
はじめに
情報セキュリティという言葉は、テレビでもニュースでもよく聞きますよね。
でも「説明してみて」と言われると、意外と言葉に詰まってしまう。
そんな単元なんです。
中学技術の情報分野の中でも、情報セキュリティは用語が多い単元です。
機密性、完全性、可用性、認証、暗号化、マルウェア、フィッシング。
ひとつずつは短い言葉なのに、まとめて出てくると急に難しく感じます。
定期テストで点が取りにくいのも、たいていはここが理由なんですよ。
この記事では、その用語を3つのかたまりに整理していきます。
「何を守るのか」「どうやって本人を確かめるのか」「身近な危険をどう防ぐのか」。
この順番で読めば、バラバラだった言葉がつながって見えてきます。
そしてもうひとつ。
この単元は、テストのためだけの知識ではありません。
今日学ぶことは、そのまま自分のスマホと自分の情報を守る力になります。
こわがるための知識ではなく、守るための知識として読んでみてくださいね。
クリックできる目次
情報セキュリティの全体像
情報セキュリティとは、大切な情報を危険から守るための工夫のことです。
ポイントは、技術だけでは守れないということ。
どんなに強い鍵をつけても、かけ忘れたら意味がありませんよね。
技術と、それを使う人のルールや習慣。
この両輪がそろって、はじめて情報は守られるんです。
まずは全体像を3つのステップでつかんでいきましょう。
- 何を守るのか:機密性・完全性・可用性の3要素。この3つのどれが失われたのかで、事故の正体が見えてきます。
- どう確かめるのか:認証と暗号化。本人だけが入れるようにして、通信の中身を他人に読ませない技術です。
- どう防ぐのか:マルウェアとフィッシングへの備え。更新とバックアップという毎日の習慣が最後を支えます。
ポイント1:情報を守る3つの柱
情報セキュリティには、守るべき柱が3つあります。
機密性、完全性、可用性。
英語の頭文字を取ってCIAと呼ばれることもあり、テストでは必ずと言っていいほど問われます。
3つの言葉を丸暗記するのではなく、日本語の意味とセットで覚えるのが近道ですよ。
情報を守る3つの柱のポイントを紹介します
機密性 ― 見せてよい人だけに見せる
機密性は、その情報を見てよい人だけが見られる状態を保つことです。
学校の成績表で考えると分かりやすいですよ。
自分の成績表を本人と先生だけが見られるなら、機密性は守られています。
でも、机の上に開いたまま置いてあって誰でも読めるなら、それは機密性が失われた状態です。
ここで大事なのは、情報が消えたわけでも書きかわったわけでもない、という点なんです。
中身はそのままなのに、見せたくない人に見えてしまった。
これが機密性の事故の形なんですよ。
見られてはいけない情報に、きちんと鍵をかけておく。
それが機密性なんです。
完全性 ― 内容が正しいまま保たれる
完全性は、情報の中身が正しいまま、勝手に書きかえられていない状態のことです。
さっきの成績表なら、点数が誰にも書きかえられていないこと。
これが完全性なんですよ。
想像してみてください。
もし誰かが数字をこっそり直せてしまったら、その成績表はもう信じられませんよね。
情報は、正しいと信じられるからこそ役に立ちます。
だから完全性が失われると、情報そのものの価値がなくなってしまうんです。
見られていなくても、消えていなくても、それは立派な事故なんですよ。
点数がひとつ書きかわるだけで、その表全体が信用できなくなります。
可用性 ― 使いたいときに使える
可用性は、使いたいときにちゃんと使える状態のことです。
成績表を見たいのに、サーバが止まっていて開けない。
これが可用性の失われた状態なんですよ。
意外に思うかもしれませんが、機械の故障や停電、災害も情報セキュリティの脅威に入ります。
悪い人がいなくても、情報が使えなくなれば困りますよね。
だから守る相手は、人だけではないんです。
3つの要素は「何が困ったか」で見分けるのがコツですよ。
もれたら機密性、変わったら完全性、使えなければ可用性です。
この一言をそのまま覚えておくと、テストの問題にもすぐ対応できるようになりますよ。
- 機密性が失われた:他人に見られてしまった状態。パスワードの盗み見や、画面の置きっぱなしがこれにあたります。
- 完全性が失われた:中身が書きかえられた状態。数値の改ざんや、ファイルの一部が壊れた場合が当てはまります。
- 可用性が失われた:使いたいのに使えない状態。停電・故障・災害でサーバが止まった場合も、これに含まれます。
脅威の種類も、この3つとセットで整理しておきましょう。
人による脅威が不正アクセスや盗み見、プログラムによる脅威がマルウェア、そして事故による脅威が故障や災害です。
不正アクセスは、他人のIDとパスワードで勝手に入り込む行為で、不正アクセス禁止法という法律で禁止されています。
そして、その入り口になりやすいのがパスワードの使い回しなんですよ。
ポイント2:認証と暗号化のしくみ
では、どうやって「見せてよい人」だけを通すのでしょうか。
そこで登場するのが認証と暗号化です。
認証は入口で本人かどうかを確かめる技術、暗号化は途中で盗み見られても読めなくする技術。
入口を守るのが認証、道の途中を守るのが暗号化だと考えると、区別しやすくなりますよ。
認証と暗号化のしくみのポイントを紹介します
認証は3つの要素で本人を確かめる
認証というのは、その人が本人かどうかを確かめるしくみのことです。
確かめ方は大きく3種類に分けられます。
1つ目は知っているもの。
パスワードや暗証番号がこれにあたります。
2つ目は持っているもの。
ICカードやスマホなど、本人だけが持っている物で確かめる方法です。
3つ目は体の特徴。
指紋や顔認証がこれですね。
スマホのロック解除を思い出してみてください。
数字を打つのが1つ目、指紋で開けるのが3つ目です。
身近な技術の中に、ちゃんと3種類がそろっているんですよ。
3つのうちどれで確かめているのかを意識すると、認証のしくみがぐっと分かりやすくなります。
パスワードは複雑さより長さが効く
強いパスワードと聞くと、記号をまぜた複雑なものを想像しますよね。
もちろん大切なのですが、実はそれ以上に効くのが長さなんです。
文字数が1つ増えるだけで、試さなければならない組み合わせは何倍にもふくらみます。
だから12文字以上を目安に、英大文字・小文字・数字・記号をまぜるのが基本ですよ。
逆に避けたいのが、名前や誕生日、辞書に載っている単語そのままです。
そして一番危険なのが使い回し。
1つのサイトからもれた組み合わせは、他のサイトでも必ず試されるんです。
大事なサービスほど、他とちがうパスワードを使うようにしてくださいね。
二要素認証と暗号化で守りを重ねる
二要素認証は、さっきの3種類のうち種類のちがう2つを組み合わせる方法です。
たとえばパスワードと、スマホに届く確認コードの組み合わせ。
これならパスワードがもれても、スマホが手元になければ入られません。
守りを重ねるという考え方なんですよ。
もうひとつが暗号化です。
情報を鍵で別の文字に変えて、鍵を持つ相手だけがもとに戻せるようにします。
途中で盗み見られても意味不明なままなので、安心して送れるというわけですね。
入口を守るのが認証、通り道を守るのが暗号化。
この二つがそろって、はじめて安心して情報を送れるようになるんです。
- 認証は3種類:知っているもの(パスワード)・持っているもの(カードやスマホ)・体の特徴(指紋や顔)で確かめます。
- 二要素認証は組み合わせ:種類のちがう2つを使うので、パスワードがもれただけでは入られなくなります。
- httpsは暗号化の印:アドレスの最後のsと鍵マークが、通信が暗号化されているという目印になります。
ここでテストにもよく出る確認をひとつ。
httpとhttpsでは、安全なのはhttpsです。
最後のsは、通信が暗号化されているという印なんですよ。
ブラウザのアドレスバーに出る鍵マークも同じ意味です。
パスワードやカード番号を入力する画面では、この印があるかどうかを必ず確かめる。
それだけで防げることが、たくさんあるんです。
ポイント3:身近な脅威とその防ぎ方
最後は、実際に身のまわりで起きている脅威と、その防ぎ方です。
ここは少しこわい話も出てきますが、安心してください。
手口を知れば、防ぎ方も必ず見えてきます。
大切なのは、こわがることではなく、こうすれば防げると知っておくことなんですよ。
身近な脅威とその防ぎ方のポイントを紹介します
マルウェアは増え方と目的で分かれる
マルウェアというのは、悪い働きをするプログラムをまとめた呼び方です。
ウイルスもその一種で、全部がウイルスというわけではないんですよ。
見分けるコツは、増え方と目的で整理することです。
ウイルスは他のファイルにくっついて広がるタイプ。
ワームは自分だけで増えて、ネットワークを通ってどんどん広がるタイプです。
そしてランサムウェアは、データを勝手に暗号化して人質にし、お金を要求してくるタイプ。
名前の意味を知ると、丸暗記しなくても区別できるようになりますよ。
どれも入口は同じで、あやしいファイルやリンクから入ってくることが多いんです。
フィッシングは急がせる文面で見抜く
フィッシングは、本物そっくりのメールや偽サイトを使って、パスワードを自分から打たせてぬすむ手口です。
見た目は本物と見分けがつかないほど精巧なこともあります。
では、どこで見抜くのか。
文面なんですよ。
今すぐ手続きを、停止します、24時間以内に。
こうやって急がせるのが最大の特ちょうです。
あせらせて、確かめる時間を奪うのが目的なんですね。
だから対策はシンプルです。
メールのリンクは踏まず、公式アプリや自分で調べた窓口から確かめる。
これだけで防げます。
あせらずに一度立ち止まる。
それがフィッシングへの一番の対策なんですよ。
更新とバックアップが最後を支える
守る技術の中心は4つあります。
まずソフトの更新。
地味ですが、見つかった弱点をふさぐので実は一番効くんですよ。
次にウイルス対策ソフトが悪いものを見つけて防ぎ、ファイアウォールが通信の出入口を見張ります。
そして4つ目がバックアップです。
どれだけ守っても、こわれるときはこわれます。
別の場所にもう一つ残しておけば、故障でも災害でも、ランサムウェアにやられても元に戻せる。
可用性と完全性を守る、最後の切り札なんです。
更新は毎日の習慣、バックアップは万が一の備え。
この二つを続けているだけで、守りの力は大きく変わってきますよ。
- 更新は最優先:ソフトの更新は見つかった弱点をふさぐ作業です。後回しにしがちですが、一番効く対策なんですよ。
- 急がせる連絡は疑う:至急・停止・24時間以内。あせらせる文面はフィッシングの典型的な手口だと覚えておきましょう。
- バックアップは別の場所へ:同じ機械の中では意味がありません。別の場所に残してこそ、最後の備えになります。
最後に、行動で確かめてみましょう。
銀行を名のるメールが届いて「至急ここから手続きを」と書いてあったら、どうしますか。
正解は、リンクを踏まずに公式アプリや自分で調べた窓口で確かめることです。
技術ではなく、あせらないという判断が身を守る。
情報セキュリティが技術と習慣の両輪だというのは、こういうことなんですよ。
おわりに
情報セキュリティを、3つのかたまりで見てきました。
機密性・完全性・可用性という守るべき3要素。
認証と暗号化という、入口と道を守る技術。
そして更新とバックアップという、毎日の習慣です。
用語が多くて苦手に感じる単元ですが、こうして役割ごとにまとめ直すと、意外とすっきりしますよね。
テスト前は、まず3要素から見直してみてください。
「もれたら機密性、変わったら完全性、使えなければ可用性」。
この一言を覚えておくだけで、多くの問題が解けるようになりますよ。
そして、この知識はテストのためだけのものではありません。
今日から自分のスマホのパスワードを見直すこともできますし、二要素認証を設定することもできます。
学んだその日に使える。
それが技術という教科の面白いところなんですよ。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。








