
はじめに
木の机や家具の表面って、すべすべしていて気持ちいいですよね。
あのなめらかさは、自然にできているわけではないんです。
のこぎりで切ったままの木は、ザラザラしていて、とげが刺さることもあります。
その表面をうすく削って、平らでなめらかに仕上げてくれる道具が「かんな」なんですよ。
技術の授業でかんなを扱うとき、若手の先生がいちばん不安に感じるのが「刃の調整」ではないでしょうか。
刃を出しすぎてガリッと削れてしまったり、逆に全然削れなかったり。
生徒に教える前に、まず自分が手こずってしまう。
これ、技術科のあるあるなんですよね。
でも、大丈夫です。
かんなは「仕組み」さえ理解すれば、誰でも使いこなせる道具なんです。
この記事では、かんなの各部の名前から、刃の調整の仕方、そして実際の削り方までを、1年生に教える流れで順番に解説していきます。
授業の予習にも、テスト前の復習にも使える内容にしましたので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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かんなってどんな道具?
かんなは、木の表面を薄く削って平らに整えるための道具です。
こうして材料を削る加工のことを「切削(せっさく)」と呼びます。
じつは、けがきで線を引き、のこぎりで切り、かんなで削るという流れは「材料を入力し、加工し、形にして出す」という技術の共通の仕組みそのものなんです。
かんなはその「加工」の部分を受け持つ、木工の仕上げの主役といえる道具なんですよ。
上手に削れているかどうかは、出てくる削りくずを見ればすぐにわかります。
うすくて長い削りくずがスーッと出てきたら、それは上手に削れている証拠です。
反対に、厚くて切れぎれの削りくずが出るときは、どこかを直す必要があるというサインなんですよ。
ポイント1:かんなの各部の名前を知ろう
かんなを使いこなす第一歩は、道具のつくりを知ることです。
名前を知っているだけで、刃の調整の説明がぐっと理解しやすくなるんですよ。
むずかしく考えず、まずは4つの部分の名前と役割をおさえていきましょう。
かんなの各部の名前を知ろうのポイントを紹介します
削る心臓部「かんな身」と「裏がね」
かんなで実際に木を削るのが「かんな身」と呼ばれる刃です。
かんなの心臓ともいえる、いちばん大事な部分ですね。
そして、その刃の裏に重ねてセットするのが「裏がね」という金具です。
裏がねは削るときのささくれを防ぐ役割を持っていて、きれいな仕上がりを支えてくれるんですよ。
まっすぐ削るための「台」
刃を支えている木の部分が「台(だい)」です。
この台の底面が平らだからこそ、木をまっすぐ平らに削ることができるんです。
また、かんなが進む方向の前側を「台頭(だいがしら)」、後ろ側を「台じり」と呼びます。
じつはこの台頭、刃を引っ込めるときに叩く場所になるので、名前を覚えておくと後で役に立ちますよ。
- かんな身(刃):木を削る刃そのもの。かんなの心臓部で、切れ味が仕上がりを左右します。
- 裏がね:刃の裏に重ねる金具。削るときのささくれを防いで、なめらかに仕上げてくれます。
- 台・台頭・台じり:刃を支える木の部分が台、前側が台頭、後ろ側が台じり。台が平らだからまっすぐ削れます。
名前と役割がつながると、かんなが急に身近な道具に感じられてきますよね。
この4つを頭に入れておけば、次の「刃の調整」がとてもスムーズに理解できますよ。
ポイント2:刃の調整をマスターしよう
かんなが上手に使えるかどうかは、ほとんどが刃の調整で決まります。
ポイントは「刃をほんの少しだけ出す」こと、これに尽きるんですよ。
では、どうやって刃を出したり引っ込めたりするのか、見ていきましょう。
刃の調整をマスターしようのポイントを紹介します
刃を出すときは「かんな身の頭」を叩く
刃を出したいときは、かんな身の頭を真上から軽く叩きます。
強く叩く必要はありません。
コツン、コツンと少しずつ叩いて、刃を台の底からほんの少しだけ顔を出させるイメージです。
あせって一気に叩くと出すぎてしまうので、少しずつ、が合言葉ですよ。
刃を戻すときは「台頭の角」を交互に叩く
刃を出しすぎてしまったときは、台頭の角を左右交互に軽く叩きます。
すると刃が少しずつ引っ込んでいきます。
片側だけを叩くと刃が斜めになってしまうので、左右をバランスよく叩くのがポイントです。
この「出す・戻す」を繰り返して、ちょうどよい刃の出を探っていくんですよ。
- 刃を出す:かんな身の頭を真上から軽く叩く。少しずつ出すのが失敗しないコツです。
- 刃を戻す:台頭の角を左右交互に叩く。片側だけ叩くと刃が斜めになるので注意します。
- 出す量は髪の毛1〜2本分:0.05〜0.2mmほど。ほんのわずかで十分なめらかに削れます。
刃を出す量は、なんと髪の毛1〜2本分、0.05〜0.2mmほどです。
「えっ、そんなに少しでいいの?」とおどろくかもしれませんね。
でも、刃がうすく出ているほど表面はなめらかに仕上がり、削りすぎも防げるんです。
さらに、裏がねは刃先から0.1〜0.2mmにそろえておくと、ささくれをぐっと減らせますよ。
ポイント3:正しい削り方で仕上げよう
刃の調整ができたら、いよいよ削っていきます。
削り方の基本は「固定して、姿勢を作って、木目にそって一気に引く」、この流れなんですよ。
安全のことも一緒に確認しながら進めていきましょう。
正しい削り方で仕上げようのポイントを紹介します
削る前に「安全」と「固定」を整える
かんなの刃はとても鋭いので、まず安全の確認からです。
刃に指を近づけない、置くときは刃を下に向ける、この2つを必ず守りましょう。
そして、削る木材は作業台にしっかり固定します。
材料が動いてしまうと、まっすぐ削れないだけでなく、けがにもつながるので、固定は安全の基本なんですよ。
木目にそって、一気にまっすぐ引く
体を正面に向けて、両手でかんなをしっかり持ちます。
そして手前に向かって、とちゅうで止めずに一気にまっすぐ引きます。
このとき力は均等にかけて、木目にそって削るのがコツです。
木目と逆向きに削るとささくれてしまうので、削る向きには気をつけてくださいね。
- 固定と姿勢が基本:木材をしっかり固定し、体を正面に向けて両手で持つことから始めます。
- 木目にそって一気に引く:とちゅうで止めず、力を均等にかけてまっすぐ引くとなめらかに仕上がります。
- 削りすぎは戻せない:削った木は元に戻りません。端材で試し、少しずつ確かめながら進めます。
とちゅうで止めてしまうと、ちょうどそこに段差ができてしまいます。
うまく削れないときは、刃の出を見直したり、削る向きを変えてみたりしてください。
そして覚えておいてほしいのが、削ってしまった木はもう元には戻せないということ。
デジタルのように「やり直し」がきかないからこそ、本番の前に端材で試し削りをして、少しずつ確かめながら進めるのが安心なんですよ。
おわりに
かんなの使い方を、各部の名前から刃の調整、削り方まで見てきました。
大事なポイントは2つだけです。
刃はわずかに出すこと、そして木目にそって一気に引くこと。
この2つを意識するだけで、うすくて長い削りくずが出る感覚がきっとつかめてきますよ。
最初はうまくいかなくて当然です。
でも、仕組みを理解して、端材で練習を重ねれば、誰でも必ず削れるようになります。
生徒に教えるときも、まずは先生自身が「削れた!」という手ごたえを味わってみてくださいね。
ご視聴ありがとうございました。
この記事の内容を動画でも解説しています。
ぜひご覧ください。
かんなの使い方【中学技術】刃の調整から削り方まで1年生向けにわかりやすく解説








