日ざし:夜のあいだも記録が残るので、育ちが悪い原因をあとからさがせます。
- ドローンの空からの目:上から写すと葉の色のちがいが見え、育ちのむらが数分で見わたせます。
ポイント2:自動かん水のしくみ
次は、測った数字をどう使うかです。
いちばん分かりやすいのが、自動かん水のしくみなんですよ。
センサが測り、制御装置が決め、電磁弁が開く。この3つがつながって、はじめて自動で水がやれます。
自動かん水のしくみのポイントを紹介します
センサ・制御装置・電磁弁の3つ
自動かん水のしくみは、三つの部品でできています。
一つ目はセンサです。
土の水分を測って、その値を伝えます。
二つ目は制御装置です。
送られてきた値を見て、水を出すか出さないかを決めます。
三つ目は電磁弁です。
電気の合図で開いたり閉じたりする弁で、水の通り道を開けます。
弁が開くと、畑にはわせたチューブから水がしみ出していきます。
測る、決める、動かす。
この三つがつながって、はじめて自動で水がやれるんですね。
どれか一つが欠けても、しくみは動きません。
順番をセットで覚えておくと、テストでも迷いませんよ。
しきい値の決め方
制御装置が判断に使う数字を、しきい値といいます。
水を出すか出さないかの、境目になる値のことですね。
ここで大事なのは、はじめから正しい値は分からない、ということです。
教科書に書いてある数字を写しても、その畑には合いません。
土の種類や作物、季節によって、ちょうどよい水分はちがうからです。
だから、まず数日から一週間、そのまま測り続けます。
葉がしおれかけたときの値を見つけ、それより少し高めに決めるんですよ。
そのあとも、育ち方を見ながら少しずつ直していきます。
測ってから決める。
この順番が、スマート農業の考え方そのものなんです。
タイマー式とのちがい
決まった時刻に水を出す、タイマー式のしくみもあります。
朝の六時に十分間、というように時間で動かす方法ですね。
センサを使う方式と、どこがちがうのでしょうか。
ちがうのは、判断の材料です。
タイマーは時計しか見ていないので、雨の日でも水を出してしまいます。
土がすでにぬれていても、決まった時刻が来れば動くわけです。
センサ式は、土の状態を見てから決めます。
ぬれていれば出しませんし、暑くて乾きが早い日は回数がふえます。
使う水の量をへらせますし、根がいたむ心配も小さくなります。
同じ自動でも、何を見て決めているかで、結果が変わるんですよ。
- 3つの部品でできている:センサが測り、制御装置が決め、電磁弁が開いて水が流れます。
- しきい値は測ってから決める:数日測って、しおれかけたときの値より少し高めに決めます。
- タイマー式との分かれ目:時刻で出すか、土の状態を見て出すか。雨の日のむだが変わります。
ポイント3:データで育てる工夫と注意点
最後は、集めたデータをどう育て方に生かすかです。
ここまで来て、スマート農業がやっと形になります。
必要な場所に、必要な分だけ。データがあるから、この当たり前ができるようになりました。
データで育てる工夫と注意点のポイントを紹介します
温室では換気や遮光も自動に
自動でできるのは、水やりだけではありません。
温室では、換気や遮光も同じ考え方で自動にできます。
中の温度が上がりすぎたら、窓が開き、ファンが回ります。
日ざしが強すぎるときは、遮光カーテンが閉まります。
どれも、測って、決めて、動かすという流れは同じですね。
ありがたいのは、人がいない時間も動いてくれることです。
夏の昼間、温室の中は外より十度以上高くなることもあります。
学校が休みの日に急に晴れても、機械が窓を開けてくれるんですよ。
人が張りついていなくても、作物が育つ環境を守れる。
ここが自動化のいちばんの値打ちなんです。
ドローンで見て、必要な所にだけまく
ドローンは、見るだけの道具ではありません。
肥料や薬を積んで、上からまくこともできます。
ここで効いてくるのが、さっきの空からの写真です。
育ちが悪い場所が分かっていれば、そこにだけまけばいいですよね。
畑全体に同じ量をまいていたころとくらべて、使う量をへらせます。
費用も下がりますし、まわりの環境への負担も小さくなります。
それに、重いタンクを背負って歩く作業から解放されます。
農作業でつらいのは、この運ぶ仕事なんですね。
必要な場所に、必要な分だけ。
データがあるから、この当たり前がやっとできるようになったんですよ。
記録が経験を引きつぐ、ただし機械任せにしない
スマート農業には、もう一つ大きな利点があります。
作業の記録が、そのまま残ることです。
いつ水をやったか、いつ肥料を入れたかが、日付つきで全部残ります。
うまくいった年のやり方を、次の年にそのままなぞれるんですね。
これは、始めたばかりの人にとって心強い助けになります。
ただし、気をつけることもあります。
数字が正しくても、実物を見なければ分からないことがあるからです。
センサの近くだけがぬれている、ということも起こります。
停電や通信が切れたときの備えも要りますし、費用に見合うかの判断も必要です。
機械は道具で、育てるのは人。
ここは変わりませんよ。
- 必要な所にだけ作業する:育ちの悪い場所が分かるので、肥料や薬の量そのものをへらせます。
- 記録が経験を引きつぐ:いつ何をしたかが日付つきで残り、うまくいった年をなぞれます。
- 機械任せにしない:数字が正しくても実物を見る。停電や通信、費用への備えも必要です。
おわりに
今日たどってきたのは、測る、決める、動かすの三つでした。
土のセンサとドローンで畑の様子を数字にして、しきい値で機械が判断し、弁や窓が動く。
そうして残った記録が、次の年、そして次の人へ引きつがれていきます。
どんなに新しい機械が出てきても、この三つに分けて見れば中身が読めますよ。
ここまでつながって見えたなら、もうこの単元は自分のものです。
最後に一つだけ、やってみてほしいことがあります。
学校の畑や、家のプランターを思いうかべてください。
もし自動かん水をつけるなら、何を測って、いくつを境目にして、何を動かしますか。
紙に三つ書き出してみると、教科書の言葉が急に自分のものになりますよ。
ご視聴ありがとうございました。
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中学技術【スマート農業】センサ・ドローン・自動かん水のしくみをわかりやすく解説
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